Fake＆Gimmick

よつげ @Eight_os

２０１ 食事だって。 美味しいのに、素直に美味しいと思えない。 それよりも久しぶりに大倉さんの作る料理食べたいななんてて思ってしまう。 こんな気持ちで…私。 私、どうすればいいっていうの…？ 「…琴葉ちゃん」 食事もあらかた終わった頃。 #エイトで妄想

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２０２ 「ちゃんと話したいことがあるんやけど」 急に改まったように言う丸山さん。 来た…。 「僕は琴葉ちゃんのこと好きやし、それは他に好きな人でも出来ひん限り変わらないと思う。 叶うんやったら…友だちの一人や二人裏切っても構わへん」 …違う。 #エイトで妄想

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２０３ 「正直、琴葉ちゃんに初めてあった時、あー、もうちょい早く琴葉ちゃんに出会えてたらなぁって思った。」 ダメだ。 「琴葉ちゃんのこと縛ってる奴がおるんやったら、そいつから琴葉ちゃん奪ってでも側にいたい。 そのくらい欲しいんや…好きなんや、琴葉ちゃんが。」 #エイトで妄想

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２０４ そうやって言われて嬉しいのに。 ありがとうって思うのに。 私がその言葉を言ってほしいのは、この人じゃない━━━ 「琴葉ちゃんの気持ち… 正直に、聞かせてくれへんかな？ どんな結果になっても、受け止めるから。」 でも… 私は… この人と… 幸せに… #エイトで妄想

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２０５ 「…ごめんなさい」 なれない。 つい１時間半前ならOKしていたけど。 「どうしたらいいのか…全然わかんないんですけど、」 解けないくらい絡まったこの気持ちに、今は名前なんてつけられないけど。 「丸山さんのことは…恋愛対象として見れません」 #エイトで妄想

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２０６ それは本当。 「…ありがとう」 俯いた丸山さんがそう答えた。 それは、ちょっと泣くのを堪えているようにも見えた。 釣られて、私の目も潤んでしまう。 「…何で泣くん笑 僕の方が泣きたい〜笑」 おどけてみせてくれた丸山さん。 その気遣いが嬉しくて。 #エイトで妄想

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２０７ やっとちゃんと笑えた。 「よーし！今日は飲むぞっ！ せめて今日はデートって言ったから！やけ酒行くぞ！」 「…はいっ！」 やっぱり私は中途半端で。 でも楽しくて。 中途半端でもいいかな、と思えた。 #エイトで妄想 pic.twitter.com/09Kfd0W6am

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２０８ 「何してんねんアイツ…」 その頃家で 大倉さんが眠れぬ夜を過ごしているとは 全くもって知らずに。 #エイトで妄想 pic.twitter.com/IwPXlTjcMU

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２０９ ２人で散々飲んで 何軒かハシゴして それでも私はまだ何となく酔えないまま、 丸山さんだけがベロベロになった。← 「琴葉ちゅわ〜ん♡」 とベタベタしてくる丸山さんをなんとかタクシーに押し込み、 私は家路に急ぐ。 もう日付はとっくに変わっていた。 #エイトで妄想

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２１０ 流石にもう大倉さん寝たよね…？ 無意識のうちに大倉さんに何か言われるのを恐れている自分がいて。 …言われるわけないのに、と思う。 （…嘘だ…） 家の前まで来て、思わず足を止めた。 …大倉さんがドアにもたれかかっていたから。 「…おかえり」 #エイトで妄想 pic.twitter.com/IX2RQ7ryA8

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２１１ その声は、決して私を歓迎するものではなかった。 むしろ遠ざけるような。 もしかして、ずっと起きてたんですか…？ 「随分遅かったやん …丸と何してきてん」 …え 「どうして、丸山さんのこと…」 普通に聞こうとしても、声が震える。 #エイトで妄想

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２１２ 「朝からあんなお洒落して行くの、デートでもなければおかしいやろ。 相手おるとしたら丸やろなって」 大倉さんにバレていた。 足元が急に不安定になったような気がする。 大倉さんの空気が…怖い。 「初デートで朝帰りとか…お前もお盛んやな笑」 #エイトで妄想

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２１３ 胸がズキリと痛む。 「ま、丸山さんは、何も…」 「ふーん… 確かめてみる？」 すると大倉さんが近づいてきて… 私の肩におでこをつけるようにして寄りかかった。 普段とは別の意味でドキドキする… 「やっぱり… 丸の匂いするわ、ムカつく」 #エイトで妄想

