水島広子『トラウマの現実に向き合う ― ジャッジメントを手放すということ』岩崎学術出版社

水島広子『トラウマの現実に向き合う ― ジャッジメントを手放すということ』岩崎学術出版社 http://amzn.to/hZ0lTd 治療者向け、トラウマに向き合う治療姿勢について。「治療者は病気の専門家ではあるが、人間の専門家ではない」
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nasa Asukai @nasaAsukai

水島広子『トラウマの現実に向き合う ― ジャッジメントを手放すということ』岩崎学術出版社 http://amzn.to/hZ0lTd 治療者向け、トラウマに向き合う治療姿勢について。「治療者は病気の専門家ではあるが、人間の専門家ではない」

2011-03-19 12:34:38
nasa Asukai @nasaAsukai

「トラウマ治療において、「安全」というテーマを終始一貫して守ることは生命線だと思う。これは特定の戦略や技法以上にずっと大切なことである。」

2011-03-19 12:34:58
nasa Asukai @nasaAsukai

第1章「不信」という現実に向き合う:治療の土台作り 第2章「コントロール感覚の喪失」という現実に向き合う:治療のメインテーマ 第3章「病気」という現実に向き合う:治療の位置づけ 第4章「文脈」という現実に向き合う:トラウマの位置づけ

2011-03-19 12:35:20
nasa Asukai @nasaAsukai

第5章「身近な人たち」の現実に向き合う:トラウマと対人関係 第6章「ジャッジメント」の現実に向き合う:燃え尽きを防ぐ 第7章 治療者自身の現実に向き合う:自らの価値観やトラウマ 第8章「トラウマ体験」という現実に向き合う:ゆるすということ

2011-03-19 12:35:30
nasa Asukai @nasaAsukai

第1章「不信」という現実に向き合う:治療の土台作り 「特に対人トラウマを持つ患者に向き合ったときに、たとえば「PTSDに効果的な治療法を知っていること」と、「実際にその患者の治療ができること」との間にはかなりのギャップがある。」

2011-03-19 12:36:03
nasa Asukai @nasaAsukai

「かなり深刻な対人トラウマを持つ患者の場合、もちろん治療者も「信頼できない人間の一人」、…治療の場は…患者にとっては傷つくリスクの高い場」

2011-03-19 12:36:16
nasa Asukai @nasaAsukai

トラウマ患者に信頼されるためには、治療者の人間性だけではだめで、トラウマについての知識を持っていることが必要。 トラウマ患者を傷つけないことは大切だが、「腫れ物扱い」のような主観的なジャッジメントは、患者に「距離を置かれるような疎外感」を抱かせる。

2011-03-19 12:36:41
nasa Asukai @nasaAsukai

「問題なのは、トラウマ体験者特有の対人関係のパターンが、治療者を共感的な姿勢から遠ざけてしまう可能性」「「そもそも人間性に問題がある人」とジャッジしてしまえば、とりあえず「治療者としてだめな自分」という感覚から逃れることができる」

2011-03-19 12:36:56
nasa Asukai @nasaAsukai

治療者は主観的評価であるジャッジメントではなく、病気の専門家として客観的評価であるアセスメントを心がける。トラウマ体験者の自分自身に対する厳しいジャッジメントに対してもアセスメントは役立つ。

2011-03-19 14:52:01
nasa Asukai @nasaAsukai

「治療によるトラウマの大部分が、ジャッジメントによるものである。…多くの場合、治療がうまくいかないときに治療者は「患者の抵抗」「患者が非協力的」とジャッジメントする。」

2011-03-19 14:52:17
nasa Asukai @nasaAsukai

第2章「コントロール感覚の喪失」という現実に向き合う:治療のメインテーマ 「トラウマ患者の治療において、「治療者への信頼」は土台となるものだが、その上に築いていく治療のメインテーマは「コントロール感覚の回復」」

2011-03-19 15:56:10
nasa Asukai @nasaAsukai

我々が不確定な未来に振り回されないのは、「まあ、何とかなるだろう」というコントロール感覚。コントロール感覚の基本は「自分が何とかできるだろう」「他人が何とか支えてくれるだろう」「まあそんなにひどいことも起こらないだろう」という自己・他者・世界への暗黙の信頼感。

