日向倶楽部世界旅行編第3話「パラオ泊地、観光編」

三隈グループ @Mikuma_company

その様子を船から見て最上達は焦る 「日向さんまずいですよ！阿賀野さんは砲を持ってないし、あの服だって正規の装備か分からないし！」 「クッ、艤装さえあれば加勢できるのだが…！」 日向の鼓動は遠くまで飛ばせる、しかし迂闊に近付けばクルーザーが破壊されてしまう。

三隈グループ @Mikuma_company

「もぉっ…！この、このぉーッ！」 阿賀野は絶妙な位置取りで密猟者達を通せんぼしている、しかし激しい砲撃に当たるのは時間の問題だ！ 「こうなれば仕方ない、船長！クルーザーを奴らの元に…」 が！日向が言ったその時 「その必要はありません。」 扶桑が船から海へと飛び出した！

三隈グループ @Mikuma_company

「え？は！？扶桑さん艤装つけてないはずでしょう！？」 戸惑う最上達に、彼女は言い放つ 「皆さん、波紋使いの戦いをよく見ておいて下さい。」 「何言ってるんだあんた！」 日向の制止も聞かず、扶桑は生身で海上を滑り、密猟者達の元へと急行した！

三隈グループ @Mikuma_company

「おい、もう一人来るぞ！」 「何も持ってねえじゃねえか！」 扶桑の姿を見て密猟者達は困惑する、生身の人間が海の上を猛然と駆けているのだ！ 「あなた達のやっている事は間違っている、それははっきり分かるのです。」 「気にするな、撃て！」 密猟者達は扶桑へと攻撃を開始する

三隈グループ @Mikuma_company

砲弾は扶桑目掛けて翔ぶ、しかし彼女は避ける気配を見せない！ 「扶桑さん危ない！」 砲弾は命中！しかしダメージがない！ 「なんだあいつ！？」 「ならず者風情が私に勝てると思っているのですか！」 扶桑は攻撃を物ともせず密猟者達の元へ突撃する！

三隈グループ @Mikuma_company

「なんで効かねえんだ！！この！来るんじゃねぇーッ！！！！」 密猟者に扶桑が迫り、その髪を掴んで持ち上げる！圧倒的パワー！ 「…！今しかない！」 その隙に阿賀野が接近！槍の先端についたスタンガンで密猟者を失神させた！ 仲間がやられ、残った二人の密猟者は大混乱に陥る！

三隈グループ @Mikuma_company

だが彼等が混乱しても扶桑は手を緩めない！ 日向がやっているのと同じ、いやそれ以上に強い波紋を手のひらに纏い！ 「止まりなさい！晴嵐、波紋縛！」 密猟者へと向ける！赤い靄が、赤い波紋が、密猟者の身体を包み込む！ 「がっ、がががっ…」 包まれた彼は口も満足に動かせない！

三隈グループ @Mikuma_company

「はぁーッ！」 その隙、先程と同じように阿賀野は槍で気を奪う！これで二人の密猟者が戦闘不能！ 残る一人は獲ったものも放り捨て、一目散に逃げ出した！ 「ま、待ちなさぁーいッ！」 阿賀野は追うが、逃げ足の方が速い、しかし！

三隈グループ @Mikuma_company

「おっとこの野郎…動くんじゃあねーぞ…」 逃げ出した密猟者の前に黄色いメットを被った一人の艦娘が立ちはだかり、主砲をその鼻先へと突きつけた。 「妙なマネはすんなよ、この距離なら環境への影響はねー…遠慮なく撃つぜ…」 密猟者はガクガクと足を震わせ、水の上ですっ転んだ。

三隈グループ @Mikuma_company

「やっと捕まえたんだ、お前らの元締めが一体どこのどいつなのか、しっかり答えてもらうぜ…」 密猟者の髪の毛を掴み、荒っぽく海へと叩きつける。 「あの艦娘、見覚えがあるぞ…？」 その様子を、最上はクルーザーからじっと見つめていた。 つづく

三隈グループ @Mikuma_company

【パラオ泊地】 パラオ共和国にある対深海棲艦前線基地、経済都市に変貌したトラックに比べ、観光地パラオそのままの景色が多く残っているのが特徴。 世界有数の観光地が側にある事から、地元の観光協会と提携して収入を得ている。 また、艦娘として働く地元住民も多いのも特徴である。

三隈グループ @Mikuma_company

【観光協会】 パラオ共和国の観光協会。 深海棲艦出現後はパラオ泊地と提携し、艦娘によるツアーガイドや環境保護活動を精力的に行っている。 運用コストと任務内容のバランスから、派遣される艦娘は軽巡洋艦娘が大半を占めている。

三隈グループ @Mikuma_company

【槍型スタンガン】 先端にスタンガンが付いている折りたたみ式の槍、深海棲艦にはこけ脅しにもならないが、人間やサメなどには十分効果がある。 はっきり言って頼りない、しかし環境保護区域内では火器の使用が禁じられている為、こういった装備を使わざるを得ないという事情がある。