【憑依:艦娘】[艦これ二次創作]『深海disこれくしょん』-4廻。

初めての二次創作という名の盛大な破壊劇。その、四話とでも呼ぶべき紙片。 何もかもがどうしようも無くなりゆくさまを楽しめる方向け。
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九重七志@憑依特化 @yorishirosama

少しばかりハスキーで、柔らかな声。 しかしトーンはやや暗く、不穏な響きを孕んだ音。 "彼"は、古鷹の身体を動かしながら、一人呟いた。

2017-04-02 02:33:41
九重七志@憑依特化 @yorishirosama

『……んぅ、ううん……』 青葉が、うわ言を吐き出す。 『……おっと』 このまま青葉が目を覚ませば、状況に違和感を覚え、重度の戸惑いを覚えることだろう。 なにせ、あの黒い霧に飲み込まれて以来、彼女自身の自意識は失われていたのだから。 『戻っておいた方が……都合がいい、か』

2017-04-02 02:34:49
九重七志@憑依特化 @yorishirosama

とりあえずの目的は果たされた。 ならば、余計な面倒を背負い込む前に、元の身体へ戻ったほうが良い。 "接舷"による"移乗"、それが可能であると分かっただけでも、十分な収穫だと言えよう。 そうすれば再び、あの青いレ級に近づく事ができるのだから――。

2017-04-02 02:35:03
九重七志@憑依特化 @yorishirosama

『……んん』 好都合。小さく口を開ける青葉。 その口に、古鷹は自らの唇を近づける。 『すまないが、また君の身体を貸してもらう――』 古鷹は青葉の口に舌先を押し込み、身体の中にある"なにか"を青葉へと送り込む。 『んんっ!? ん……ぁ』

2017-04-02 02:36:27
九重七志@憑依特化 @yorishirosama

黒い霧は見えない。 ただ、内側から内側へ、"それ"は移るのだ。 再び視界が変わる。 右目の熱はなく、へそに当たる風も布越しだ。 肩に触れる髪はなく、後ろで括った頭髪がふわりと揺れるのを感じる。

2017-04-02 02:36:54
九重七志@憑依特化 @yorishirosama

『――ぷ、はぁ~……』 力の抜けた舌先を、己の舌で押し返す。 目を閉じて顔を赤くした、古鷹の姿が見えた。 『改良の余地は、ある……か』 青葉はいつもより低い声で呟き、古鷹の目覚めを待つことにした。

2017-04-02 02:37:05
九重七志@憑依特化 @yorishirosama

――こうして"彼"は、新たな"移乗"の方法を"開発"したのだ。

2017-04-02 02:37:35
九重七志@憑依特化 @yorishirosama

[潜水偵察部隊によるパッシブソナーのログ、抜粋] (ゴポゴポと大量の泡が浮き上がるような音) (クジラの鳴き声のような、低く長い音) (何かが方向を転換するような飛沫の音) (人間の笑い声のような連続した高い音) (一切の無音) (ザザッとした雑音が3回) (以降、全て無音)

2017-04-02 02:38:30
九重七志@憑依特化 @yorishirosama

艦隊は征く。討つべき敵を求めて。 到達地は中枢、ド真ん中への敵中突破。 彼の者は何処、憎き仇は何処か。 暖かな身体を打ち捨てて、冷たき躯に緋を灯せ。 斯くして、彼は再び――"憤怒"の海へと飛翔する。 次回『姫』 ――莫迦め。無粋とは、"こういうこと"を言うのだ。

2017-04-05 01:45:06