核爆発についてのあれこれ

とあるきっかけから素人なりに核兵器の熱線や爆風やその破壊力について考えてみました。信憑性ある情報に当たったつもりですが,物理学や兵器に詳しい方のツッコミ・補足歓迎です。
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破壊力と核兵器

{3,5/2} 大二十面体 @Polyhedrondiary

破壊力の観点からは,核兵器の本質は放射能ではない。限られた空間に巨大なエネルギーを投入することこそ本質で,それができるなら核反応による必要はない。 実は質量そのものが巨大エネルギーのコンパクトな貯蔵庫なのだが,それをうまく解放してくれるのが核反応なのでそれで実用化されているだけ。

2017-05-11 07:53:39
{3,5/2} 大二十面体 @Polyhedrondiary

むしろ余計な放射線を出してしまうのは出力の無駄遣いだから,例えば仮に隕石の軌道をコントロールして運動エネルギー弾として撃ち込めるなら,その方がいい。 地表爆発で大量に舞い上がり,成層圏を漂って寒冷化をもたらす「核の冬」も,エネルギー源が核である必要はない。

2017-05-11 07:57:11
{3,5/2} 大二十面体 @Polyhedrondiary

ただ,一発の運動エネルギー弾では,上空でエネルギーを解放することはできない。 もし加害範囲の最大化のために空中爆発が必要であれば,同じ質量で同じ速さの弾を反対側からぶつけてやればいい。

2017-05-11 08:00:08
{3,5/2} 大二十面体 @Polyhedrondiary

これは完全非弾性衝突をもたらすので,その瞬間の全運動エネルギーが一気に解放される。放射線が持ち去るエネルギーが少ないぶん,衝撃波や火球は同じ出力のいかなる核兵器よりも大きくなるはずだ。

2017-05-11 08:02:41

地下核爆発の進み方

{3,5/2} 大二十面体 @Polyhedrondiary

核攻撃の際,核兵器をどこで炸裂させるかは目的に応じて決められて, ①爆風と熱線による加害範囲を最大化するには空中爆発 ②放射能汚染を最大化するにはフォールアウトが多くなる地表爆発 ③電磁パルスによる加害を意図するなら高高度爆発 となって,地下核爆発は攻撃ではなく実験用。

2017-05-12 07:55:57
{3,5/2} 大二十面体 @Polyhedrondiary

北朝鮮問題に関してBBCが公開してる地下核実験のFactfile。これは分かりやすい。 news.bbc.co.uk/2/hi/asia-paci… ①準備:適地に数百メートルの縦坑を掘り,核爆弾と測定器を設置。栓をする。 pic.twitter.com/nVw3gIpLcT

2017-05-11 22:05:29
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{3,5/2} 大二十面体 @Polyhedrondiary

②爆破:制御室から起爆信号を送る。周囲の岩石が気化・膨張することで空洞ができ,地震波が発生する。 ③事後:岩石蒸気は冷えて液化。空洞底に溶融岩石のプールができる。空洞が崩落し地表にクレーターができる。 pic.twitter.com/xKQRgo4tlK

2017-05-11 22:07:19
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{3,5/2} 大二十面体 @Polyhedrondiary

地下核爆発,もっと細かく見ていくとこんなことが起きている。 最初のマイクロ秒で核反応は完了し,厖大なエネルギーが解放される。 続く数マイクロ秒で核爆弾と近傍の岩石が蒸発,数百万度・数百万気圧のガスになる。

2017-05-11 22:12:06
{3,5/2} 大二十面体 @Polyhedrondiary

ミリ秒スケールで高温高圧の岩石蒸気の気泡が形成され,この熱と衝撃波で周囲の岩石も蒸発,さらに外側は溶融し,空洞が形成される。 衝撃波と高圧はこの空洞を押し広げる。膨張によって温度と圧力は低下,起爆から1秒未満で空洞の成長は止まる。

2017-05-11 22:13:37
{3,5/2} 大二十面体 @Polyhedrondiary

核爆発で形成される空洞の半径は,概ね核出力の三乗根に比例し,1メガトンでは100mほど。 この空洞の外側,空洞半径の約3倍までの領域の岩石は破砕され,さらにその倍程度の距離までは放射状に亀裂が入る。そのさらに外側には塑性変形を受けた岩石が広がり,

2017-05-11 22:16:41
{3,5/2} 大二十面体 @Polyhedrondiary

これら破砕域,亀裂域,塑性変形域で大量の岩石の変形にエネルギーが使われたことになる。 塑性変形域の外側の岩石は弾性変形を受け,地震波の形で地球規模にエネルギーを運搬する。この地震波によって核実験の事実が他国に察知される。

2017-05-11 22:17:54
{3,5/2} 大二十面体 @Polyhedrondiary

起爆から数秒経ってようやく溶融した岩石が空洞の底に集まり始める(慣性があるから空洞形成からかなり遅れる)。 空洞は次第に冷却され,岩石蒸気は凝縮し,数秒から数日後には圧力が空洞を支えられなくなって崩落する。崩落が地表まで達すれば,陥没クレーターが形成される。

2017-05-12 08:04:39
{3,5/2} 大二十面体 @Polyhedrondiary

地下核実験による陥没クレーター,これですね。 Nuclear Test Sites sindark.com/2006/02/20/nuc… pic.twitter.com/0GXrjz2lyW

2017-05-12 08:08:29
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{3,5/2} 大二十面体 @Polyhedrondiary

地下核実験の経過。 炸裂→岩石/地下水の蒸発・岩石の溶融/破壊・空洞形成→圧力減少・崩落 S&TR | Modeling the Subsurface Movement of Radionuclides str.llnl.gov/str/May05/Pawl… pic.twitter.com/QQ1CaSjQp7

2017-05-12 08:00:35
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まとめのお知らせ @togetter_pr

@Polyhedrondiaryさんの「アトミックタンク(原爆戦車)のエピソード」が2500viewを達成。話題のまとめ、まだチェックしてない? togetter.com/li/1110545

2017-05-19 13:15:04
{3,5/2} 大二十面体 @Polyhedrondiary

まとめを更新しました。「高田純『東京で核兵器テロ!』(2004)を遅ればせながら読んでみた」 togetter.com/li/1121924

2017-06-21 08:01:21