【離婚で壊れる子どもたち】『夫婦の別れ』=『親子の別れ』になってしまう日本の特殊な現状。離婚の影で壊れていく子どもを守る方法とは。

面会交流について調べる中で出会った本でしたが、読み進める度に、子どもたちが置かれた厳しい現実や、メモしておきたい文章が次々と出てきたので、まとめることにしました。離婚と子どもの事で悩んでいる方に届いて欲しいと思います。
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tsu@子の連れ去り優遇反対 @tsuresarare

棚瀬一代「離婚で壊れる子どもたち」を読んでいます。海外・国内の事例を元に、特に面会交流の重要性を説いています。 #離婚で壊れる子どもたち pic.twitter.com/vqdRRiGs4a

2017-04-30 15:50:19
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著者の棚瀬一代氏は、離婚と子どもの心に対して向き合われた方で、米国で離婚調停者育成のワークショップに参加して調停技法を学び、日本で十二年間ほど家事調停委員として多くの離婚調停に関わってこられました。その後、臨床心理士としても離婚を経験し傷つき「壊れた」多くの親子と出会ってきています。大学の発達教育学部の教鞭をとられていましたが、2014年に永眠されました。
http://tanase-therapy.com/blog/ご挨拶/

直接お会いした事はありませんが、この本を読むと、氏の子どもとその両親を思う深い思いやりが感じられます。離婚に携わる全ての方に読んで頂きたい本です。

tsu@子の連れ去り優遇反対 @tsuresarare

「離婚後も両親がいつまでも熾烈に争い続けるのを目撃して育つ子どもたち、あるいは片親の元からある日突然に他方の親に連れ去られ、その後、他方の親とは会うことなく片方の親の家で暮らすことになった子どもたち」#離婚で壊れる子どもたち P.4

2017-05-01 13:28:13
tsu@子の連れ去り優遇反対 @tsuresarare

「あるいは熾烈な子どもの奪い合いの過程で片親がうつ病になり、自殺企図したり、自死してしまったりといった悲劇を体験する子どもたち。あるいは片親が他方の親を殺傷するといった悲劇に出会ってしまった子どもたち…こうした子どもたちが増えています」#離婚で壊れる子どもたち P.4

2017-05-01 13:29:57

【感想】離婚の際に両親が争うことになると、母親が勝っても、父親が勝っても、負けるのは常に子どもだと言います。子どもは「悪いとされた方の子ども」で常にあり続けるからです。ましてや、片方の親から「あなたのもう片方の親は悪い人間である」と執拗に教え込まれた子どもは、自らの半分を否定されている事になってしまいます。これ自体が大きな虐待であると思います。

tsu@子の連れ去り優遇反対 @tsuresarare

日本では未だに『夫婦の別れ』イコール『親子の別れ』になってしまうこともあるのが現実です。こうした状況は欧米諸国の間では極めて特異な状況であり、近年、国際結婚も増えてきたために、離婚後の子どもを巡っての争いが大きな国際問題にまでなってきています」#離婚で壊れる子どもたち P.5

2017-05-01 13:31:19
tsu@子の連れ去り優遇反対 @tsuresarare

離婚は『夫婦の別れ』ではあるが、決して『親子の別れ』ではないということ、そして『親の思い』と『子どもの思い』は決して同一ではないという(中略)単純なことが離婚後に忘れられていることから、多くの子どもの不幸は生じてきているように思う」#離婚で壊れる子どもたち P.33

2017-05-01 10:54:23

【感想】残念な事に、「夫婦の別れは親子の別れ」を日本の裁判所自体が認め、推進してしまう事が多いようです。親と子どもの意見は違うと言いながら、親の影響下にある子どもの心理状態を鑑みず、「子どもが言っているのだから」と安易に面会を中断させるようなことも起こっているようです。子どもに明らかな被害が及ぶようなケースはもちろん対処が必要です。しかし、そもそもの話、子どもに「親についての是非を判断させる」事自体が虐待の一環になり得るという事を、裁判所含め関係者は考慮にいれて頂きたいです。

tsu@子の連れ去り優遇反対 @tsuresarare

両親別居後に抑うつ状態になった子どもが朝なかなか起きてこず、学校に行くのを渋ると遮二無二行かそうとしたり、また万引きに気づいた時には、その背後にある『愛情に飢えた気持ち』に共感する余裕もなく頭ごなしに怒ったり、警察に連れていかれるよと脅したり」#離婚で壊れる子どもたち P.43

2017-05-01 13:20:05
tsu@子の連れ去り優遇反対 @tsuresarare

「(三歳頃に両親が離婚したA子は)幼稚園や小学校の頃に『学校行きたくない!』と泣いてトイレにこもったりした時に、母親にボロボロになるほど引っ張られたり押したりして連れていかれたという。あまりの酷さに『これが親かと思った…』と回想している」#離婚で壊れる子どもたち P.43

