Fake＆Gimmick

よつげ @Eight_os

５１ 「顔赤いけど」 …早速大倉さんに気づかれた。 熱っぽい頭をフル活用して言い訳を叩き出す。 「あ、あはは…昨日、冷房つけて寝ようとしたら、間違えて暖房つけちゃったっぽくて…朝めちゃくちゃ暑かったんです」 「…それただのアホやん笑」 「うるさいー！」 #エイトで妄想

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５２ よかった… たぶん、気づいてない。 気づかれてるとしても、そんな大ごとじゃないと思ってくれた。 そのまま会社へ向かう。 …そうそう、大倉さんが社長になってから、社員はサボりが全くきかなくなった。 大倉社長は、たまーに突然会社を見回り始めるのである。 #エイトで妄想

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５３ 私はサボってないけど… そして、ごくごくたまーに差し入れをしてくれる。 みんなそれが楽しみで頑張っている（？）のでまあいい社長ではあるのだろう。 個人的には好かないけど。 #エイトで妄想 pic.twitter.com/QSLaox5FGt

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５４ 今日は午後から急遽会議が入った。 内容は今度の新商品のことで、なかなか大事な話だったんだけど… 頭が重くて。 なんとなくだるくて。 うまく話についていけない… 駄目だと切り替えようとしてもうまくいかない。 そうこうしているうちに会議は終わった。 #エイトで妄想

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５５ やっと終わった！と勇んで立ち上がったその瞬間… …目の前が霞んだ。 それと同時に、足に力が入らなくなった。 書類を撒き散らしその場に倒れた私を 「峰村さん！？」 と周りの人が心配しているのも、 だんだん遠くなっていって。 #エイトで妄想

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５６ その時、 「琴葉ちゃん！？」 大倉さんの声が聞こえて、皮肉にも一瞬私の意識が戻った。 しかし熱のせいでまた遠のきそうになる… 私の身体がふわっと持ち上げられた。 #エイトで妄想

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５７ …きっと大倉さんが私を横抱きに抱えてるんだろうなと働かない頭で考える。 意識が遠のく直前、 「なんで言うてくれんかったん… 他の誰に頼らんでも、 他の全員に嘘ついてもええから、 俺だけには頼ってや…」 そう、大倉さんが言ったような気がした。 #エイトで妄想

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５８ …何かの感触で目が覚めると、 目の前に大倉さんの心配そうな顔があって。 「おーくらさん…」 なんだかすごく安心… ( ﾟдﾟ)ﾊｯ! してたまるかああああ！！！！！ バッと飛び起きる。 そのせいで、私の頭と大倉さんの頭が盛大に激突した。 #エイトで妄想

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５９ 「いったーーー！！！！！ちょ、お前石あたm」 「うるさいっ！近いのが悪い！」 痛いとかそういう問題じゃない！ 私も痛いけど！← って、そうじゃなくて。 私どうしたんだっけ… 「あ！っていうか大倉家ルール！ 部屋には入らない！生活に干渉しない！」 #エイトで妄想

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６０ 「しゃーないやん！お前いきなり倒れるし、なんか熱あるし、１回家持ち帰った方がええかなってなるやん！？」 あぁ、そういうことか。 そっか、私熱で倒れたんだ。 持ち帰るという言い方にはとりあえずこの際触れないでおこう、うん。 「ごめんなさい、迷惑かけて」 #エイトで妄想

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６１ そう言うと、大倉さんは頭をかいて、 「迷惑ちゃうし、 いや、迷惑ちゃうっていうか…」 すると。 …私の頭の上に、そっと置かれる手。 「なんで言うてくれんかったん？」 「え…？」 「…朝とか。なんで隠したん？」 大倉さんは… #エイトで妄想

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６２ 大倉さんの笑顔は、少し寂しそうだった。 「生活干渉しないってルールはあるけど… 辛い時くらいはちゃんと頼ってほしいわ」 「…ごめんなさい」 「もう謝るんはええから笑 やからもっと俺のこと頼って？」 「…うん」 今まで。 この人が大嫌いだった。 #エイトで妄想

