メディアが報道しない本当のシリア・中東シリア・化学兵器の真相⑵Whose sarin?Seymour M. Hersh/London Review of Books, 19 December 2013 (1/3)　全訳

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@taiyonoibiki ㊳仮に事件の数日前にシリア政府にサリン攻撃のなんらかの意図が見られたなら、情報コミュニティは即座に事前警告を発するべきであった。しかし、警告がなかったと言う事実は、そのまま事件前のシリア政府になんらの動きも兆候も見られなかったことを示している。

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@taiyonoibiki ㊴そして、少なくともアメリカ合衆国政府がそれについて事前に知っておくべき2つの方法がある。そして両方とも、元国NSA職員エドワード・スノーデンが数ヶ月かけて公にしている、アメリカ最高機密書類に関係していた。 pic.twitter.com/phD0Eom00m

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@taiyonoibiki ㊵8月20日、ワシントン・ポストはアメリカ情報コミュニティの局ごとのプログラマーたちの年予算の抜粋を掲載した。これはエドワード・スノーデンによって供給された情報である。

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@taiyonoibiki ㊶オバマ政権との協議の結果、ワシントン・ポストは全178ページのドキュメントのうち（この中にはトップ・シークレットよりさらに厳格な機密性が要求される文書を含んでいる）、問題となっていることに関連して、ごく限られた部分と要約だけを公開した。

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@taiyonoibiki ㊷その問題の一つとは、アサド政権を対象にした報道内容のギャップに関することであった。

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@taiyonoibiki ㊸その文書は、世界中に張り巡らされたアメリカ国家安全保障局の電気盗聴システムが、シリア内戦が始まったその振り出しの時点から、シリア政府軍幹部たちの暗号化されていないコミュニケーションを全て把握していたことを明らかにしていた。

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@taiyonoibiki ㊹しかし、アサド大統領の軍に関してはその限りではないことが後になってわかってきた。言い換えれば、国家安全保障局はシリア軍の幹部の会話にもはやアクセスできなくなっていたということである。

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@taiyonoibiki ㊺それは、アサドが例えばサリン攻撃の命令を出したか否かという重要な内容も含んでいた。（8月21日以来政府が発表した公式の声明の中で、オバマ政権はただの一度もアサド自身によるサリンへの関与についての具体的情報を持っていると主張していない。）

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@taiyonoibiki ㊻またワシントン・ポストはこの記事の中で、アメリカ政府がシリアの化学兵器に関していかなる些細な政府の動きも見逃さないほどの精巧な秘密の感知システムをシリア全土に配置しているという指摘を初めて行った。

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@taiyonoibiki ㊼感知システムは地球の軌道上にある全ての探査衛星をコントロールしているNRO（国家探査局）によって管理されている。ワシントン・ポストの要約は、シリア国内の地表に設置された感知装置から得られるそれ以外の情報についてもNROの管理下にあると書いている。

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@taiyonoibiki ㊽感知システム・プログラムに詳しいある退役情報高官が私に語ったところによれば、NROの地上感知装置はシリア国内にあるすべての化学兵器関連設備の直近に設置されており、化学兵器のどんな些細な兆候も見逃さない。

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@taiyonoibiki ㊾仮にシリア軍がサリンをミサイル弾頭に充填するような目だった動きをすれば、即刻わかってしまうだろうと言った。つまり早期警告という観点から言って、シリア政府軍がサリンを充填した瞬間をアメリカ政府とイスラエルの諜報機関が見逃すはずはないということだ。

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@taiyonoibiki ㊿（特にイスラエルは建国以来のシリアの敵対的隣国であり、シリアの化学兵器については常に神経をとがらせて監視し続けている。そしてアメリカの情報コミュニティと緊密に連携しながら、早期警戒システムを運営している。）

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@taiyonoibiki 51. サリンは金属腐食性が強く、充填すると同時に弾頭部を腐食し始める。だから、いったん弾頭に充填したら長くても2、3日のうちに処置してしまわなければならない---つまり、殺人兵器として使用するか廃棄してしまうかのどちらかしかない。

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@taiyonoibiki 52. 「シリア政府軍には長くても3日の猶予しかないということだよ。サリンを充填した者は3日の時間が与えられる。3日経ったら、サリンが漏れてみんな死んでしまうからね。

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@taiyonoibiki 53. 今やるか、そうでなければお陀仏か。政府が言うように、サリンを入れて3日待つなんて悠長な事はあり得ないのだ。」と、その退役高官は私に言った。

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@taiyonoibiki 54. 「我々は極めて感度の高い感知システムを構築したのだ。空襲警戒システムや火災検知みたいに即刻反応するよ。

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@taiyonoibiki 55. しかし、8月21日に至る前の数ヶ月間そして数日間、感知システムはサリンの動きを全く感知しなかったというのが動かしがたい事実だ」と、その退役高官は語った。

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@taiyonoibiki 56. もちろん、シリア政府軍が未知の方法で密かにサリンを充填したと言う可能性を全く否定することはできないだろう。しかし、あの日グータ地区で起こった出来事についてワシントンはなんの証拠も持っていないと言うことだけはここではっきり言える。

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@taiyonoibiki 57. なぜなら、感知できなかったのだから。

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@taiyonoibiki 58. 感知システムが過去において作動したことがあった。もちろん、シリア政府軍の幹部たちはそのことをよく知っていた。昨年の12月、感知システムはサリン貯蔵施設の付近でサリンを感知した。

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@taiyonoibiki 59. それが、シミュレーションを目的としたシリア軍の定期演習の一環なのかどうか、その時点ではすぐに分からなかった。（シリア軍に限らず全ての軍隊がこの種の演習を定期的に行う。）

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@taiyonoibiki 60. そしてその時、オバマ政権はシリア政府に対して公式に、もしシリア政府が化学兵器を使用するようなことがあれば、それは到底受け入れられないと言う警告を発した。それは外交ルートを通じて公式にシリア政府に通達された。

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@taiyonoibiki 61. そして、実際のそれは、シリア政府軍の定期的な演習の一環に過ぎなかったことが後で判明したのだった。

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@taiyonoibiki 62. 「もし昨年の12月にあったことがオバマにとってそれほど重要なら、どうして8月21日の大惨事の事前に何も言わなかったんだね？」と、その退役高官は言った。