140ssログ5,6,7月

やまたに @mw_snc

願い事、と言われると毎年青江は悩んでしまう。武器として使われる毎日、仕えることに不満のない主。そして、隣に大切なひと。うーん。と隣でも声がして。青江の願いが叶うように、でいいかなぁ。そう呟くから。今日の夕飯が石切丸の好物でありますように、とでも願おうか。（石かり）

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ともえちゃれんじ！ ①薬宗石青髭膝薬……で近侍ローテ ②1近侍で四回鍛刀 ③近侍のCP＋出たので書くよ

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桜の君は畑仕事だよ。蝶々は厨にいるよ。君の花は出陣中だね。毎度そんな呼び方をしたものだから、ようやく彼も少しは雅を心得たらしい。歌仙。問われる。俺っちの愛しい姫さんはどこにいる。随分と浪漫溢れる呼び方だ。まあ、僕の部屋に偶然いた姫君の顔は林檎みたいに赤いのだけれど。(薬宗＋歌仙)

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どこが姫だ、と同田貫は鼻で笑う。普段短刀に甘やかされた細身の刀は、目の前で倒れた敵の頭蓋を貫いた。噴き出す血に嫌悪することもなく。俺ぁ、そういう方が好きだけどな。率直に好感を伝えると、返り血を腕で拭いながら彼は微笑む。僕は薬研の好む様でありたいので。強かに、笑う。(薬宗＋同田貫)

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同居のよしみじゃ、そう陸奥は桃色の髪に薄布をかけた。白無垢か、ベールか、どちらのつもりでも違いはないだろう。戸惑う新郎役の短刀にニッと笑いかけて。おふたりさん、笑顔じゃき。少し離れてそう告げれば、ぎこちなくも寄り添うふたり。はい、ちーずじゃ。また一つ残る思い出を。(薬宗＋陸奥)

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写しと本科は違うんだろうか。短刀の小さな声に、山姥切は頷く他なかった。俺は俺だ。姿が似たところで心まで同じであるものか。そうだよなぁ。乾いた笑い声を立てて、彼は一粒雫を落とした。同じだったら、あいつを寂しがらせず済むんだろうに。取られたら悔しいくせになにを言う。(薬宗＋山姥切)

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主に作ってもらった滝がある。無論、修行のためである。煩悩を捨て悟りを開く場所である。ううむ、山伏は唸った。あ、と声をあげたのはどちらが先か。だから僕は嫌って。自分で帯を解いただろ。押し付けあう影に山伏は遠くを見つめて。これもまた悟りだろうかと無言で服を投げて返した。(薬宗＋山伏)

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俺と宗三の仲はよくない。だって、大事にされなくていいって、愛されるのは嫌って言うんだもの。俺の主義とは正反対なんだ。だから。あの、ええと、いい香りの石鹸を、貸してください。その申し出に俺は喜んで新品を卸した。やっぱり愛されるのは幸せでしょ。彼は不服そうに受け取った。(薬宗＋加州)

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鵺を枕に眠る顔は案外あどけない。それを見つめる宗三の顔は、案外怖い。ずるいです、僕の薬研と寝るなんて。僕が馬の世話をしてる最中に。この泥棒鵺。小声で文句を繰り返すものだから、獅子王はくすりと笑う。意外なやきもちやきの言葉に、狸寝入りを隠すのはさぞ大変だろう。なあ。(薬宗＋獅子王)

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石鹸は気に入ったの。嫌みっぽく告げると、宗三が眉を寄せる。桃の香りでした。うん。だから。うん。残さず、食べられてしまいました。赤く染まる頬でそんなことを言うものだから、可愛いなぁ、と思ってしまうんだ。加州。うん。また、貸してください。ほら、愛されるっていいでしょう。(薬宗＋加州)

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驚きが欲しくはないか。と、白い鳥が鳴く。ならば、と巻き込まれないよう無茶を言った。振り袖姿で縛られた大脇差が媚薬入りで私の部屋に転がっていたら驚きだね、なんて。だから、だから、冗談だったんだよ。部屋に戻ってのまさかの光景に、驚きよりも唾をごくりと飲み込んだ。(石かり＋鶴)

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加州は甘い匂いがする。桃、花、林檎、柑橘類。青江も使ってみたら、と石鹸を渡されて、迷ってしまった。隠蔽を高めるには、無臭がいい。強い匂いは邪魔になる。脇差ならではの理論だ。けれど。甘いものが好きな彼は喜ぶだろうか、そう思ってしまったら。非番だけなら、と香りを纏う。(石かり＋加州)

