ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド感想 まとめ【Botw】
- Aloha_Tengu
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オープンワールドとして考えた際の今作の特徴の一つがサブクエストの簡素な構成だ。 ちょいと気の利いたオープンワールドゲームだと大体サブクエストはこんな感じで連鎖する…
2017-05-06 17:18:20「恐縮だが、あの貴族の家から壺を盗んできてくれないか?」→「こいつがその壺か!お前は用済みだ!死ね!」→返り討ちにした死体のメモ「あの神殿の封印を開く鍵が例の壺だ!何かわからんがきっと財宝だろう!」→神殿の最奥部、強大な悪魔が封印されていたが倒して強力なユニーク武具をゲット
2017-05-06 17:20:28「あの山の向こうに変わった石像があるそうなんだが、写真を撮ってきてくれないか?」→「こいつがそうか!ありがとう!(普通のアイテム)」 「この植物を探しているんだが、持ってきてくれないか?」→「こんなにたくさん!ありがとう!(はした金)」
2017-05-06 17:20:51これだけを見ると、まるで低予算B級オープンワールドのクエストだ!しかしながら、ゼルダのサブクエストはこれでいい。何故か?本作においてサブクエストは目的ではない。手段にすぎないのだ。
2017-05-06 17:27:07本作においては、フィールドの探索が最大の楽しみであり喜びだ。サブクエストは、まだ見ぬ土地、未踏の山に向かう切っ掛けを提供する、ただそれだけだ。道中で出会う風景・敵・イベント…それらこそが本作の真に提供したいものなのだ。
2017-05-06 17:27:36だから、さっきのサブクエスト構成は本当はこうだ。 「あの山の向こうに変わった石像があるそうなんだが、写真を撮ってきてくれないか?」→(道中で山ほどのダンジョンと発見と驚き)→「こいつがそうか!ありがとう!(普通のアイテム)」
2017-05-06 17:27:45批判的な言及と受け止められないように言葉を選びながら他のゲームと比較すると、例えばオープンワールドゲームの代表格のGTAだが、実はあのゲームのメインクエストは『一部クエストの順番を選択可能な一本道』である。
2017-05-06 17:29:05ただ、今作については、数々の驚異的なタイムアタックが示しているように、いきなりラスボスの所まで殴り込んでいって強引にクリアしてよい。しかし、プレイヤーは敢えて自分の力を高め、装備を整え、仲間たちからの協力を取り付けるために世界を巡る。
2017-05-06 17:29:27これはどちらが良いという訳ではなく、この決断で犠牲になる要素もあるのだが(例えばダイナミックなシナリオ構造や成長曲線の統制など)、プレイヤー自身の選択がラストの戦いに直結するという点で、俺はこの選択を支持する。
2017-05-06 17:29:53そして、今作の異様な自由度の象徴ともいえる要素がクライミングだ。 俺の知る限り、探索要素の強いオープンワールドRPGでここまで垂直方向への自由を受け入れたゲームはない。
2017-05-06 17:53:28スカイリムですら、山頂の神殿に行くには登山道を使うのが基本のはずだ。(オープンワールド箱庭が舞台のアクションゲームという点では、prototypeやジャストコーズなどの先駆者は存在する)
2017-05-06 17:53:30今作のリンクは一言で言って握力おばけで、本当にごくごく例外の古代ツルツル壁以外はいかなる断崖絶壁でもクライミング可能だ。更に、クライミングにはスタミナゲージを要するが、これは"クライミング中でも"アイテムにより回復可能…つまりどんな高所にでも到達可能ということだ。
2017-05-06 17:53:41これはゲームの初期の初期にプレイヤーに叩き込まれるが、要するにこのゲームに『正規ルート』の概念はもはやない。山頂に神殿がある?登山道を使ってももちろんいいし、断崖絶壁を強引にクライミングしてもいい。なんなら隣の更に高い山頂からパラセーリングで飛び降りてもよい。
2017-05-06 17:53:51祠パズルにもこの傾向があり、特定の解法を探すパズルから、課題に対してあらゆる解き方が許されるパズルに深化している。 なんという勇気のある決断だろうか。しかし任天堂はそれを見事にモノにした。感嘆するしかない。
2017-05-06 17:53:58戦闘は一見従来作のままだ。極めて快適で、楽しい剣戟。しかし2つの要素がやはりこれも全く新しい戦闘の駆け引きをもたらしている。一つは武器は消耗品という割り切りだ。
2017-05-06 17:54:05従来作のゼルダでは、基本的に使う剣は一振りだ。もちろん、普通の剣から退魔の聖剣マスターソードへのアップグレードや、マスターソード自体の強化などのイベントはあるが、あくまで『今の剣』で戦い続けることになる。
2017-05-06 17:54:13おめでとう!君は洞窟の奥深く、困難な謎を解き、厳重に隠された宝箱から『稲妻の大剣』を手に入れた! だが残念なことにオークを10体も切れば粉々に砕けてしまう。
2017-05-06 17:54:29おめでとう!君は感動的なイベントを経て、とある王家に代々伝わる聖槍を手に入れた! だが残念なことに、ゴブリンを20匹も倒せば真っ二つにヘシ折れてしまう。(幸い、こちらはそれなりの支払いで修復可能だ)
2017-05-06 17:54:35愛着がある武器があっという間に壊れてしまうのは悲しいが、これが戦闘に思いもよらなかった変化をもたらしている。 まず、武器のバリエーションが剣、大剣、槍とわかれ、それぞれの中で豊富な特徴の武器を使い分ける必要がある。(どうせ壊れるので嫌でも使い分ける)
2017-05-06 17:54:42また、強い武器、レアな武器は必然的に、強敵との決戦用に温存されるだろう。 場合によっては、貧弱な武器だけで敵の大群と立ち向かわなければならないが、敵の武器を咄嗟に奪うというのももちろん戦術だ。 これは想像以上の変化とダイナミズムを戦闘にもたらしてくれた。
2017-05-06 17:54:50二つ目はもちろんオープンワールド化に伴うもので、これは戦術自体の大幅な拡張を意味する。例えば敵の寝込みを襲う。弓で敵の歩哨をヘッドショット。高所からの爆撃。馬での強襲。アイテムや天候の活用。もちろん戦闘自体を回避しても良い。これについては任天堂と我々の想像力の戦いだ。楽しもう。
2017-05-06 18:02:10