@steelmgmg 「欲しいものはみんなもらってくよ」 【右肩へかかと落とし】 13 [5D6] 1,3,1,3,5 【HP】100→89
2015-06-13 00:31:40@sendis_19 暴風の直撃を受けた右上腕の骨が、肩の受け皿から外れる。 握り締めていた杖ごと利き腕を奪われた。 痛いはずなのだが、どうやら興奮しすぎて、痛くない。 杖すら、最早必要ない。 「悪というならば!」
2015-06-13 00:47:23@sendis_19 (この体勢から何ができる? 最適解――じゃない、かもしれないが。) 全身を走る衝撃に逆らって、右肩からセンディスに全身で体当たりをかます。 腹の奥に力を込め、掠れる声で呪詛を吼えながら。
2015-06-13 00:48:33@sendis_19 「この私の存在が悪なんだッ!」 【捨て身の体当たり】21 [5D6] 4,4,1,6,6【HP】100→89→76
2015-06-13 00:48:52@steelmgmg かわすこともできたのかもしれない。 それでも捨て身で飛び込んできたリギルを受け止めずにはいられなかった。 大して重くもない自分の身体は耐えきれずにぐらりと倒れる。 けれど、 「馬鹿なこといわないでよ」 リギルの服を掴んで引き寄せ、共に床へ倒れ込んだ。
2015-06-13 01:24:19@steelmgmg 弱点でもある背中を強く打ち付けて、反射的に涙が出るが、止まっていられない。 すかさずごろりと転がってリギルの体と上下を逆に入れ替え、上に乗ることで床に縫い止める。 床に広がった赤い髪が羽のようで。 美しくひしゃげた蝶の標本。 →
2015-06-13 01:25:16@steelmgmg 押さえつけながら、殴るでもなく、叫ぶ。 「君のしたことも、考えも、何もかも悪だったかもしれないけど!」 叫ぶ。リギルのしたことは許し難い。でも 「でも、君はゴルディウスのことが好きでしょう!!」 叫ぶ。それだけはきっとわかった。 →
2015-06-13 01:26:11@steelmgmg 「ゴルディウスは君のことが好きだって言った!!」 叫ぶ。だから。 「そんな存在を僕は、」 「君と同じようにゴルディウスを愛した僕はっ」 →
2015-06-13 01:27:13@steelmgmg 何が痛いのか悲しいのかよくわからないけれど、美しいその標本へ針を刺すように、リギルの胸に涙がひとつ落ちた。 「悪だなんて認めてやれないから」 →
2015-06-13 01:28:19@sendis_19 心臓に針が刺されたような。 ちくり、と痛む。 何を今更。誰が今更。 胸が痛んだ、なんて、冗談じゃない。 そんなもの、とうに解体して怪物にくれてやった。 なのに、なぜ。 涙が溢れる。 センディスから伝染ったか。
2015-06-13 02:21:29@sendis_19 さっき自分で殴った、相手の頬を指先でなでる。 「大丈夫。貴方と私は、きっと違う」 二人に言い聞かせるように。
2015-06-13 02:21:51@sendis_19 「私は本当にゴルディウスが好きなのかわからない」 「自分の感情が本物なのか自信がないんだ」 「好きっていう気持ちを取り出して見比べられたらいいのに」 「何%パターンが一致してますか、99.9%一致しているから同じ感情ですね……なんてさ」
2015-06-13 02:22:12@sendis_19 「わからないんだ、そう、何もわからない」 否定を紡ぐ。 否定によってしか語ることができないから。 肯定の形では崩れてしまうものを語ろうとしているから。
2015-06-13 02:22:33@sendis_19 「貴方はそうやって、ゴルディウスが誰かを好きになるたびに、得体の知れない他人の善悪を飲み込んでいくのかい?」 そんなことをしたら、いつか壊れてしまうよ。 それとも今ここで壊してやろうか。
2015-06-13 02:22:52@sendis_19 頬から手を滑らせ、軽く、首を絞める。 「なあ、殺せよ。俺はぶち壊しに行ったんだぞ。お前の大事な人間を」 涙とともに、溢れるままの言葉を撒き散らしながら、少しずつ力を強める。
2015-06-13 02:23:04@sendis_19 「お前が守れなかったら誰があいつを守るんだ? 愛情振りまいた挙句ぶっ壊れるあいつを! あいつ自身が守れなかったあいつを、お前が守らなかったら――俺が壊しちまうだろうが!!」
2015-06-13 02:23:14@sendis_19 お願いだからこのまま気絶してください。 貴方の言葉を聞いたら、私を構成している言葉は壊れてしまいそうなんです。 お願いします、ごめんなさい、お願いします……。 肉を爪で抉るほど強く、締め上げる。
2015-06-13 02:23:28@sendis_19 「……だから俺を殺してくれ」 「俺が全部ぶちこわしにする前に、俺を殺してくれ」 「好きだって気持ちを一瞬でも信じれたこの瞬間に、死なせてくれ」 【絞首】18 [6D6] 5,5,1,4,1,2【HP】100→89→76→56
2015-06-13 02:24:04@steelmgmg 「……か、は……っぇ゛」 首を絞められ、呼吸も血流も制限されて気持ちよく朦朧としていく意識と視界を、気合で保たせる。 アンデッドでなければこんな無茶は出来なかった。 そうまでして聞きたかった。 この男が何を考えているのかを。 知りたかった。 リギルを。 →
2015-06-13 04:32:53@steelmgmg 聞けば聞くほどに、好きになって嫌になった。 そんなに壊す壊すって言っても、ゴルディウスはまだ息をしているよ。君が壊そうとしなくとも、ゴルディウスは壊れていくよ。僕はそれを全部まとめてどうにかしてやるって思ってて、そこに君が増えたくらいで何だというの。 →
2015-06-13 04:36:07@steelmgmg それなのにどうして殺せ殺せとうるさいの。 どうして僕にそんなことを頼むの。 これは悲しみなのか。 哀しみなのか。 愛しみなのか。 本当に? 僕にだってこんなにわからないんだ。 →
2015-06-13 04:38:43@steelmgmg 僕にわかることは少しだけで。 できることなんてもっと少しだけで。 だからこそ (やだよ) はくはくと唇を動かしてそう告げた。 →
2015-06-13 04:41:11@steelmgmg 首に絡む手を引き剥がす。少し出血したけれど、気にしない。 剥がした手を力任せに床に押し付けた。 「っげほ」 掠れた声を吐き出す。 「君がね、そんなに殺してって喚けば喚くほどね」 「僕は君にとって悪い人でいたくなる」 「僕は君にひどいことをしたくなる」 →
2015-06-13 04:43:59@steelmgmg 「言ったじゃないか」 「君の言い分は聞いてやらない。欲しいものはもらってくって」 酸素の足りない頭で必死に言葉を紡ぎ続ける。 止まらない。止められない。 「君の希望や幸せな終わりなんか知らない」 涙はまだ溢れて落ちていく。 →
2015-06-13 04:50:01