仁平ボランティア本のメモ

読書会に向けて、前に書いたことを思い出すために。
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金子良事 @ryojikaneko

明治以来の中央集権が本格的に見直しされるのは、高度成長以降で、革新自治体およびその理論的主柱である構造改革論を媒介にしてる。それなしには、新自由主義の受容もなかっただろう。

2016-12-14 02:16:32
金子良事 @ryojikaneko

仁平さんのボランティア論を改めて読み返すと、この裏テーマとして前川さんの宗教/修養の議論を踏まえて理解し直す必要がある。それにしても、仁平さんの本、今、読み返すと、あらためてよく調べてあるなあ。分かんないところは週末、本人に聞こう。

2016-12-14 09:47:02
金子良事 @ryojikaneko

仁平さんの本、なぜか青年団の明治神宮造営のことが書いてないんだよな。これが日本における動員モデルの起源だと思うんだけど。これは本人に確認してみる必要があるけど、1章は論点としてはきれいに整理されていて、見取り図はつかみやすいけれども、行政と政治の変化との対応関係はピンとこない。

2016-12-14 10:05:50
金子良事 @ryojikaneko

仁平さんの第1章は、市野川さんの議論が取り入れられているんだな。この議論の特徴は、市野川さんの問題意識的に言うと、「社会的なもの」が根付いていない現代の日本ってなぜなんだというところからスタートしていることにあるような気がする。だから、犯人捜しになっているところがある。

2016-12-14 10:16:04
金子良事 @ryojikaneko

仁平さんの1章には二つの点に疑問。1大正期の「社会の発見」問題はいわゆる大正デモクラシーと関連している。しかし、ここには全然出てこない。これはなぜか。2権利と報徳を議論するのはいいけど、西洋と日本では権利概念が違う。少なくとも川島武宜とトマス・C・スミスの議論は扱って欲しかった。

2016-12-14 10:20:07
金子良事 @ryojikaneko

2章との関係でいうと、総力戦体制を仁平さんがどうイメージしているのか分からない。これは1章で決着つけとくべき話かもしれない。ただ、ここをどう理解するのかは、この本全体の論点、動員モデルということとも関係すると思うんだよな。

2016-12-14 10:27:14
金子良事 @ryojikaneko

動員モデルは権力論と深く関わるのは当然としても、国家的なるものだけでなく、組織内における個人と組織の問題もあると思う。言い換えれば、民間組織と国家ないし(そんなものがあるとすれば)独占資本の関係、民間組織内の組織と個人問題。後者は前衛論の話とも関係する。

2016-12-14 10:48:04
金子良事 @ryojikaneko

震災の後、組織の行う活動と個人の活動は海外で区別するという話があって、それは日本にないという話があった。逆に言うと、日本を対象にすると、ボランティアは「個人」文脈に回収されやすくなるとも言える。これって、貧困問題がルポ的な話に回収されるのと似てるな。

2016-12-14 11:13:05
金子良事 @ryojikaneko

2章以降を読んでいくと、戦後の文脈では、運動自体が体制との関係を問うのを避けられない、政治と関わり合うのがよく分かる。

2016-12-14 11:18:09
金子良事 @ryojikaneko

しかし、仁平さんはそれだけじゃないのをよく分かっていて、第二部に事例分析を二つ入れてるんだが、つーか、この本、本書の構成的なものがないから、全体の中で部分がどう位置付くか分かりづらいじゃないか。

2016-12-14 11:20:56
金子良事 @ryojikaneko

これ、単純な書き方の問題だけど、三部構成になってるのに、なんでこういう三部構成になるのかという全体的な話は序章にあった方が良かったと思うんだよね。序章も終章も論点集中で、それはそれでいいんだけど、構成の説明はちょっと欲しいな。一部と二部の最後に次に何やるかは書いてあるけど。

2016-12-14 11:27:43
金子良事 @ryojikaneko

1部は古い言葉で言えば、天皇制国家と総力戦体制までが陸続きに捉えられていて、動員モデルの起源が描かれる。2部はそういう世界で収まらない事例を2本入れる。3部は70年代以降の新自由主義によって福祉国家が変容した時期が扱われている。大雑把には、こう考えておけばいいか。

2016-12-14 11:43:12
金子良事 @ryojikaneko

仁平さんの本は東日本大震災の前の世界だけど、震災の後、彼の予想は大きく変わった。というか、来月の研究会前半は仁平さんの本にしてもらおう。

2016-12-14 11:54:17
金子良事 @ryojikaneko

3部の結論はボランティアよりもNPOがこの分野を塗り替えていく勢いだったが、その予想は外れた。そう予想したのはよく分かって、仁平さん自身も近くにいた人たちが、経営を行い、日本におけるNPO組織の環境整備をして来た。実際それが震災後の寄附税制に寄与した。

2016-12-14 21:47:03