【要約】ダボス会議公式「市民から見てどの国が正しい方向に進んでいるように見えるのか」（2017.01.12）

💫T.Katsumi📢 #FreePalestine 🇵🇸 @tkatsumi06j

「世界の心配事」の第4位は「犯罪と暴力」で，全世界で29%。全25カ国の中ではこれを1位としている国はなかった。第5位は「健康問題」で，全世界で22%，ハンガリー(63%)，ポーランド(49%)，ブラジル(48%)で最大の心配事となっている。 pic.twitter.com/6hSOVPE7HB

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第4位の「犯罪と暴力」では，世界に比べてラテンアメリカの人びとがより「心配」に感じており，これはとくにペルー(71%)，メキシコ(67%)，アルゼンチン(63%)にみられる。 pic.twitter.com/N5WJCAZ9AG

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第7位の「テロ」では，欧州ではトルコ（66%)がもっとも「心配」しており，「健康問題」についてはハンガリー（63%）の人びとがもっとも「心配」している。 pic.twitter.com/AeNXegbohM

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第6位の「教育」(19%)は多くの国の「心配事」となっているが，とくにラテンアメリカではペルー（41%)が際立っている。但し，前月時に比べると，スウェーデンでは9ポイント，イスラエルでは5ポイントも割合が上昇している。 pic.twitter.com/mzXuwoXqq0

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「移民規制」（第10位)は，世界では19%と心配度が低いが，英国では38%と唯一最大の「心配事」となっており，前回調査から2ポイント上昇している。二位はドイツ(37%)で，2ポイント以上の上昇率はイタリア(4)，フランス(2)，ベルギー(2)，カナダ(3)に見られた。 pic.twitter.com/MU1Z9OEXBS

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「モラルの衰退」(第9位)では，中国の衰退が著しく39%となっており，前回に比べても2ポイント下がっている。特筆すべきなのは，質問時に回答者には各テーマの一覧が提示されている訳ではないということだ。したがって頭に浮かんだ最初の「心配事」がモラルの衰退であったということを意味する。 pic.twitter.com/nEdZzTfEWw

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ジェンダー別の「心配事」では，各国でほぼ一致したが，全体的に女性は「健康」問題についてより多く心配している（5カ国)ことがわかった。同じく5カ国で共通したのは「雇用」と「貧困と格差」で，男性の場合も6カ国で「雇用」，5カ国で「財政・政治腐敗」が心配されていた。 pic.twitter.com/U2Sugmz2rj

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【所感】最後の方にあった世界第10位の「心配事」である「移民規制」について，2016年10月の大統領選直前だというのに，米国人のわずか22%が「心配」としたことが興味深い。しかも前回調査時より1ポイント下がっている。以下に移民問題が「つくられたイシュー」であるかの証左だろう。 pic.twitter.com/c2ddaEP1aa

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母国日本に戻ると，17ある「心配事」の中で，日本人が1位になっているものが1つもないというのは興味深い。一方で，日本人自体の最大の「心配事」は「貧困と格差」(38%)で，次いで「社会保障制度の維持」（36%)，そして雇用（30%)となっている。 pic.twitter.com/MoysEhV0z8

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世界の三大「心配事」は，「雇用」「貧困の格差」「財政・政治の腐敗」（※これまでfinancialを「金融」としていたが「金融と政治」では分野が違いすぎるので「財政」に訂正する）なのだから，日本人は少なくとも2つの点では世界の人びとと同じ心配をしているということか。 pic.twitter.com/Sny9bpNrLp

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しかし日本で二番目の「心配事」が「社会保障制度の維持」というのは見逃せない。これは世界では12番目の「心配事」でしかないのだから。つまりこれは国民健康保険，国民年金制度のことだろう。日本の皆保険制度は60年代にすでに成立していた。 ashiken-p.jp/basic/01.html

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しかし，超高齢化社会の到来で，国民一人当たりの負担率を上げたり，高齢者の定義を変えたり，年金の受給年齢を押し上げるなどして対処しなければならない事態に陥っている。調査を受けた64歳の人びとにとって十分切実な問題だということだろう。 ashiken-p.jp/basic/02.html

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この三か月間のサマリーを見ても，世界の展望は段々と暗くなってきていることがわかる。主要25カ国の63%の市民が国の方向性に希望を持てず，雇用・貧困・腐敗が「心配事」のトップを占めている。日本でも貧困が1位に上がっており，市民は経済の発展に展望を見出せないでいる。 pic.twitter.com/lWQTIevldE

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しかも日本では，「貧困」というベースの不安がありながら，「社会保障制度が維持されるかどうか」という一番大きな不安，更に「雇用」の不安までもあるという。純粋に『生活』に対する不満が付きまとっているということだ。 pic.twitter.com/Nrmu2JGD7S

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それでいて，日本人は「国が正しい方向に向かっているのか」という漠然とした問いには，57%が「誤った方向に向かっている」とい感じているという。世界平均的にみれば，日本人はトップ10に入るほど恵まれている部類に入る。 twitter.com/tkatsumi06j/st…

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ダボス会議でのアンケート：貴方の国はどの方向に向かっていると思うか？ ■G8の「誤った方向」度 🥇42%　🇷🇺ロシア 🥈46%　🇨🇦カナダ　 🥉57%　🇯🇵日本👈 ④63%　🇬🇧英国 ⑤65%　🇺🇸米国 ⑥68%　🇩🇪ドイツ ⑦82%　🇮🇹イタリア ⑧88%　🇫🇷フランス pic.twitter.com/gpEEAv6l2h

2017-02-03 08:46:50

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だが，57%が「誤った方向に向かっている」と感じているということは，他国と比べくなくても十分，この国に問題があり，その綻びが露わになってきているということだろう。しかし，この問題意識は選挙の公約に反映されているだろうか。個人の投票行動に反映されているだろうか。

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日本のメディアは純粋にこの視点で社会問題を取り上げているだろうか。「問題」であるという意識があって，それを解決するために国として，自治体として，コミュニティとして，国民として何をすべきかという提案を行っているだろうか。

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今回の調査で，アメリカ市民は，「テロ」が最大の「心配事」で，次いで「健康問題」「財政・政治の腐敗」が問題だと感じているとわかった。全体の約三割が「テロ」と「移民規制」を直結させた結果，これに強硬姿勢をとるトランプ大統領が選出された。 pic.twitter.com/6F0ymyRBfY

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しかしトランプ大統領がとった政策は実質的に，これまで国内で「テロ」を起こしてきた国々と関係のない国々の人びとに対して「移民規制」を行うことだった。市民が本当に「心配」していることについて，的外れな対応を行いつつ，社会を分断している。 bbc.com/japanese/featu…

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国内のメディアでも調査機関でもない国際調査機関が行う調査により，本当に「市民」が問題に思っていることが統計学的に適正な手法で可視化される。そこに本当に市民の「問題意識」が表れているのならば，政治がその問題意識にどう応えているかを評価するのも容易だろう。