【横山光輝「三国志」講座132「殺意」】
- yms_karuta
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【横山光輝「三国志」講座132「殺意」01】 第132話です。物騒なタイトルですよね。 孫権が決心したことにより、呉と曹軍が開戦することになります。といっても、この時点ではまだ、曹操には返事をしていない状態です。曹操との戦いが本格的に始まるのはもう少し後となります。
2017-07-19 12:54:49【横山光輝「三国志」講座132「殺意」02】 夜も深まった頃、周瑜は魯粛を呼び出します。前回の話では何故か出てこなかった魯粛。開戦派の自分が前に出てはまずいと思ってのことでしょうか。そんな魯粛に周瑜は孔明の扱いについて話を始めます。
2017-07-19 12:57:11【横山光輝「三国志」講座132「殺意」03】 孔明は自分以上に孫権の心を見抜いており、その慧眼に恐ろしさを感じている、と周瑜。呉の方針が決まった以上、この際、孔明を始末したいと言い出します。今のうちに殺さないと、曹操と戦っている間に、どんなことを企むかわからんと。
2017-07-19 12:58:49【横山光輝「三国志」講座132「殺意」04】 魯粛は即座に反対だと言います。それに対し、お前は孔明に恐ろしさを感じないのかと周瑜。魯粛は、曹操の兵を一人も倒さぬうちに、味方ではないにしても敵でもない孔明を殺すなど、世上に漏れたら万人の物笑いになるといいます。
2017-07-19 13:00:31【横山光輝「三国志」講座132「殺意」05】 それより、孔明の兄の諸葛瑾をさしむけ、呉の臣となるように説かせたらどうかと言います。孔明をスカウトしようというのです。これに周瑜はそれもいい考えだ、と早速実行することに。周瑜は諸葛瑾を呼ぶように従者に言います。人使いが荒い周瑜です。
2017-07-19 13:02:14【横山光輝「三国志」講座132「殺意」06】 日が昇って、周瑜の意を受けた諸葛瑾が孔明を訪ねます。兄を迎えた孔明は、前に再会した時は公務中だったので挨拶もろくにできなかったと詫びます。諸葛瑾もこちらもだ、と応え、子どもの頃しか知らなかったが、立派になったと、孔明の姿を喜びます。
2017-07-19 13:05:38【横山光輝「三国志」講座132「殺意」07】 ところで、と諸葛瑾は昔の伯夷・叔斉兄弟のことをどう思うか、と話を切り出します。昔の殷周交代期の時代の人物です。伯夷・叔斉の兄弟は互いに国君の位を譲り合ってついに二人ながら国を去った、と諸葛瑾はこの二人の故事を話し始めます。
2017-07-19 13:13:06【横山光輝「三国志」講座132「殺意」08】 後に周の武王が殷の紂王を討とうとするのを反逆だと諌め、首陽山にかくれ、生涯周の栗は食わぬと志を立て、ついには餓死をしてしまった。だが二人は生きているうちも死ぬ時も一緒で、名は今にいたるまで残っている。と。
2017-07-19 13:15:35【横山光輝「三国志」講座132「殺意」09】 有名なエピソードですが、横山光輝「史記」ないし「殷周伝説」ではまるっと省略されています。実際に二人が首陽山に隠れたのは、殷が滅んだ後ということですから、諸葛瑾の説明もかなり大雑把なものです。兄弟愛を描くエピソードということで出したか。
2017-07-19 13:26:38【横山光輝「三国志」講座132「殺意」10】 それに比べ、と自分と孔明は幼い頃に郷土を離れ、別々の主君に仕え、たまたま会ったと思えば公の使節と一方の臣の立場から親しく語り合うことも出来ないと。伯夷・叔斉の美しい兄弟愛を思うと人の子として恥ずかしいとは思わぬか、と諸葛瑾は言います。
2017-07-19 13:29:22【横山光輝「三国志」講座132「殺意」11】 これに対し、自分の考えとは違うと孔明。諸葛瑾の言うのは義理の筋であるが、義理と忠孝とはどちらが重いと考えているのか、と質問します。諸葛瑾はもちろん、忠孝がもとだ、と言います。しかし、義理を欠いてもなるまいと言います。
2017-07-19 13:31:03【横山光輝「三国志」講座132「殺意」12】 諸葛瑾も孔明も、漢朝の人たる父母の子ではないかと。自分の使える劉備玄徳は中山靖王の末にて景帝の玄孫にあらせられるお方。もし諸葛瑾が呉を捨て玄徳に仕えるなら、同じ漢室の臣として忠をまっとうすることになると孔明は言います。
