大手メディアの「政治部」と「社会部」の仕事ぶりの重要な違いについて

山崎 雅弘 @mas__yamazaki

東京大学名誉教授である醍醐聰氏は、参院予算委員会での共謀罪法案審議を中継しないのかとNHKの視聴者窓口に問い合わせたところ、責任者はこう答えたのだと言う。「編成局と政治部が協議して判断する」（リテラ）lite-ra.com/2017/06/nhk-1.…「いまやNHKの政治部は、岩田明子

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（続き）記者を筆頭に、安倍官邸と距離を保つこともなく広報部隊と化している。その政治部が編成に口を挟んでいるという事実は、放送の決定権を官邸が握っていると言っても過言ではない。しかもこれは、放送法に規定された番組編集の『政治的公平』を超えて、国会中継という公共放送局の根幹にかかわる

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（続き）問題だ」「HKはこの国会中継の問題についてきちんと説明する必要があるが、それでなくてもNHK政治部の安倍官邸への隷従ぶりは、いわば総理による公共放送の私物化を許している状態にほかならない」「社会部の奮闘には今後も大いに期待したいが、政治部には恥を知れと言っておきたい」

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こういうニュースを報じる際、安倍晋三氏と稲田朋美氏の紐帯、具体的には日本会議と創生「日本」に全然触れないのが、朝日新聞政治部の不誠実なところ。背景の絵を読者に教えない。 「かばっているの首相だけ」稲田氏発言、不満高まる自民（朝日） digital.asahi.com/articles/ASK6Z…

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菅官房長官の会見で助け舟を出したのはテレ朝政治部記者だった（リテラ）lite-ra.com/2017/06/post-3…「27日午前の菅義偉官房長官の定例会見でのことだ」「（20分にわたって加計問題で記者からの質問が続く中）突然、ある記者が加計問題追及をさえぎり、こんな質問をしたのだ。

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（続き）『デビュー以来公式戦での無敗記録が続く史上最年少棋士・藤井聡太四段が29連勝を達成しました。30年ぶりに最多連勝記録を更新しましたが、御所感があればお願いします』」「菅官房長官はいきなり饒舌になり、延々3分にわたって“藤井聡太論”を展開。そのまま会見を終わらせてしまった」

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（続き）「質問したのは、映像でもわかりますが、テレ朝のH記者。政治部で官房長官担当を務めている記者（全国紙政治部記者）」「この記者が菅官房長官に助け舟を出す原因となったといわれているのが、5月24日、安倍首相とテレビ朝日の“ドン”早河洋会長との会食だった」テレビ朝日の政治部も。

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テレビ朝日の早河会長が同局の番組審議会の委員長をつとめる幻冬舎・見城徹社長を通じて、安倍首相と接近し、頻繁に会食を重ねているのは有名（リテラ）lite-ra.com/2017/06/post-3…「問題なのは、この席に篠塚浩取締役報道局長、伊井忠義政治部長、総理番のY記者が同席していた pic.twitter.com/4MI8k4aBtp

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（続き）ことだ。早河会長だけならまだしも、報道の責任者や幹部がこんな席に同席したら、報道に手心を加えようという話になるのは当然だろう」「とくに、篠塚報道局長、伊井政治部長は露骨な動きをしていました。篠塚報道局長は、共謀罪報道で現場に『政府の言い分も報道しろ』と現場に圧力を

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（続き）かけまくっていたし、伊井政治部長も前川氏の会見のあと、その動機があたかも、菅官房長官に対する怨恨であるかのようなコメントをしていました。今回、H記者が菅官房長官に助け舟を出したのも、伊井政治部長の指示、もしくは忖度ではないかといわれています（テレ朝政治部関係者）」

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森友問題の告発以降、大手メディアの「政治部」と「社会部」の職業倫理や仕事の進め方の違いが浮き彫りになっている。社会部は、権力者の言動を「違法性の有無」や「社会への悪影響」などの基準で報じるが、政治部は何が起きても「与党はこう説明」「これに対し野党は」等、政局の枠内でしか報じない。

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現職首相の憲法違反や、現職大臣の法律違反などの重大事件が起きても、政治部は違法性の有無を直接問題にせず、ひたすら「与党はこう言う」「これに対し野党は」等、政局の視点だけで報じる。当人や官房長官が「問題ない」「辞めない」と言えば、政治部記者はその台詞を既成事実のように広報拡散する。

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森友問題告発の第一報は朝日新聞大阪社会部で、加計学園問題の重要文書確認はＮＨＫ社会部、菅官房長官に踏み込んだ質問をするのは東京新聞社会部。政治権力者による不正疑惑の告発と追及を、各社の社会部はきちんとしているが、政治部はそれをせず、逆に同じ社内の社会部に圧力をかけて潰そうとする。