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桃、林檎、柑橘類。最近の青江は美味しそうな匂いばかりさせている。加州に借りたんだ。答えに、どうして、と聞いた。危険を感じる男ではないけれど、他の名前は気に食わない。美味しい香りに、なりたかったから。食べられながら、彼は答える。もっと全部召し上がれ。悪戯に微笑んだ。(石かり＋加州)

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石鹸のお礼だよ、と彼は加州に言った。服や櫛やマニキュアなんて意味深なものを排除するように贈られたのは百貨店の商品券だ。ただし分厚い。楽しい夜だったの。からかいを込めて尋ねると、彼は紫の瞳を輝かせて。とても美味しくておかわりしてしまったよ。それで、本人が来ないわけ。(石かり＋加州)

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主は彼を初期刀と呼ぶ。大切そうに繰り返し。主の左側に控えた彼は誇らしげで、幸せそうだ。僕も、そうなりたいねぇ。青江が言うと、譲らないよと彼は宣言するけれど。青江と呼んで。繰り返し。そして、その横に当然の顔で立ちたい。それは主ではなく、愛しいひとの側のこと。(石かり＋加州)

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秘密だぞ、と男は言った。俺と青江の秘密だ。そう、切迫した表情で。ようやく真夜中の廊下に消えた男を見送ると、後ろから。なにが秘密なのかな。ぴりりとした声に青江は肩を竦める。悪い、僕も命が惜しいのさ。そう胸で詫びて。僕を幽霊と間違えて半泣きだったんだよ、和泉守くん。(石かり＋兼さん)

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御神刀失格だ、と泣きついた大太刀の話を山伏は聞いてやる。青江が可愛くて可愛くて。うむ、煩悩であるな。つい昨夜も夜這いに行って。それも煩悩であるな。あげく気をやるまで無理を。御神刀殿よ。出来るだけ優しく山伏は言った。共に修行に行こうぞ。この御神刀、煩悩まみれである。(石かり＋山伏)

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洗濯当番の駄賃に、肉まんと餡まんを一つずつもらった。安定はそれを半分ずつに割ってから、当番の相方の青江に渡す。きょとんとした金色の目がこちらを見る。なに。いや、そういう分け方もあるんだねぇ。それは癖だった。僕も、今度やってみよう。誰ととは言わず彼は面白そうに呟く。(石かり＋安定)

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兄者は戦う姿も美しい。そこだけ牙を抜かれたような弟刀が呟く。同田貫は、そこだけなら確かに髭切を評価する。柔い髭すら落とした鋭い剣筋は好ましい。けれど、と膝丸をちらと見た。残念ながら、最も鬼気迫ったその一撃を彼は拝めないのだ。なにせ、弟がやられた時が一番彼は壮絶だ。(髭膝＋同田貫)

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君は兄弟がいないの。ぽやんとした髭切の問いに同田貫はなんと答えようか悩む。同田貫は数多にいるが、どれもここで自分として動いている。つまりひとりで兄で弟で、他に兄弟はいない。それをそのまま説明すると、ああ羨ましいと声が上がる。僕らもそうなら、きっと幸せなんだろうに。(髭膝＋同田貫)

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枝に髪が絡まった。そう若い刀が助けを求めるから膝丸は丁寧に黒髪をほどいてやった。ついでに傷んだ部分に油をつけて櫛ですく。もがいたせいで崩れた着物も整えた。それだけで、兄者の世話を忘れたわけでも堀川の領分を奪ったつもりもないのだ。ふーん。兄者の冷たい視線が痛い。(髭膝＋兼さん)

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梅の花。男が呟く。それは土方さんに対する挑戦か、と和泉守は耳を澄ませた。飛梅の地の刀はなんて詠む気だと。彼はうーんと悩んで、結局音にせずに文を書く。なんだよ、言えよ。つまんねぇな、と拗ねて見せれば、くすくすと。君の首に残したよって。弟宛の赤裸々な中身を見せられた。(髭膝＋兼さん)

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視界の隅で、膝丸が兄と向き合う。兄の袖を引いて、俯いて。下ろした視線を持ち上げるように、髭切が頬に手を伸ばす。見つめ合う。そのまま、近づく顔と顔。そこまで見て、宗三はそこから背を向けた。なんとか弟刀のご要望には答えられたようだ。まったく、傾国の技なんて知りませんよ。(髭膝＋宗三)

やまたに @mw_snc

俺は馴れ合わない。金色の瞳が、髭切を見つめる。死に場所は自分で決める。ああ、そうなの。声は赤く色付いて服を染めた。だが、お前の死に場所は違うだろう。肩を支えられて、一歩を進む。不器用な励ましに穴の空いた腹が引き連った。ねぇ、途中で折れたら、弟も折ってよ。断る、歩け。(髭膝＋伽羅)