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２１４ たぶんそれは丸山さんに酔って抱きつかれたから… でも、顔を上げた大倉さんの表情を見た途端、 …その言葉を口に出来なくなる。 怒っているはずの大倉さんの顔が 今にも泣きそうだったから。 「…どんだけ心配したと思ってるん …次から気をつけてな」 #エイトで妄想

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２１５ その言葉に顔を上げる。 私の中で変なスイッチが入ったのは自分でもわかった。 「…何も言わないんですか？」 「は？」 「私が丸山さんと何かあったとしても… 大倉さんは許すんですか？」 大倉さんは少し考えて、 「…何か言う権利あるんやったら言うけど？」 #エイトで妄想

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２１６ …そうだった。 私たち二人に、互いの生活に干渉する権利はないんだ。 でも 「…それを大倉さんが言うんですか？」 「どういう意味や」 もう止められなかった。 「同居人としての節度… 一番守ってないのは大倉さんじゃないですか」 「そんなこと、」 #エイトで妄想

よつげ @Eight_os

２１７ 「じゃあ私が倒れて家で寝てた時、 どうしてキスしてきたんですか」 貴方が目を見開く。 …気づかれてるとは思ってなかったんだね。 「どうして書類拾ったのに隠して、嘘ついてデートしてくれたんですか」 楽しかった全ての思い出は。 #エイトで妄想

よつげ @Eight_os

２１８ 全てあなたが私の生活にどんどん入ってきた、そのためにできた副産物。 「今だってこうやって私の交友関係に口出しして…」 私の脳内を支配して。 「そんなんで」 そんなんで、 どうしてただの同居人だなんて言えるんですか 頭の中に浮かんだその言葉は。 #エイトで妄想

よつげ @Eight_os

２１９ まるで自分が「それ以上になりたい」と望んでいるようで。 違う。 ほんとに望んでしまっていたんだ。 バカみたいに 今更気づく。 私は、 大倉さんのことが… #エイトで妄想

よつげ @Eight_os

２２０ 「もうええよ」 大倉さんの言葉が、私を突如突き放した。 「…俺ら、もう一緒にいるの限界やな笑」 …そうじゃない。 私が望んでいるのは、そういうことじゃなくて、 言いたいのに、言葉が出ない。 「俺、もうそろそろしたら海外出張やねん」 #エイトで妄想

よつげ @Eight_os

２２１ 「新しい事業始めるから、その関係で」 大倉さんの雰囲気が少し和らぐ。 でも、 「でも、お前は連れていかへんから。」 見えない壁を作られたようなその言葉。 「…海外から帰ってきたら、俺がここ出てく。 …でないとお前、居場所なくなるやろ？」 #エイトで妄想

よつげ @Eight_os

２２２ 「家１個買えるくらいの金はあるから安心しい笑」 こんな時でも垣間見える貴方の優しさが悲しい。 そうじゃない。 大倉さんはまだ何か言おうとしてるけど。 嫌だ… 嫌… その先の言葉は、聞きたくないよ… 「もう、会わへんから」 何かが 終わった #エイトで妄想 pic.twitter.com/ccRx0VRYFH

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よつげ @Eight_os

２２３ あれから私はむしろ大倉さんとちゃんと話がしたくて 何度も話しかけようとしたけれど、 今度は大倉さんが私を避けるようになって。 悔しくて 悲しくて でも、 （当然の報いだ） そう思ったし、 むしろ これでよかったのかも…なんてことも考えた。 #エイトで妄想

よつげ @Eight_os

２２４ そんな状態で、私の大倉さんに関しての情報源は 『大倉の海外事業の準備、着々と進行してはりますよ〜』 丸山さんだった。 福岡から毎度毎度大倉さんに連絡を取ってくれて。 『僕諦めてへんから、大倉好きなのしんどくなったらいつでも来てええんやで？笑』 #エイトで妄想

よつげ @Eight_os

２２５ そんな風に言ってくれて。 諦めないと言ってはいるけど、この人はもう私のこと、自分から奪いには来ないんだろうなと思った。 …丸山さんには本当に損な役回りをさせてしまったと思う。 『丸山さんこそ、私に構うのしんどくなったらいつでもやめていいですよ』 #エイトで妄想