フォビドゥンフォレスト４話「大規模作戦・発動！」 #4 「藤宮涼平」

フォビドゥンフォレスト＠カクヨム投稿中 @fbd_forest

「それは…管理不行き届きでクビにならないか？」 「なりません！」 「本当か？」 「本当ですよ…。ちゃんと村が滅…最後までいますから」 危ねえ。初見プレイヤーには絶対教えちゃいけねぇネタバレをする所だった。あっぶねえ。 「そうか…だが何故…」 め、面倒くせぇ…！！ 28

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いや理屈は通ってる気もするけどもよ…。 「じゃあ！あれっすよ！子供が洞窟に入った責任を取らされかかるけど、主人公の親の口利きで難を逃れた！これで良いでしょう！？」 「…なるほど、彼は村の有力者だったな。しかも危険に晒された子供本人の親だ。それなら、村人も納得するか…」 29

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藤宮先輩は顎に指を当てて、うんうんと頷いている。ようやく納得してくれたようだ。実の所、次の町だと門番が寝こけてる間に子供二人が夜中に外に出るという、もっとまずい案件があるんだが言わねぇでおく。聞かれたらこれも当事者の親の口利きってことで押し通そう。便利な言葉だぜ口利き！ 30

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「涼ちゃん…最初の町でそんなこと言ってたら大変だよ…細かいとこは折り合いつけて脳内補完しないと…」 「理不尽なこととの折り合い…そこは現実と同じか…ゲームを通して現実の難しさを学べる訳か」 「少なくとも、今の所で学ばせようとは思ってねぇでしょうけどね…！」 31

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藤宮先輩がこんなに面倒なプレイングをするとは予想外にも程があった。１０時間も村の中オンリーで何をしていたのかと聞けば、一マス一マス地道に足元を調べていたらしい。悪いけど何もねぇんだ…むしろ足元に何かあるのなんて全編通して１０箇所もねぇんだ…とは流石に言っておいた。 32

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「そうか…自分で確認したかったが…」 軽いネタバレに先輩は少し気分を害したように見えたが、仕方ねぇだろ。放っておくと、この人は街・ダンジョン・ワールド全てのマスを余さず調べかねねぇと分かったからな。これ以上無駄な苦行をさせるわけには行かねぇ。 33

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会長は俺に「涼平に少しは人間らしい遊びを教えて上げて下さい」と頼んでいた。同級生…というか人間を評する言葉とはとても思えねぇが、今ならこの言葉の意味が少しは分かる。この人はとことん律儀というかバカ正直で融通が効かねぇんだ。良く言えば真っ直ぐってことでもあるけどよ。 34

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戦闘ならもっと発想力もあり応用も効く人なんだが、それ以外のプライベート周りでは大体こんな感じだと金枝先輩が溜息混じりに苦笑した。会長もだけど苦労が忍ばれるぜ。 金枝先輩が次の紅茶を入れ終わると、ちょうど久浦達とラッタが来たので、雑談を打ち切った。 35

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金枝先輩がパソコンのメモを見ながら話す。 「…ええとじゃあ今日の確認事項は卒業式の…」 「ああ、その前に叶音」 「なぁに？」 「忘れる前に訂正しておくが、さっきのあれは町じゃなくて、村だ」 「え、そこ突っ込んじゃうの！？」 「…しかも今ですか」 金枝先輩と瑠梨が真顔になる。 36

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「？」 あとから来た３人は当然意味の分からねぇ様子だった。まさかこの切り口でゲームの話とも思わなかったようで、特に追求することなく会議は続けられた。 37

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フォビドゥンフォレスト４話「大規模作戦・発動！」 #4 「藤宮涼平」終わり #5 「望の帰還」 に続く twitter.com/fbd_forest/sta…

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2017-02-05 01:03:33