茂木健一郎 (@kenichiromogi)さんの連続ツイート第2050回「脳は文脈が与えられた時に成長する植物のような存在である」

脳科学者・茂木健一郎さんの3月7日の連続ツイート。 本日は、感想です。
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茂木健一郎 @kenichiromogi

連続ツイート2050回をお届けします。文章はその場で即興で書いています。本日は感想です。

2017-03-07 06:11:18
茂木健一郎 @kenichiromogi

人間は動物であり、私たちの思考や行動はリアルタイムの中の運動として起こるけれども、だからこそ見落としている事実がある。それは、脳の神経回路の成長を考える時には、むしろそれを「植物」としてとらえた方が的確だということだ。

2017-03-07 06:12:20
茂木健一郎 @kenichiromogi

ヘッブ則によるシナプス結合の強度の変化や、試行錯誤の結果としての強化学習、そして「一万時間の法則」で起こるような変化は、長い時間をかけて徐々に変化していく植物的なプロセスであり、そのように考えた方が本質が見えてくる。

2017-03-07 06:13:25
茂木健一郎 @kenichiromogi

植物は、ひっぱったりしても伸びない。適切な文脈(土、水分、栄養分、光)が与えられて、その中でゆっくりと成長していくのである。脳の神経回路も同じように、適切な文脈が与えられて初めてゆっくりと育っていく。

2017-03-07 06:14:28
茂木健一郎 @kenichiromogi

たとえば、バイオリン弾きが、演奏の練習をする。弦を抑えて、弓を引き、リズムや、強弱を工夫して、さらには音楽の流れや全体の構造を俯瞰して、バッハを弾く。そのような「文脈」を用意して、初めて関連する脳の神経回路網が成長し始める。

2017-03-07 06:15:49
茂木健一郎 @kenichiromogi

脳の神経回路網は、適切な文脈が与えられたときにはじめて水や光、養分が与えられて成長が始まる植物のような存在である。そのような文脈が与えられた時に、ゆっくりゆったりと成長が始まる。文脈が途切れれば、成長も途切れる。

2017-03-07 06:16:43
茂木健一郎 @kenichiromogi

もっとも、ある程度の強度のある文脈に置かれた後では、夢を見たり、あるいはぼんやりしている時のdefault mode networkの働きなどで、情報は整理され、植物の成長も調整され続ける。オンの時だけでなく、オフの時にも変化が続くくらいの強度のある集中と継続が望ましい。

2017-03-07 06:18:08
茂木健一郎 @kenichiromogi

以上、連続ツイート2050回「脳は文脈が与えられた時に成長する植物のような存在である」をテーマに6つのツイートをお届けしました。

2017-03-07 06:18:45