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６３ でも。 初めて。 この人がこんなにも、頼もしく思える。 こんなにも、傍にいてほしいと思える。 「ありがとう、大倉さん」 「はいはい、ゆっくり休み？」 「うん」 今日は珍しく素直に大倉さんの言葉を聞こうと思えた。 でも、一つだけ気になること。 #エイトで妄想

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６４ 「ねぇ大倉さん」 部屋を立ち去ろうとする大倉さんの背中に問いかける。 「私が起きる前にさ、私に…」 「気のせいやろ」 まだ何も言ってないのに。 大倉さんは、私の言葉をそう遮って、部屋を出ていった。 #エイトで妄想

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６５ 再び眠りに落ちる直前、考える。 起きる直前頬に感じた、温かく柔らかい感触。 あれは、確かに… pic.twitter.com/EtU9MQGe42

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６６ 次の日。 熱は下がったけど昨日色々あったせいで大倉さんの前で普通にしてられる自信が無い… って、何考えてんの！ 大倉さんは私の同居人。 いつも通り、いつも通り。 そう言い聞かせて食卓へと向かった。 「おおー、おはよ。体調どう？」 大倉さんの微笑。 #エイトで妄想 pic.twitter.com/2RTsoY0HwF

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６７ 「はい、おかげさまでだいぶ良くなりました」 「ん、よかった、次から気いつけやー もうメシ出来てんで」 ほんとこの人いつもこうなら優良物件なんだけどな← などと考えながら席につく。 食べながらふと思いついて尋ねる。 「…ほんと大倉さん料理うまいですよね」 #エイトで妄想

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６８ 「そう？ならよかった、嬉しいわぁ（棒）」 …（棒）は気にしない。うん。 「なんかバイトとかしてたんですか？」 と、聞いたはいいものの、 （あ、そうだ…） 『互いの生活に干渉しない』 「すみません、忘れてください」 すると大倉さんは「ぷっ」と吹き出して #エイトで妄想

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６９ 「お前なぁ、三十路の一人暮らしやで？料理くらい出来て当然やん」 …なんかすごくバカにされた気分。 どうせ私は料理出来ませんよーだ！！ という思いを存分に込めて大倉さんを睨んでいると、 「あ、明日から出張やからな」 「あ、行ってらっしゃい」 #エイトで妄想

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７０ 「うん…やなくて！お前も行くんや！」 「え！？」 「前にも言うたやろ！！」 …確かに言っていた、気もする。 けど！ 「い、いいですよ！コンビニ飯で充分！」 腹の足しになれば！！ 「でもなぁ…」 そう言っておもむろに携帯をいじり出す大倉さん。 #エイトで妄想

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７１ 「あ、ほら、これ。PRESIDENT onlineも言うてるやん。糖質とか塩分が多いって。」 そう言っておもむろに画面を見せてきた。 なるほど確かにそこには具体的な数字を用いてそれが示されている。ぐうの音も出ない。（出典PRESIDENT online） #エイトで妄想 pic.twitter.com/D7RYnabgAt

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７２ 「外食もまあ似たようなもんやけど、メニューから選ぶ分カロリーとか気にして選べるんちゃう？やから、お前は俺と一緒に行ったほうがええの」 「ぐぅぅぅぅ」 「はい論破（笑）。準備しといてな？」 ２人での出張。 決定してしまいました（泣）。 #エイトで妄想 pic.twitter.com/PtdB8Wampt

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７３ とは言ったものの久々の旅行。（大倉さんと一緒だけど） 少しだけワクワクしながら準備を進め… ついに！ やって来ました！ 福岡！！！ 博多！！！ （※大倉さんはあくまで仕事です。） #エイトで妄想 pic.twitter.com/AuIdP52xNv

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７４ 「福岡…って言ったらやっぱり明太子ですよね！？買ってきていいですか！？」 「駅にいっぱい店あるやろ、後で買い。」 大倉さんのその一言によってお土産買いたいという私の要望は一蹴され← 大倉さんの仕事相手の所に秘書的な感じでついて行くだけ(泣) #エイトで妄想

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７５ ひどいよおおお！ 足疲れたし。 仕事の書類いくつか持ってきてるから先ホテル行ってやってようかな…。 とは思いつつもこの辺の地理には疎いわけなので迷いそうで怖い 大倉さんについて行くしかない。 #エイトで妄想