君もゲーデルの完全性定理/不完全性定理を使って、公理系の癖を知ってよ!

舌が回らないのでツェルメロを発音できません。
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uncorrelated @uncorrelated

ゲーデルの完全性定理/不完全性定理は立派な理論なのだが、なかなか使い道が無い系の代表みたいなもんなので、これの証明を追いかけた上で濫用している人文科学の人々がもしいるのであれば関心する。

2017-09-04 06:21:40
ぱりー @Woofer30

ゲーテル不完全性定理が使い道の無い系???

2017-09-04 09:38:11

ゲーデルの第2不完全性定理の使い方

uncorrelated @uncorrelated

こんな事をしている人はほとんどいない気がしますが、公理系Aで公理系Bの無矛盾性を証明することで、ゲーデルの第2不完全性定理から公理系Aと公理系Bが別物と証明できるらしいです。見かけたので、お知らせしました(ヲ twitter.com/Woofer30/statu…

2017-09-04 11:08:38
はーりぃ @Woofer30

@uncorrelated ああ、なるほど。ゲーテルのオリジナルの不完全性定理のことだけ考えるならそうかもしれないですね。

2017-09-04 10:47:03
くるる @kururu_goedel

@uncorrelated 文脈が読めてないんですが、公理系Aで公理系Bの無矛盾性を示すことにより、公理系Aの無矛盾性が公理系Bの無矛盾性よりも真に強いことを証明するのは、数理論理学では基本テクニックの一つですが。

2017-09-04 12:54:14
くるる @kururu_goedel

@uncorrelated 例えば、ZFC+"到達不可能基数が存在する"からZFCの無矛盾性が言えるので、Con(ZFC+"到達不可能基数が存在する")はCon(ZFC)より真に強いです。つまり、Con(ZFC)からCon(ZFC+"到達不可能基数が存在する")は証明できません。

2017-09-04 12:55:47
uncorrelated @uncorrelated

@kururu_goedel 「ゲーデルの不完全性定理を勉強しても、定理の使い道なさそう~」「いやいや、そんな事はないでしょう」のような文脈でした。

2017-09-04 12:59:03
くるる @kururu_goedel

@uncorrelated チャイティンとか全然知らないのでそこはさておくとして、私が挙げたゲーデルの不完全性定理を使ってある公理系の無矛盾性の強さが他の公理系の無矛盾性の強さより真に強いことを証明するテクニックは、少なくとも集合論ではとても良く使われるので、使い道がないとは言い難いです。

2017-09-04 13:01:59
くるる @kururu_goedel

これだとマニアックすぎるというなら、例えば、Con(ZF+"全ての実数集合はルベーグ可測")とCon(ZFC+"到達不可能基数が存在する")が同値なので、Con(ZFC)よりもCon(ZF+"全ての実数集合はルベーグ可測")は真に強いことが言える。

2017-09-04 13:12:10
くるる @kururu_goedel

つまり、「ルベーグ不可測な集合が存在するのは選択公理のせい」はある意味正しいのだけれども、ルベーグ不可測な集合がないモデルを作るのには、ZFCよりも真に強い体系が必要だってことで、これはそれなりに面白いし普通の数学の人にとっても興味が持てることではないかと。

2017-09-04 13:14:01

ゲーデルの完全性定理の使い方

gavagaiinavat @gavagaiinavat

RT言及)完全性定理と不完全性定理の使い道論争が勃発してたのか。 不完全性定理については議論が盛んで、公理系の強弱を研究する手法の具体例 en.wikipedia.org/wiki/Equiconsi… も挙がってるのに、完全性定理はハブられてる感じが可哀想だったので、ちょっと語りますね。(続く

2017-09-06 08:16:56
gavagaiinavat @gavagaiinavat

承前)問題は、数学の定理の「使い道」とは何か、ですよね。 完全性定理とは、「1階の理論Tについて『Tは無矛盾』と『Tはモデルを持つ』は同値」というもので、言うなれば、統語論(syntax)と意味論(semantics)という対置的分野の間を自由に往来できる“道”なんですね。(続く

2017-09-06 08:21:32
gavagaiinavat @gavagaiinavat

承前)例え話ばかりじゃアレなんで、完全性定理のちょっと面白い応用例を挙げておきますね。 数学の定理の応用手法の一つとして、別の定理の複雑な証明を簡単にするというのもあるけど、実は完全性定理を応用すると、第二不完全性定理のややこしい証明が簡単になるという結果があるのですよ。(続く

2017-09-06 08:29:57
gavagaiinavat @gavagaiinavat

承前)ざっくり言うと、集合論についての第二不完全性定理を 集合論が無矛盾なら、「集合論はモデルを持つ」という命題は集合論の中では証明できない と言い換えて、モデル論的証明を与えるという手法です。 pdfs.semanticscholar.org/9430/678e2538e… (続く

2017-09-06 08:31:47
gavagaiinavat @gavagaiinavat

承前)この手法は集合論だけじゃなく、ペアノ算術にも適用できます。 ネット上で日本語で読める文献は、菊池先生や矢田部先生が書いていますね。 repository.kulib.kyoto-u.ac.jp/dspace/bitstre… researchmap.jp/muxjyj5qb-2109… (続く

2017-09-06 08:35:06
gavagaiinavat @gavagaiinavat

承前)この結果の何が面白いかを説明すると、完全性定理と不完全性定理では「完全性」の意味が違うとか不完全性定理はあくまで統語論的な定理であるとか、(教育的配慮からとは言え)“断絶”の言説が強かった「完全性定理/不完全性定理」界隈に“融和”をもたらす結果だからなんですよ。(続く

2017-09-06 08:39:24
gavagaiinavat @gavagaiinavat

承前)どんな定理も他の定理と繋がっていて、特に基本定理と呼ばれるものは影響範囲が広いんですよね。こういう“繋がり”それ自体こそが、数学の定理の「使い道」なのではないでしょうか。 絆が一番大切!すべてのものに感謝!!!圧倒的感謝っ……!

2017-09-06 08:41:13