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kasajimajima
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SFの話を蒸し返すんだけど→ .@gryphonjapan さんの「意識的に子供向け「入門書」や「翻案」を出さないとジャンルの将来が危うい?SFやミステリの盛衰で考える ~芦辺拓氏のツ..」をお気に入りにしました。 togetter.com/li/1136717
2017-08-06 17:25:16
SF作家。代表作『神は沈黙せず』『アイの物語』『詩羽のいる街』『MM9』『怪奇探偵リジー&クリスタル』など。最新作は美少年アンドロイドの登場するエロチックSF 『プラスチックの恋人』(早川書房)。😀


@gryphonjapan 実に多くの人が「現代のSFは衰退してる」と思ってるらしい。僕はそうは思わない。今のSFは、昔に比べたらものすごく繁栄し、浸透してる。 たとえば創刊当時の〈SFマガジン〉は新作紹介のページが毎月1ページしかなかった。SFが出版されること自体がすごく珍しかったから。
2017-08-06 17:31:34
@gryphonjapan 今の〈SFマガジン〉は、隔月刊になったとはいえ、新作紹介のページが14ページもある。それだけ出版点数が増えたってこと。
2017-08-06 17:38:38
@gryphonjapan 映画、ドラマ、マンガ、アニメにしても、僕が初めて〈SFマガジン〉を読みはじめた1970年代に比べて、爆発的に増えた。今やヒット映画の多くがSF作品。宇宙ものやロボットものだけじゃなく、タイムスリップ、パラレルワールド、人格転移といった要素も、ごく普通に使われている。
2017-08-06 17:42:17
@gryphonjapan じゃあ、何が問題かというと、読者や観客や視聴者が、それを「SF」と認識してないってことなんだよ。
2017-08-06 17:43:31
@gryphonjapan それを象徴するのが昨年、『ガールズ&パンツァー』が星雲賞を獲った時のこと。「何でSFじゃない『ガルパン』に星雲賞?」という疑問の声を上げた人が大勢いたこと。 togetter.com/li/1000770
2017-08-06 17:48:29
@gryphonjapan 擁護しているはずの人たちでさえ、「学園艦周りの設定はSFとしか言いようがなかった」とか「「謎のカーボン」がSF認定されたってことなんだろうか」とか、見当違いのことを言い合っていて、読んでてイライラしていた。
2017-08-06 17:51:42
@gryphonjapan いや、あんたら気がついてないの? 『ガルパン』って戦車道というものが存在するパラレルワールドの話なんだよ?
2017-08-06 17:53:31
@gryphonjapan つまり、パラレルワールドという概念があまりにも世間に浸透した結果、もうそれを「SF」と認識する人が少なくなってきたってことなんだ。これはSF者としてはかなりショックだった。
2017-08-06 17:57:58
@gryphonjapan さっきも言ったように、今の世の中には、かつてなら「SF」に分類されていたはずの作品があふれかえっている。でも、タイムスリップやパラレルワールドを扱っていても、それは「SF」と認識されていない。だから、いくらヒットしても「SFは売れてない」と認識されている。
2017-08-06 18:01:00
@gryphonjapan だから今の世の中、子供向けの『SF教室』みたいな入門書を出すとしたら、「世界には君の知らないこんなSFがあるよ」とレクチャーするものじゃなく、「君が知っているそれはSFなんだよ」と教えてあげるものでないといけないと思う。
2017-08-06 18:04:55

昨日の続き。 SFの定義について、『SF教室』の第一章「SFについて」の中で筒井康隆氏はこう述べている。(原著はポプラ社・1971年) twitter.com/hirorin0015/st…
2017-08-07 16:00:24
〈SFが、読みものであることは、わかっている。 でも、それはいったい、どんな読みものなのか? それが知りたくて、この本を読みはじめた読者も、中には、いるだろう。 また、自分なりに、SFとはこういうものだとという考えを持っていて、その考えが正しいかどうかを知るために→
2017-08-07 16:04:17
→この本を読みはじめた読者もいるだろう。 だがぼくは、いまここで、読者諸君に、SFとはこんなものだと、自分の考えを押しつける気持ちは、ぜんぜんない。 「なにをいうんだ。自分の考えを読者にのべるのが、著者の責任ではないか。」そういっておこる読者もいるだろう。「そうでなければ→
2017-08-07 16:07:44
→だれが、本を買って読んだりするものか。」 だが、ちょっと待ってほしい。 SFとはなにか──その答えは、すでにSFを読んでいる人間が十人いるとすれば十人ともちがうのだ。百人いれば、百人とも答えがちがう。 SF作家だって、同じ答えをする人はぜったいにいないだろう。→
2017-08-07 16:11:16
→ だから、もしきみたちが、ぼくの答えだけ読んだところで、それは何の役にもたたないのだ。 だれにも通用しないのだ。 SFとはなにか? そう、それをきめるのは、きみ自身だ! あるいは、いつまでも答えがきまらないかもしれない。→
2017-08-07 16:15:02
→それなら、いつまでも、答えをさがし続けていればいいのである。 ええい! ほんとうのことをいってしまおう! ほんとはぼくだって、まだ手さぐりしているのだ。 はっきりした答えは、まだ、つかんでいないのだ。→
2017-08-07 16:17:58
→ただ、きみたちとちがうところは、ぼくは、少なくとも、SF作家のはしくれである。だから、いままでずっと、SFとはなにかということを考え続けてきた。なぜなら、SFというものがあるからこそ、ぼくはこうして、働き、食べ、生きていることができるからだ。生活がかかっているから必死だ。→
2017-08-07 16:21:42
→だから、少しはきみたちに、教えてあげることができる。〉 まだまだ続くんだけど省略。読み返してみて驚くのは、40年以上前の筒井さんの言葉に、僕が今つけくわえるべきことがほとんどない、ということ。
2017-08-07 16:24:53
たとえば、SFという言葉が、ヒューゴー・ガーンズバックが創ったScience Fictionの略であることを説明したすぐ後で、レイ・ブラッドベリのように科学のかの字も出てこないSFを書いている人もいると説明する。
2017-08-07 16:28:47
〈すると、SFということばは、変えなくちゃいけないということにならないか? まったくだ。ほんとうは変えたほうがいいのかもしれないね。 だけど、ちょっと待ってくれ。 せっかくこれほどまてに、SFということばがひろまったんだ。いまさら変えるのはおしいような気がするし→
2017-08-07 16:32:26