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【お玉さんの読書マラソン2017 II】名作家博覧会 芦辺拓 vs 二階堂黎人
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さて『名作家博覧会 芦辺拓 対 二階堂黎人』でございます。 今回は1993年度。 この年からのエントリーは二階堂さんからの一本だけ。 一方の芦辺さんのほうは、アンソロジー編纂の協力依頼のお手紙を鮎川先生から戴いていた頃合? 前の年、その前の年に続いて書籍刊行はなかったりするのです
2017-05-27 01:51:20![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
というわけで、二階堂黎人『聖アウスラ修道院の惨劇』でございます。 1993年8月講談社ノベルス。 前の二作品にあった脚注芸が一掃されていたことにもの寂しさを感じたことは、もうすぐ四半世紀たっちゃうけど、鮮明に覚えているんだよなぁ〜 pic.twitter.com/CwZYmksSc1
2017-05-27 01:51:40![](https://pbs.twimg.com/media/DAxHqS9UAAAHj9P.jpg:medium)
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逆を言うとそれ以外の要素はちっとも覚えてなかったのが『聖アウスラ修道院の惨劇』 かなり良い印象だったんだけど、一体何処に良さげを感じたのやらやら? けど、推協賞の候補作品になったことも後年知ったわけだけど、あまり意外さを覚えなかった記憶もある。(その年の受賞作は『ガダラの豚』)
2017-05-27 01:52:20![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
この年の候補作は珍しく全て読んでいるのよね。中島らも『ガダラの豚』、折原一『異人たちの館』、真保裕一『震源』、梅原克文『二重螺旋の悪魔』、そして『聖アウスラ修道院の惨劇』 もしワイが選考委員やったらどれを選ぶカナ? ……ポクポクポク、ちーん♫ 怒涛のドンデン返し万歳で『震源』で
2017-05-27 01:52:43![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
けど、ホントにスゴイのは(ヤバイのは)、短編賞のほう。斎藤純の『ル・ジタン』だったりするんよネ♫ 表題作である「ル・ジタン」だけはマトモなんだけど、、、、
2017-05-27 01:53:14![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
話を戻して二階堂黎人。 『聖アウスラ修道院の惨劇』、現在進行形で再読している芦辺 & 二階堂作品でガラリと印象が変わってしまった作品のパート1になってしまつちゃったのよね。 しかも悪い方への変貌! 「……あれれ、アウスラって、こんなお話やったっけ???」
2017-05-27 01:53:29![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
この四半世紀、いろいろな本格読んだものなぁ。 ラストのドンデン返しとか刊行当時とかは前代未聞だったのだろうだけど、今現在の経験値で判断すると「えっ、それだけ?」、そこをもっと深く掘り下げないのぉ〜(´Д` ) ドンデン返しの前座である密室不可能劇も「へちょい」
2017-05-27 01:53:53![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
不可能密室だけじゃなく、暗号も、お宝の隠し場所も、殺人に隠された意図も、何もかもが小粒に思えたのよね。それらを組み合わせ、こじんまりとした、しかし破綻の少ない、一個のパッケージに綺麗にまとめてている腕前には感心するんだけど、……派手に煽ってるのに、ここに落ち着いちゃうのとなる
2017-05-27 01:54:27![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
過程が小さくまとまったモノでも、終わりにガツンとした締めが待ち構えているのなら無問題なのだけど、僕たちは京極夏彦とか(脳内麻薬をブチ撒いていた頃の)山口雅也を読んでしまっているジェネレーションなんだよねぇ。1993年当時は通用したネタでも、ちょっと今のご時世にはキツイ
2017-05-27 01:54:58![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
ネタ(プロット)の鮮度落ちはしゃあないとして、それを支える技巧の面は? を考えると、悪との対決時には絶大な効力を発する二階堂蘭子の「物証とか細かいものはどうでもいいんですわ」な直感推理が裏目っているのではと思った。アレは想像を駆使した力技の断定よりも、細かな積み重ねが活きる趣向だ
