【横山光輝「三国志」講座129「火中の栗」】

横山光輝「三国志」武将かるた_bot @yms_karuta

【横山光輝「三国志」講座129「火中の栗」26】 曹操の軍はここまで強行軍を続け、兵たちは疲れているだけでなく、水軍は北国育ちの水に慣れぬ者が大部分。この出はなをたたけば、もともと荊州の軍は心ならずも従っているだけだから、たちまち内紛を起こすだろうど言います。

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【横山光輝「三国志」講座129「火中の栗」27】 曹軍は北方へ崩れ立つことは間違いなく、これを追って一挙に荊州に兵を入れ、劉備玄徳と力を合わせ、呉の周りを固め、それから曹操と戦う方法を練るべきという孔明の策に、孫権もその通りだ、と応え、魯粛にすぐに戦の準備をするように命じます。

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【横山光輝「三国志」講座129「火中の栗」28】 魯粛は諸公に向かって、開戦だ、すぐに出動の準備をされたい、と告げます。しかし、寝耳に水状態の重臣たち。はじめは冗談かと思ったが、孫権が決意したと聞くと、孔明に出し抜かれたとあわてて孫権を諌めにゾロゾロと連れ立って行きます。

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【横山光輝「三国志」講座129「火中の栗」29】 重臣達は、かつてあれほど力を持っていた袁紹が曹操に破られた。ましてはその時よりも強大になっている。孔明に惑わされ、国家の進む道を誤ってはならない、玄徳は呉を巻き込んで曹操に復讐したいだけだ、と一気にまくし立てます。

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【横山光輝「三国志」講座129「火中の栗」30】 そんな輩に乗せられて曹操と戦うというのは、薪を背負って火の中に飛び込むようなものだ、と。「殿、火中の栗を拾いたもうなかれ」という言葉が出ますが、このことわざは、17世紀のフランスの詩人がイソップ物語をもとにした寓話から来ています。

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【横山光輝「三国志」講座129「火中の栗」31】 まあ、まさに火中の栗を拾うようなもので、うっかり手を出すと大やけどしますぞ、という重臣たちの諌めの言葉に、孫権ももう一度考えてみようと言わざるをえなくなりました。

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【横山光輝「三国志」講座129「火中の栗」32】 退出しようとする孫権に、魯粛は決心を変えてはいけないと言います。重臣たちは老後の安泰と言えの富貴を求める老将ばかり。呉を成した父・孫堅と兄・孫策の武勇を忘れはなりませぬと、追いすがります。放せと孫権は一人になります。

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【横山光輝「三国志」講座129「火中の栗」33】 どうしららいいのか、頭を抱える孫権。そこに一人の老女が、二人の従者を連れやってきます。孫権の母です。孫権は、曹操と戦うべきか降伏するべきかで国の意見が真っ二つに分かれ、どうしていいのかわからないと率直に言います。

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【横山光輝「三国志」講座129「火中の栗」34】 孫権の母は、そんなことで悩んでいたのかと言い、お前は兄の遺言を忘れてしまっていますね、と言います。孫策は死ぬ間際、国内の問題は張昭に問え、外からの混乱は周瑜に相談するようにと言ったでしょう、と言います。

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【横山光輝「三国志」講座129「火中の栗」35】 ここで孫策の最期のシーンを読み返してみても、周瑜に相談しろ云々の言葉は出てこないんですが、実は言ってたみたいです。孫権は、そ、そうでした、と答えます。うかつでございました、すぐ周瑜を呼び寄せますと、周瑜招集の手紙を認めます。

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【横山光輝「三国志」講座129「火中の栗」36】 孫権は、手紙をすぐに周瑜に届けろと部下に渡します。早速使者は周瑜のもとへと駆け出します。 周瑜といえば、孫策の盟友という人物ですが、横山三国志では名前が出てきたのは今回が初めてとなります。

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【横山光輝「三国志」講座129「火中の栗」37】 周瑜というのはいかなる人物なのか。明らかになるのは、次回のお話となります。 今回はここまで。