日向倶楽部世界旅行編第10話「ヒューガリアンの日」

豪華客船「ヒューガリアン」、動く鎮守府とも言えるこの船のとある一日の物語、箸休め回。
0
三隈グループ @Mikuma_company

「件の旅行者についてはニューギニア支部の事もあります、彼等と鈴谷が接触した以上、これ以上放置しておくのは些か危険かと。」 「確かにそうよね…」 少しの間少女は考える 「鈴谷一人ですら相当に厄介な存在、生半可なやり方で始末するのは困難であると思われます。」

2017-08-15 22:18:04
三隈グループ @Mikuma_company

女がそう言った後、しばらくジャラジャラと金属をかき混ぜるような音が響く、やがて少女は口を開いた 「…ここは慎重に作戦を練る必要があるわ、手の空いてる女神たちに連絡を入れてちょうだい。」 「了解しました。」 「それと鈴谷の動向は引き続きチェック、以上よ。」

2017-08-15 22:19:03
三隈グループ @Mikuma_company

少女が通話を切ろうとすると、女は一礼して言った 「ワレ、アンディーオ、さようなら。」 「はいはい、さよなら。」 通話はそこで終了した。 〜〜

2017-08-15 22:20:03
三隈グループ @Mikuma_company

〜〜 翌朝、ヒューガリアンはバヌアツに到着しようとしていた。 「…なさん、皆さん、おはようございます。もうじきバヌアツに到着します、下船準備をお願いします。」 いつも通り扶桑のアナウンスが聞こえると、皆手荷物をまとめてブリッジへと急ぐ。

2017-08-15 22:21:03
三隈グループ @Mikuma_company

「バヌアツかー、立ち寄った事はあるけどそれだけだったなー。」 鈴谷も廊下を歩いてブリッジへ、今回からは彼女も一緒である。 「鈴谷さん、おはようございます。」 「おー、どうもどうもお嬢様。」 同じく向かう三隈に彼女は恭しく挨拶する。

2017-08-15 22:22:15
三隈グループ @Mikuma_company

「昨日はよく眠れた?」 「そりゃもうグッスリよ、船ったってここはホテルみたいなもんだしさ。」 鈴谷が案内されたのはそれはそれは豪華な部屋、僅かな手荷物しかない彼女にとってはあまりに落ち着かない場所だった。 (豪華客船だからか物がいちいちデカいんだよねここ…)

2017-08-15 22:23:04
三隈グループ @Mikuma_company

馬鹿でかいベッドを持て余したのが昨晩の事、そんな事を話していると、荷物を持ったあきつ丸が合流した。 「おはよう丸ちゃん。」 「よっ、あきつ丸ちゃん。」 「三隈殿…と鈴谷殿、おはようございます。」 三人はぞろぞろと並んでブリッジへ向かう。

2017-08-15 22:24:04
三隈グループ @Mikuma_company

「でも本当に良いのォ?あたし雇われてるわけだし、船で留守番でも構わないよ?」 鈴谷の疑問に良いんですと三隈 「気安く入れる程の船ではありませんからご心配なく、むしろ私と丸ちゃんのボディガードの方が適任と思いますわ、貴女お強いんですから。」

2017-08-15 22:25:04
三隈グループ @Mikuma_company

それを聞いて鈴谷はへらへらと笑った 「なーるほど、そこまで買われてると嬉しいねぇ。まあそういう事なら任せてよ、バッチリ守っちゃうからさ。」 「うふふっ、よろしくお願いしますね。」 「…よろしくであります。」 談笑するうちに彼等はブリッジへと辿り着いた。

2017-08-15 22:26:04
三隈グループ @Mikuma_company

「あら、今回はモガミン達が先ですのね。」 「やあ、毎度毎度最後ってのもね。」 そんなやり取りをした後、三隈は手早くオペレーター席に腰掛ける、それを見ると扶桑は正面を指差した。 「見えてきました、バヌアツです。」 彼女の指す先にはたくさんの島々が浮かんでいる。

2017-08-15 22:27:03
三隈グループ @Mikuma_company

「あれはニューヘブリディーズ諸島、バヌアツを構成する島々ですわね、日本における日本列島のようなものです。」 三隈がモニターに情報を映し出すと、一同は新天地へのワクワクを高めた。 「…日向さん、どうかしましたか?」 しかし、日向だけは険しい顔で海を見つめていた。

2017-08-15 22:28:04
三隈グループ @Mikuma_company

「…ん?いや、なんでもない、ちょっと寝不足なだけだ。」 日向は目をこすりながら笑って見せる、なーんだと最上も笑った、だがそんなやり取りをしても、彼女の心中には一抹の不安があった。 (バヌアツか…何事も無ければ良いのだがな。)

2017-08-15 22:29:14
三隈グループ @Mikuma_company

それは好奇心旺盛な彼女にしては珍しい、とても後ろ向きな考えであった。 次回、一行は遂にバヌアツへと上る つづく

2017-08-15 22:30:20
三隈グループ @Mikuma_company

【鼓動/波紋】 艦載機の振動と人間の振動がリンクする事で生まれる強いエネルギー、一部の航空巡洋艦娘や航空戦艦娘が使用する事が確認されている。 色々な場所で発見されたせいか、瑞雲の鼓動や晴嵐の波紋といった具合に呼び方がバラバラ。 読む上ではドラゴンボールの気くらいの認識で問題ない。

2017-08-15 22:33:05
三隈グループ @Mikuma_company

【沖縄都市モノレール線】 沖縄県のモノレール路線、那覇空港駅から首里駅を結ぶゆいレールとも呼ぶ。 那覇の都市圏で頻発する交通渋滞を解消するべく作られ、鉄道特有の正確な運行や展望の良さから県内で存在感を示している。 現在でも延伸計画が立てられるなど、現地には欠かせない交通機関。

2017-08-15 22:34:16
三隈グループ @Mikuma_company

【沖縄県営鉄道】 沖縄本島の鉄道路線、開業は大正3年。 旅客路線の与那原線、嘉手納線、糸満線と、貨物路線の海陸連絡線の四つから成り、バス会社との経営争いを経ながらも運行を続けた。 昭和20年に運行を終了、現在は復元された与那原駅の駅舎が残るのみとなっている。

2017-08-15 22:35:03
三隈グループ @Mikuma_company

【最上】 トラック泊地の航空巡洋艦娘、本作の主人公の一人。 日向の部下、優しく控え目な立ち振る舞いから人に好かれやすい。 一方戦闘ではかなり大胆で、純粋な実力もある上に爆発力も備えるので強敵にやたら強い、横須賀鎮守府巡洋艦杯の優勝者。 旅行中の現在は買い貯めた私服を満喫している。 pic.twitter.com/nNn0dRQQlt

2017-08-15 22:36:03
拡大
三隈グループ @Mikuma_company

【初霜】 トラック泊地の駆逐艦娘、日向の部下。 最年少で艦娘になった生粋の艦娘、優れた技術と確固たる覚悟を持ち戦闘力は高い。 深海棲艦の襲撃で両親を亡くすも、それを悟らせぬ程明るく怖いもの知らずな少女。身体の成長が小学生時代で止まってしまっており、私服のサイズには難儀している。 pic.twitter.com/NFq8XIW0hC

2017-08-15 22:37:05
拡大