2017-05-27 01:56:20![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
なのでアウスラで楽しく読めた部分は、当時は退屈でおそらく流して読んでいた、二階堂姉弟が絡まなず警察の方々の捜査描写を描く、いかにもな一般的な推理小説の文体でござ〜いな好美警部のパートだったりする。『諏訪湖マジック』の前半や『悪霊の館』の第三幕の萌芽ってアウスラから存在してたのね♫
2017-05-27 01:56:43![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
というわけで、今回はサラリと流した『聖アウスラ修道院の惨劇』でした。 それでも芦辺さんの作品刊行が無いのでこの年の勝ち星は二階堂さんのほうへ 【A 1 ー N 2】
2017-05-27 01:57:05![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
次回は1994年。 この年から本格的にこの読書マラソンの趣旨であるミステリ対決が開始となるわけです♫ 『悪霊の館』対『殺人喜劇のモダン・シティ』という屈指の好カード! どっちに軍配をあげようか? 未だシンキング中の悩ましい年ですわ。ではでは〜 ( ´ ▽ ` )ノ
2017-05-27 01:58:04![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
さて『名作家博覧会 芦辺拓 対 二階堂黎人』でございます。 今回からは1994年。お玉の脳内で二人がガチンコで殴り合っています (´Д` ) ……こわい そんなおかしな恐怖に震えつつ、感想を綴っていきますよ。この年は芦辺さんからは二本、二階堂さんからは一本となります。
2017-05-28 01:53:40![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
というわけで、本日取り上げるのは芦辺拓『保瀬警部最大の冒険』でございます。 カドカワノベルズでございますよ。この作品、なんとなんと、あの芦辺さんの本ではお馴染みの「あとがき あるいは好事家のためのノート」がついてないんですよね。 それを含めて、異色作だぁ Σ(゚д゚lll) pic.twitter.com/sB486YbZT1
2017-05-28 01:54:10![](https://pbs.twimg.com/media/DA2R0P7V0AAFgkg.jpg:medium)
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まずは思い出話。 ネットとかまだ一般的ではなかった時代。新刊情報とかアヤフヤでアイマイだった時代。本屋さんの棚に夢と未知の出会いが溢れていた時代。 「殺13」にイカれヤラレタお玉さんは本屋さんに訪れる度、「芦辺拓」の本、発売されてないかしら? とチェックしていたんですよね。
2017-05-28 01:55:06![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
一年目。受賞二作目ジックリと書いているんでしょうね。早く出ないかしら? 二年目。第二回の鮎川賞、何かパッとしない作品だったし、、、あれれ『吸血の家』が発売されてるよ?? 三年目。もしかして、一発屋か Σ(゚д゚lll) そして、次の作品への期待を諦めた頃、忘れた頃に、保瀬警部!
2017-05-28 01:55:42![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
正直なところ『殺人喜劇の13人』と全くテイストの違うスチャラカ冒険活劇! そりゃ、戸惑いましたわ。 だがしかし、東郷隆の定吉七番が好きだったので全然問題ナシだったんですよね。都筑道夫で一番好きな作品も『暗殺教程』だったし博覧強記気味な冒険小説も好みのお味だったのです。
2017-05-28 01:56:21![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
少し読みづらさは感じたんだけど、94年のお玉さんは『保瀬警部最大の冒険』を楽しく読んだんよね。読んだはずなんよね。 内容は忘却の彼方。良い印象を覚えたわ、という記憶しか残ってない状態での再読だったの。 ……あれ、先日の『聖アウスラ修道院の惨劇』と同んなじパターンだよ。……フラグ?
2017-05-28 01:57:36![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
保瀬警部のキャラクターが全然説明しきれてなく全く掴みきれてないのに、いきなり保瀬警部をリスペクトする部下の暴走を描写を見せられても正直困りますわ (´Д` ) とにかくシーンの切り替えが頻繁すぎて、登場人物の輪郭を書き出す前にどんどん話が先に進んで行くんですよね
2017-05-28 01:58:42