ジャーナリスト・烏賀陽さん(@hirougaya)が語る「旧来型権威の失墜」
- toshihiro36
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総務省が「選挙期間中のブログ更新は公職選挙法に抵触する」などと時代錯誤(というか時代錯乱)なことを言うのは、コミュニケーション手段が希少だったころの発想をそのままインターネットという「無限資源のメディア」に適用しているからです。これは新聞社と同じです。
2011-03-08 22:01:091935年に和辻哲郎が「地中海は死の海」と暴論を発しても反駁されなかったのは、反駁する情報を手に入れることが難しかったからです。「言ったらそのまま信用される存在」=「権威」とは、こうした情報の希少性その力の源泉に持っています。
2011-03-08 22:03:58ですから、情報の希少性の突破、つまり情報の潤沢化あるいは大衆化は、権威破壊という結果を自然にもたらします。いまインターネットが起こしている変化はそのひとつです。
2011-03-08 22:04:59情報の希少性の喪失→情報の潤沢化→情報の大衆化→権威の破壊は副作用もあります。「権威の破壊」は「誰の言うことなら信用できるのか」という「信用の拠点」が失われることでもあるからです。
2011-03-08 22:11:40インターネットには「カラスは黒い」から「カラスは白い」まで、あらゆる「あなたが見たい事実」がいくらでも探せます。そしてそれを信じる仲間を見つけることも簡単です。
2011-03-08 22:13:43こうした「これが本当だ、という看板をつけた真実の洪水」「真実の潤沢化」を前に、人々は「何を信じていいのかわらかない」という「混乱」から「無関心」に至ります。アノミーがアパシーを呼ぶのです。
2011-03-08 22:15:18「権威」はすでに破壊されています。昔なら「朝日新聞/NHKの言うこと」「東大教授のいうこと」「学校の先生のいうこと」「警察のいうこと」なら(真偽はともかく)信用してもよい、というコンセンサスが崩れてしまったのです。
2011-03-08 22:17:10こうなると、「どこにいけば本当のことを知ることができるのか」という「信用の拠点」が失われ、人々は混乱に追い込まれます。これが現況ではないでしょうか。
2011-03-08 22:18:14私たちは、ホリエモンは犯罪をおかしたのか、ムネオは犯罪者なのか、小沢一郎は犯罪をおかしたのか、さっぱりわかりません。何を見れば「これが最終的に信用してよい」と真実探求を止めていいのかさえ、わかりません。
2011-03-08 22:19:38東京地検特捜部が逮捕したら、逮捕した時点で、いや事情聴取した時点で「こいつは犯罪者」と即断することが、かつては許されました。しかし、そうした「権威」は木っ端みじんになってしまった。それは地検特捜部が低下したのではなく、彼らに反駁する回路が多々開けたからではないでしょうか。
2011-03-08 22:21:46そうです。だからこそ万系一世の皇室を敬うことを(まったく信じていなくてもあえて)選択するのです。と言われたら俺は反駁できなかったり。 RT @hirougaya こうなると、「どこにいけば本当のことを知ることができるのか」という「信用の拠点」が失われ、人々は混乱にry
2011-03-08 22:21:40@hop07 ご名答。そういう「信用の拠点を見失った時代」だからこそ、人々は愛国心とか宗教とか、そういう「信用できそうな可能性のより高いもの」に惹かれます。
2011-03-08 22:22:50小林よしのり氏が「旧時代的な希少性を前提にした権威」(新聞、大学、知識人など)を全力で否定し、愛国心や皇室といった「希少/潤沢」の価値軸に関係のない価値体系に惹かれていったのは、偶然とはいえ、象徴的でした。
2011-03-08 22:25:13「朝日新聞/NHKの言うこと」「東大教授のいうこと」「学校の先生のいうこと」「警察のいうこと」なら(真偽はともかく)信用してもよい、というコンセンサスが崩れてしまった。これは人々の心の中にある「認識の変化」です。朝日や東大、警察が急に劣化した(そちらももちろんある)というより
2011-03-08 22:34:16人々の認識が急速に「お前を権威とは認めない」「お前のいうことを信用しない」に変化してしまったのです。これは「ソ連共産党など正当性を認めない」と一夜にして人々の認識が変わってしまったのと本質は同じです。
2011-03-08 22:35:24朝日、NHK、検察、警察、ソ連共産党、どれも劣化していたのは権威崩壊の以前から劣化していて、よれよれだったのですが、反駁され検証されない限りはその劣化が証明できなかった。
2011-03-08 22:36:29「インターネットによって多くの発信者が現実を検証すれば、我々はより真実に近づける」という淡い期待は、無惨に破れ果てました。いま我々は「自分が好きな真実」を無数に見つけて選べる「真実の唯一性の解体」を目撃しています。
2011-03-08 23:10:30