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大手メディアの「政治部」は、あらゆる政治問題を「与党対野党の政局問題」に矮小化して報じることで、結果として国民の政治意識を大きく歪ませていると思う。「政治的な意見を言う＝政局の対立で特定の陣営に味方すること」というイメージが作られ、どの陣営にも参加したくない人は棄権するしかない。

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現職大臣の選挙応援中の何重もの法律違反は、政局以前の「法治国家として当然の処罰」がなされるか否かで報道するのが当然だが、大手メディアの政治部は「稲田大臣　辞任せず」などと、機械のように記事を作っておかしいと思わない。その報道姿勢によって、大臣を処罰しない首相の行動を追認している。

山崎 雅弘 @mas__yamazaki

事実上の安倍晋三親衛隊となって、報道機関本来の仕事をする社会部の邪魔をし、国民の政治意識を「政局視点」だけに矮小化する。「政権与党を代弁する丁寧な説明」は、国民の「知る権利」に応えていない。大手メディアの政治部は、今のままでは社会に害悪ばかりもたらす存在ということになってしまう。

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もし大手新聞テレビの政治部記者が、英ガーディアンなどの海外メディアのように、安倍首相が憲法問題に言及するたび「しかし安倍首相と閣僚はたびたび憲法に違反する行動をとっている」と付記するなら、ジャーナリズムの仕事をしていることになる。だが実際は、安倍首相の政治宣伝をただ垂れ流すだけ。 pic.twitter.com/r2RyoxErYO

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大手新聞テレビの政治部記者が、政治家の明白な法律違反を「法律違反と受け取られかねない」などと、逃げ道を作ってやるような表現の報道ばかりしているのだから、大臣が「誤解を招く表現をしたことをお詫びします」という、責任を受け手に転嫁する卑怯な論法で逃げるのも当然だろう。記者も共犯関係。 pic.twitter.com/XQU784zzI0

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現職大臣の明白な法律違反は、政治倫理や法治主義の観点で徹底的に追及する必要があるはずで、実際に社会部の記者はそういう観点で記事を書くが、政治部記者は何でも「政局」の話に矮小化してしまう。政局の話になれば、与党は議席数が多いから仕方ないという結論に誘導される。あきらめへと誘導する。

山崎 雅弘 @mas__yamazaki

現職首相とその周辺の関与が日に日に濃厚になる、重大な不正疑惑の追及が行われている中で、将棋の連勝記録についてどう思うか、と質問するテレビ朝日政治部記者は、ただの無能力でなく、政治権力者側を窮地から救おうとしている。醜い権力者の走狗。 lite-ra.com/2017/06/post-3…

山崎 雅弘 @mas__yamazaki

都合の悪い、直視したくない現実は、安倍晋三様の目に触れないよう取り巻きが隠し、安倍晋三様をみんなが歓迎しているかのような「見かけ」を、自民党青年団が演出する。 甘やかされた子供のような首相が、なぜそんな子どもじみた態度を改めようとしないのか、この街頭の光景が雄弁に物語っている。 pic.twitter.com/HQX31CgImZ

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猪瀬直樹元東京都知事をはじめ、政治問題や社会問題で意見を表明する人に対し、意見の内容ではなく「あいつは左翼」「あいつは共産党」など、政局の対立でどの政治勢力に属しているか、という話に論点をすり替える人が多い。その責任の一端は、大手メディアの「政治部の政局偏重報道」にもあると思う。

山崎 雅弘 @mas__yamazaki

首相や大臣の、法律違反や政治倫理に欠けた言動は、個別に是非を判断した上で、首相や大臣の地位に見合う資質かどうか評価すべきものだが、こういう話をしている時にいきなり「でも彼らに選挙で勝たせたのは国民」などと、一見もっともらしいが実は論点をすり替える「政局話」に誘導する人が結構いる。

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安保法制の議論でも、法案の内容に反対だと意見を言うと「あなた共産党？」と頓珍漢な返事をされたという話を友人から聞いた。政治に関する議論を、すべて「与党対野党」「与党が優勢なら反対でもあきらめるしかない」という無力感に誘導しているのは、大手メディアの「政治部の政局偏重報道」だろう。

山崎 雅弘 @mas__yamazaki

東京都議選の結果は、いろいろなことを示唆している。何かしら期待を抱かせる別の受け皿さえあれば、そしてジャーナリズムが本来の権力監視の仕事をきちんとやれば、いわゆる「安倍一強」など簡単に足元から自壊するということ。だが権力監視の社会的役割を果たし、不正疑惑を明るみにしたのは社会部。