2017-07-19 13:33:27【横山光輝「三国志」講座132「殺意」13】 それに、父母の墓も江南ではなく江北にある。諸葛瑾が江北に帰れば兄弟揃って墓の祭りを欠くこともなく孝の道をまっとうすることもできる。これこそ忠孝両全の策。諸葛の兄弟は伯夷・叔斉に対して恥じることはないだろう、と孔明。
2017-07-19 13:35:23【横山光輝「三国志」講座132「殺意」14】 確かに、江北を出て呉にやってきた諸葛瑾としては、孔明の言い分に反論することは出来ません。やり込められた感がいっぱいですが、そのとき、出陣を知らせる銅鑼が鳴り響きます。全軍集合の合図。孔明は自分に構わず出陣してくれと言います。
2017-07-19 13:36:44【横山光輝「三国志」講座132「殺意」15】 何も言えなくなってしまった諸葛瑾はそのまま引き揚げることに。諸葛瑾は、ああ偉い弟だ、呉の臣としては私の立場は苦しいが、兄としてうれしく思う、と言い残し、作戦が不首尾に終わったことを伝えに周瑜のもとへと向かいます。
2017-07-19 13:39:33【横山光輝「三国志」講座132「殺意」16】 孔明が呉には仕えぬと聞いた周瑜は、お前もやがては孔明と共に江北に帰る気か?といいます。聞き捨てならないと思った諸葛瑾。自分は呉の国で大恩をあずかっている者、そんな疑いをこうむるのは心外だと言うと、周瑜はいや冗談冗談と取り繕います。
2017-07-19 13:42:37【横山光輝「三国志」講座132「殺意」17】 周瑜は諸葛瑾に出陣に参加するように促すと、諸葛瑾は退場します。 孔明を呉に引き入れる策が失敗したことにより、周瑜は誰もが疑いを持たぬ方法で孔明を片付けねば…とつぶやきます。
2017-07-19 13:44:33【横山光輝「三国志」講座132「殺意」18】 呉の軍港では戦艦が並べられ、防御の準備が進められています。幕舎があり、呉水軍の司令官である周瑜、そして魯粛が控える中、孔明が呼び出されます。周瑜は孔明に、戦う前に教えを乞いたいといいます。袁紹と曹操との白馬、官渡の戦いについてだ、と。
2017-07-19 13:48:26【横山光輝「三国志」講座132「殺意」19】 さて、私に何がわかりましょうと言う孔明に、あの戦いで曹軍がわずかの兵で袁紹の大軍を打ち破ったその勝因を説明してもらいたいと言う周瑜。官渡の戦いも横山光輝「三国志」ではまるっと省略されています。
2017-07-19 13:50:29【横山光輝「三国志」講座132「殺意」20】 曹操と袁紹の兵の使い方はそれぞれ異なりますが、勝利を決定的にしたのは、曹操が烏巣にあった食糧を焼き払った奇襲だと思う、と孔明が言うと、周瑜も実は自分もそう考えていたと言います。同じように曹操の大軍を相手に食糧を断つことが上策だと。
2017-07-19 13:54:07【横山光輝「三国志」講座132「殺意」21】 これに対し、曹軍の食糧がどこに保管されているか突き止めているのか、と孔明が言うと、周瑜は抜かりなく調べていて、聚鉄山(じゅてつざん)にあると言います。そして、孔明はその辺りの土地に詳しいだろうから、その食糧を焼き払ってほしいと。
2017-07-19 13:57:55【横山光輝「三国志」講座132「殺意」22】 決死隊千騎を貸すとか言ってますが、孔明は、曹操の手で自分を殺させようとしているな、と周瑜の真意を見抜きます。どうだろう、こんなことを成し遂げられる人物はあなたしかおらん、と孔明を持ち上げる周瑜。
2017-07-19 13:59:16【横山光輝「三国志」講座132「殺意」23】 よろしい、と言って、早速夜襲の支度を調えると言って幕舎を出る孔明。それを魯粛が追いかけてきます。魯粛は必勝を期しているのか、それともやむを得ぬ破目と思っていかれるのか、と尋ねます。孔明は一笑し、勝算なくしてなぜ出かけるのかと言います。
2017-07-19 14:01:57【横山光輝「三国志」講座132「殺意」24】 しかし、曹操ほどの人物が、全軍の生命とする食糧を厳重に守ってないはずない、と魯粛。曹操はこれまでの戦いで兵站の大切さが身にしみているはずです。
2017-07-19 14:03:34【横山光輝「三国志」講座132「殺意」25】 孔明は、失礼ながらと言って、兵法においては魯粛たちよりすぐれていると思っていると言います。魯粛も周瑜もすぐれた将であることは認めるが、ひとつのことしかできぬと言います。すなわち、魯粛は陸戦だけ、周瑜は水上戦だけと。
2017-07-19 14:07:08