2017-05-01 13:14:39

【感想】こういった事は、離婚後の家庭でなくとも多かれ少なかれ、ストレスを抱えた家庭では起こっている事ではないかと思います。離婚後の家庭環境は多くのストレス下にある事が予想される為、このような状況になる事は多いでしょう。しかし、その時に、もう片方の親が疎外されていると、最初の子どもからの危険なシグナルを見落としてしまう事になりかねません。

親が離婚した子どもにどのような変化が現れるのか

親が離婚した時子どもにどんな変化が生じるかについて、発達段階別に考察し、対応策を示しています。引用した内容はごく一部ですが、書籍の方では、考察の元となった研究者の名前等も併記されています。

3歳までに親が離婚した場合

tsu@子の連れ去り優遇反対 @tsuresarare

(要約)「三歳になる前の段階で親が離婚した場合、その後、継続して頻繁に父親と面会交流していれば問題は少ない。しかし、種々の理由から接触が途絶えた場合、子どもには『両親が揃った家族』の記憶がないので『別に会いたくない』と拒否してしまうことも多い」#離婚で壊れる子どもたち P.50

2017-05-01 10:58:49
tsu@子の連れ去り優遇反対 @tsuresarare

(要約)「これは確かにその時点での子どもの正直な気持ちではあるのだが、そうした気持ちに母親が便乗して会わせないようにしてしまうと、子どもは父親像を欠いたまま育ってしまう。しかし思春期頃になると、必ず『どんなお父さんだったのだろう?』と気にかかりだす#離婚で壊れる子どもたち

2017-05-01 11:01:16
tsu@子の連れ去り優遇反対 @tsuresarare

「(三歳までに親が離婚し、母親が父親に会わせないようにすると)女の子の場合であれば、青年期になり異性との親密性を求める段階になって、同世代の異性には全く興味が湧かず、父親世代の異性に父親像を追い求める、という問題となって現れてくることが多い」#離婚で壊れる子どもたち P.51

2017-05-01 15:17:06
tsu@子の連れ去り優遇反対 @tsuresarare

「(三歳までに親が離婚し、母親が父親に会わせないようにすると)男の子であれば、性同一性の確立が困難になったり、結婚後に自分の子どもと父親としてどのように向き合ったらいいのか分からないといった問題になって現れたりする#離婚で壊れる子どもたち P.51

2017-05-01 15:18:23
tsu@子の連れ去り優遇反対 @tsuresarare

「したがって父親が面会を求めてきた時には、母親は自分の気持ちは置いておき、父親と子どもが会う機会を設定する方向に協力することが、子どもの発達にとって望ましい#離婚で壊れる子どもたち P.51

2017-05-01 15:20:06
tsu@子の連れ去り優遇反対 @tsuresarare

「(1~2歳頃の発達段階に)父親が突然に家を出て行き母子だけが残されることは、子どもにとって大きなショック体験である。悪夢にうなされたり、音に敏感になったり、これまで怖がらなかった犬を怖がったりといった種々の不安症状を示すことが多い」#離婚で壊れる子どもたち

2017-05-01 11:05:05
tsu@子の連れ去り優遇反対 @tsuresarare

(要約)「子どもの不安を軽減するために、なぜ父親が家を出ることになったのか説明し、別れ住んでもこれまでと変わらずに接触ができること同居する親が責任をもって世話をし続けることだから何も心配はいらないことを保証してあげることがとても大事である」#離婚で壊れる子どもたち P.52

2017-05-01 11:06:47

【感想】子どもが乳幼児の間に子どもが連れ去られたケースをネットでいろいろ見てきましたが、連れ去られた側は何年も子どもに敢えておらず、既に子どもは自分の事を忘れているようだと深く嘆き悲しんでいました。子どもの身の回りの世話をし、散歩の帰りにだっこをせがまれ、「将来はどんな声で喋るのだろう、どんな子に育つのだろう」と楽しみにしていた子どもが、自分の事を忘れてしまうのです。子どもに頑として会わせようとしない同居親は、単に自分自身が会いたくないから会わせないのですが、「子どもが会いたがっていない」と言って面会を拒否し、それを裁判所も認めてしまうのです。別居親の絶望は計り知れませんが、この本を読み、そうやって子ども自身の未来を傷つけているのは、まぎれもない同居親自身だと強く感じました。

3-5歳で親が離婚した場合

tsu@子の連れ去り優遇反対 @tsuresarare

(要約)「3-5歳の幼児の意識確認の方法として、同席調停あるいは合同面接が有効といわれている。ある親子合同面接において、調査官室におもちゃを置き三歳の子どもが取る自然な行動を観察すると、ママとパパそれぞれ同じ頻度で関わりを持ったということである」#離婚で壊れる子どもたち P.54

2017-05-01 11:11:07
tsu@子の連れ去り優遇反対 @tsuresarare

「(3-5歳時に離婚で家庭が壊れると)自分が悪い子だった、あるいは可愛くない子だったから等といった自責の念から、極端に良い子になってしまうことがある。(中略)「離婚はあなたのせいじゃないのよ」という事を繰り返し、繰り返し言って聞かせる必要がある#離婚で壊れる子どもたち P.55

2017-05-01 11:14:29
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