ディズニーに『魔女の宅急便』の機微はわからないのか

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uroak_miku @Uroak_Miku

1)『魔女の宅急便』ディズニー英語吹き替え版を分析していて気になったことが。トンボと分かれてとぼとぼ部屋に戻った彼女が相棒猫に愚痴る。そのときのセリフが英語ではちょっと違ってる。

2017-09-13 09:01:54
uroak_miku @Uroak_Miku

2)「I meet a lot of people, and at first everything seems to be going OK. But then I start feeling like such an outsider.」

2017-09-13 09:08:19
uroak_miku @Uroak_Miku

3)「You should have seen how Tombo's friends looked at me.」

2017-09-13 09:08:57
uroak_miku @Uroak_Miku

4)「私、大勢のひとに出合って、最初はすべて順調に思えて。それが今はのけ者みたいに感じだしている。トンボの友人たちがどう私を眺めていたのか気が付くべきだった」 前半は現在時制で後半は仮定法。巧いといえば巧いのだけど。

2017-09-13 09:10:18
uroak_miku @Uroak_Miku

5)ヤンキーどもの発想なのかな。魔女というのは何か格下人種扱いで、トンボと出会ってキキはそのことを忘れかかっていたんだけど彼の友人たちは自分をやはり格下人種と見下していることに気づいて、自分の分を改めて思い知ってしまった…そういう解釈をディズニーはして英訳している。

2017-09-13 09:12:18
uroak_miku @Uroak_Miku

6)『バック・トゥ・ザ・フューチャー』でマーティ父がまわりからコケにされ続けるのは「マクフライ」という苗字だったから。アイルランド系なんですよ。移民でもかなり後になってからやってきた連中(の子孫)なので格下扱い。それで黒人ウェイターから「しっかりしろよ兄弟」と同情されてしまう。

2017-09-13 09:14:12
uroak_miku @Uroak_Miku

7)キキについてもディズニー吹き替え班(というか翻訳者)は同種の解釈をしたようです。いかにもメリケン人の人種感ですが違いますよねあのシーンは。トンボに声をかけてきた女の子のひとりは、例のキドニーパイを冷たく受け取った娘なわけですよ。

2017-09-13 09:17:45
uroak_miku @Uroak_Miku

8)皆さんも子どものとき、思春期のとき、高校生のとき、もっと大きくなってから同じ経験はありませんか。見知ってはいた子とひょんなことで仲良くなる。一対一で話すと結構いい子なんだと気づく。ところがその子がお仲間グループに合流すると、もう縁が切れてしまう。手が届かない気になる。

2017-09-13 09:19:38
uroak_miku @Uroak_Miku

9)スクールカーストとは少し違うのだけど、重なるところはあります。で相手が異性、それも女の子の場合は相手が男の子だから、話はもっと入り組んでくる。

2017-09-13 09:21:12
uroak_miku @Uroak_Miku

10)日本語でやり取りするとき、日本人という意識は全然ないけれど、英語でやり取りするときは常に、アイアムジャパニーズを意識する。自分はそうです。同じ心理メカニズムですよ。もっとも彼女の場合は人種ではなく、彼のお仲間グループとの距離感の問題があるわけですが。

2017-09-13 09:23:01
uroak_miku @Uroak_Miku

11)ディズニーの翻訳者はここの機敏が読み取れなかった、またはアメリカ市場向けにローカライズしたのでしょう。

2017-09-13 09:23:35

以下おまけ

uroak_miku @Uroak_Miku

そういえば彼女のお仲間グループって冒頭のここくらいですね。『赤毛のアン』を途中で戦線離脱した後ろめたさの末に、十年後にその続きに挑んだハヤオさんないす。 pic.twitter.com/gf81oWKMWU

2017-09-13 09:38:25
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uroak_miku @Uroak_Miku

あ、もうひとつ。「キキは敬語を正しく使っていて感心」とかの評は変。この世界は日本語ではなくヨーロッパの言語なのだから敬語にあたるものはない(限られている)のです。つまり吹き替えで敬語になっているのと同じ。『ペリーヌ物語』の主人公も13歳で社長秘書で敬語完璧でしたが同じトリック。

2017-09-13 09:46:00