メディアが報道しない本当のシリア・中東シリア・化学兵器の真相⑵Whose sarin?Seymour M. Hersh/London Review of Books, 19 December 2013 (1/3)　全訳

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@taiyonoibiki ⑬オバマ大統領は、アサドの有罪を立証するために苦労して集められた証拠を一つ一つあげながら、「8月21日に先立つ数日前、アサドの化学兵器特殊部隊が事件発生現場付近でサリンを混合し、攻撃の準備をしていたという情報を我々は入手している。

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@taiyonoibiki ⑭特殊部隊の隊員には事前に防毒マスクが配布されていた。そして、その特殊部隊は自らの支配領域から東グータの11の居住地に向かって、そこにいる反政府勢力を一掃するためにロケットを発射したのである。」

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@taiyonoibiki ⑮その時、オバマは、デニス・マクドーナーの言葉をそのまま反復していたのだった。

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@taiyonoibiki ⑯後にデニス・マクドーナーのチーフ・スタッフが、「私が言葉を交わした全ての情報コミュニティの職員たちの中で、事件がアサドとその政権の犯行であるということに疑いを持つ者は1人もいなかった」と、ニューヨーク・タイムズに語っている。

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@taiyonoibiki ⑰しかし、それは本当だろうか？

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@taiyonoibiki ⑱情報コミュニティ、軍の士官、そしてコンサルタントと最近交わしたインタビューの中で私が気づいたことは、政府の中で繰り返し繰り返し現れる意図的な情報操作・捏造といったものに対する彼らの中の緊張した懸念、時には怒りといったものだった。

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@taiyonoibiki ⑲ある情報コミュニティの高官は同僚に送ったeメールの中で、事件をアサドの犯行と断定するオバマ政権の判断を謀略と呼んだ。「ダマスカスの事件は、アサド政権の犯行ではない」と彼ははっきり書いている。

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@taiyonoibiki ⑳また、別の退役した情報コミュニティの高官は、「オバマ政権は、タイミングと順序を入れ替えて、意図的に入手した情報に変更を加えている。

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@taiyonoibiki ㉑そうすることで、オバマ大統領とその補佐官が実際は事件発生後数日経って入手された情報を、あたかも事件発生と同時にリアル・タイムで入手され、分析されていたものであるかのように聴く者に印象付けることを可能にしている」と私に語った。

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@taiyonoibiki ㉒「情報歪曲だ」と彼は言った。それは、彼に1964年のトンキン湾事件を彷彿とさせるのだった。ときのジョンソン政権は、NSA(国家安全保障局)が傍受した情報の順番を意図的に逆にすることで、北ベトナム早期空爆を正当化したのだった。

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@taiyonoibiki ㉓軍関係者と情報コミュニティの間には言いようのないフラストレーションが広がっていると、その退役情報官僚は言う。

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@taiyonoibiki ㉔肩をすくめて彼は言った。「どうすれば私たちにこの男を助けれられると言うのですかね？オバマとホワイト・ハウスの取り巻きたちが結託して、情報を捏造していると言うのに！」

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@taiyonoibiki ㉕彼らの苦情は、事前にサリン攻撃についていくつもの警告が寄せられていたにもかかわらず、ワシントンが何もしなかったと言う事実に集中していた。

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@taiyonoibiki ㉖軍や情報コミュニティでは、毎朝早朝に機密情報を含む要約報告書を作成することを長年の習慣にしている。いわゆるモーニング・レポートである。

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@taiyonoibiki ㉗モーニング・レポートは国防省長官と総合参謀本部の責任者のために作成され、それから国家安全保障のアドバイザーと国家情報局長官に回される。

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@taiyonoibiki ㉘モーニング・レポートは、政治・経済に関する情報を含まない代わりに、可能な限りの情報収集能力を駆使して世界各地にリアル・タイムで起きている軍事事件の要約を網羅している。

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@taiyonoibiki ㉙ある情報局高官は、事件後8月20日から23日にかけてのレポートを数回にわたって注意深く吟味してみたと私に語った。ところが彼によれば、20日から21日にかけての2日間、そのレポートにシリアに関する何の言及も見出せなかった。

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@taiyonoibiki ㉚中東に関していえば、22日になって初めて主要課題としてエジプトに関するものが一つあったきり、それに続いてシリアの反政府武装組織の一つに内部命令系統の変化が見られると言う報告があっただけだった。

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@taiyonoibiki ㉛その日のレポートにもダマスカスの神経ガス事件に関する情報は皆無だったのである。 サリンガスの使用がメインな話題になったのは、ようやく23日になってからのことだった。

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@taiyonoibiki ㉜事件発生後数時間のうちに、すでにおびただしい数の惨事の写真や映像がユーチューブやフェイスラインや他のソーシャルメディアを通じて広がっていたことを思えば、まだその時点では、政府が一般大衆より多くを知っていると言うことは何もなかったことになる。

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@taiyonoibiki ㉝8月21日、オバマはホワイト・ハウスを発ち、ニューヨーク州とペンシルヴァニア州で2日間の極めて多忙な演説ツアーをこなしていた。

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@taiyonoibiki ㉞あるニューヨーク・タイムズの記者によれば、オバマはその旅途で、サリン事件について憤慨する大衆とメディアの熱狂に関しての初めて報告を受けたらしい。なされるべき情報伝達が政府の内側に欠けていたことが明らかになったのが、やっと8月22日になってからだった。

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@taiyonoibiki ㉟国務省報道官のジェン・サキは、「我々は化学兵器使用の有無について判断を下し得ない状態にある。しかし、事件の発生以来毎日1分1秒、我々に許された可能な限りのすべての能力を駆使して、情報蒐集と分析に集中している。」と記者会見の場で語った。

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@taiyonoibiki ㊱しかし、27日になると政府の論調は突然厳しいものになっていた。大統領報道官のジェイ・カーネィは記者会見の場で、「この事件がシリア政府の犯行であると言うことは、事件が発生したと言う事実そのものと同じくらいにはっきりしている」と語った。

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@taiyonoibiki ㊲しかし、そこでも彼が具体的情報を示すことはなかった。