向井先生、外れ続ける経済学の修正を語る

せっかくなのでまとめました。
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mukaifumio @KitaAlps

13 それがマクロ経済学の基本理論になっている。それが成立している状態を「長期」という。していない状態を「短期」という。この基本理論を、現実の経済、特に不況下の経済に適用するときは、その都度修正が必要になり、財・サービス市場の需要不足は、モデルに組み込まれる。だが、それに留まる。

2017-08-19 06:25:07
mukaifumio @KitaAlps

14 ワルラス法則によれば、財・サービス市場に需要不足があれば、それは他の市場、例えば債券市場や貨幣市場などの金融資産市場に超過需要を発生させるはずだ。だが、通常のDSGEに基づくモデル等では、そうした点は考慮されない。そもそも、資産市場との相互作用はないと暗黙に仮定されている。

2017-08-19 06:33:20
mukaifumio @KitaAlps

15 確かに軽微な景気変動であれば、資産市場への影響は軽微であり、無視してよいかもしれない。だから、現代のマクロ経済学者は、財・サービス市場の需要不足は考慮しても、それが資産市場に与える影響は無視し,それ以外の市場等では一般均衡が成立していることを前提に常に考えている。それは誤り

2017-08-19 06:37:45
mukaifumio @KitaAlps

16 だから、大恐慌やリーマンショック後の大停滞のような大きな経済変動では、財・サービス市場と資産市場の相互作用や関係が大きく変動したため、既存の枠組みのモデルやそれに思考が縛られている経済学者が役に立たなかったことは当然だと考える。日本の90年代以降の長期停滞も、同様である。

2017-08-19 06:43:05
mukaifumio @KitaAlps

17 ここで、改めて「財・サービス」と「資産」の関係を整理すると、先に述べたように、「財・サービス」とは、今(例えば「今年度」に)生産された商品のこと。これを「生産」するために、家計は労働の対価として賃金を受け取り、出資の対価として配当を受け、資金貸出の対価として利子を受け取る。

2017-08-19 06:48:38
mukaifumio @KitaAlps

18 1%とか2%の超富裕層を除いて、国民のほとんどの生活は、この財・サービスの生産に依存している。これに対して資産とは、土地のように人が生産した物ではないものとか、骨董品のや美術品のように過去に生産されたものとか、債券証書のように生産されるにしてもコストがほとんどかからないもの

2017-08-19 06:52:24
mukaifumio @KitaAlps

19 だから、資産は取引によって価格の上下はあって差額収入を得る人はいるが、それは財・サービスの物価の上下と同じで「生産」とは言えない。だから、GDP統計は財・サービスの生産を中心に組み立てられ、資産取引をカウントしない。国民の生活を支えているのは財・サービスの生産だからだ。

2017-08-19 07:00:02
mukaifumio @KitaAlps

20 だから「資産」は、マクロ経済学者の思考から外れている。大きな経済変動では、資産と財・サービス市場の関係が大きく変動して、それが既存モデルの仮定や前提条件を現実から乖離させている。だから、こうした大きな変動を扱うには、大変動でも影響を受けない枠組みを導入するべきだと思う。

2017-08-19 07:08:21
mukaifumio @KitaAlps

21 といって全てを作り直す必要はない。既存モデルの前提条件を少し変えればよい。その条件となるのはワルラス法則だと考える。一般均衡やセイ法則に基づく条件式をワルラス法則に基づく条件式に置き換えるか、条件を追加すればよい。・・もっとも、これは結構な「後退」になる。しかしやむをえない

2017-08-19 07:15:15
mukaifumio @KitaAlps

22 そうすれば、巨額の国債発行残高と超低金利の共存が長く持続してる問題、マンデル=フレミング効果やクラウディングアウト論が効いてないように見える問題等々、サイモン・レン=ルイスらが挙げた問題は、あっさり解け、ある限度内なら、今後大きな財政出動をしても何ら問題がないことがわかる。

2017-08-19 07:23:38
mukaifumio @KitaAlps

23 拙『日本国債のパラドックスと財政出動の経済学』2013や bit.ly/1yBlUxk bit.ly/1C7wAWl bit.ly/1LdAY4L bit.ly/1smNU3r 等はこうした観点に基づく

2017-08-19 07:30:51