2011-03-19 15:58:06
nasa Asukai @nasaAsukai

トラウマ体験に直面して起こることは「コントロール感覚の喪失=遭難」

2011-03-19 15:58:16
nasa Asukai @nasaAsukai

対人関係療法ではトラウマ体験を4つのテーマのひとつである「役割の変化」として扱う。注目するのは、慣れ親しんだソーシャルサポートと愛着の喪失、怒りや恐れなど役割の変化に伴う感情のコントロール、新たなソーシャルスキルの必要性、自尊心の低下。

2011-03-19 15:58:28
nasa Asukai @nasaAsukai

トラウマ体験後にPTSDを発症するかどうかの最大の予測因子がソーシャルサポートの有無。

2011-03-19 15:58:37
nasa Asukai @nasaAsukai

第3章「病気」という現実に向き合う:治療の位置づけ 対人関係療法では医学モデルに基づき、トラウマ関連の病気を「治療可能な病気」として扱う。重要なのは「病気」そのものの症状だけを見るのではなく、「病気という体験をしながら暮らしている本人」も視野に入れる。

2011-03-19 15:59:09
nasa Asukai @nasaAsukai

「(医学モデルの採用により)何が症状であるかを知ることは、罪悪感を減じるだけでなく、コントロール感覚の回復につながっていく…(回復過程でトラウマ体験に向き合ったときの症状も)極めて正常な反応であって、永続するものではなく、回復のプロセスにおいては前進なのだ、ということを明確に」

2011-03-19 15:59:25
nasa Asukai @nasaAsukai

「人を変えようとしないことが、変化を起こすことにつながる…対人関係療法の治療者の基本姿勢は、患者に無条件の肯定的関心を与えつつ、対人関係問題領域への焦点を維持すること」

2011-03-19 16:00:02
nasa Asukai @nasaAsukai

PTSDの治療には、持続エクスポージャー療法などにエビデンスがある。ただし、苦痛に耐え、怒りや不安といった感情に対処することが苦手、ストレス下で解離しやすい、治療者と機能的な関係を維持するのが難しい患者では、症状の悪化・高い離脱率・治療順守の問題が生じやすい。

2011-03-19 16:00:52
nasa Asukai @nasaAsukai

第4章「文脈」という現実に向き合う:トラウマの位置づけ 「ジャッジメントではなくアセスメントをしていくためには、「医学モデル」を適用して症状を症状として位置付けていくと同時に、(患者を理解するために)患者の文脈を何よりも尊重する必要がある。」

2011-03-19 17:42:59
nasa Asukai @nasaAsukai

第5章「身近な人たち」の現実に向き合う:トラウマと対人関係 身近な人たちを避けて通れない理由:トラウマ症状は身近な人間関係に影響を与える、患者の不和の相手がトラウマ体験者であることが多い、患者にトラウマ体験を与えた相手が身近な生活圏にいることが多い。

2011-03-19 17:43:17
nasa Asukai @nasaAsukai

第6章「ジャッジメント」の現実に向き合う:燃え尽きを防ぐ...

2011-03-19 17:44:02
nasa Asukai @nasaAsukai

「「燃え尽き」という現象を理解するためには、「トラウマ体験者の支援」を(支援者にとっての)「役割の変化」としてフォーミュレーション」 特に重要なのはソーシャルサポート(支援者を支えてくれる人はいるか)と感情の処理(トラウマ体験者の支援の中で感じる感情に対処できているか)

2011-03-19 17:45:12
nasa Asukai @nasaAsukai

重要なソーシャルスキルは「境界設定」。できることできないことという役割期待をトラウマ体験者と調整していく。

2011-03-19 17:45:27
nasa Asukai @nasaAsukai

第7章 治療者自身の現実に向き合う:自らの価値観やトラウマ 無条件の肯定的関心である「人間としての共感」とトラウマ体験という「テーマへの共鳴」を区別する。後者はトラウマ体験者本人の現実と間にずれが生じる。

2011-03-19 17:45:41