マチズモを除去したことで女性のDV加害者性が明らかになったという話(日記帳)

15

※注:ここにはエマ・ワトソンの「男性は『暴力をふるうことが男らしい』というステレオタイプ、ジェンダー規範から解放されるべき」という話を下地に、男性のジェンダー規範からの解放を訴える運動の話が入っています

http://logmi.jp/23710
「弱いと思われるのが嫌だから」と言って、男性は心が弱っているのに助けを求めようとしません。
男性が「男とは攻撃的・アグレッシブであるべきだ」という考え方から自由になれば、女性は比例して男性に従う必要性を感じなくなるでしょう。
男性が、「男とはリードし、物事をコントロールするべきだ」という考え方から自由になれば、女性は比例して誰かにリードしてもらう、物事をコントロールしてもらう必要性を感じなくなるでしょう。

ショーンKY @kyslog

こういったことが着実に実を結んできてるかなと思うのがDV統計で、女性から男性へのDVの認知件数の急増ぶりから、「暴力性は男性特有」というステレオタイプからの脱却により暗数となっていたDV妻/DV母が浮き彫りになってきた感がある tanteinavi.com/domestic-viole…

2017-08-02 12:03:34
  • 「DV被害者の40%は男性」「女性のDVを暴力とみなさない傾向が強いが、こういうのも立派なDV」というイギリスの公共広告
  • 警視庁管内でのDV加害者で女性の比率が2010年の2.4% → 2015年の12%というデータ
    が紹介されています。
ショーンKY @kyslog

「男性は暴力的であるべきというステレオタイプをなくせば世界は平和になる」という直線ではなく、「暴力は男性の特徴と言う偏見がなくなることで女性の暴力性が明るみになり、それを解消して最終的にもっと平和になる」という紆余曲折を経るということにはなるけど。

2017-08-02 12:07:41
ショーンKY @kyslog

探偵ファイルの間接引用にしたのは海外事例(統計ではない)の紹介があったからです

2017-08-02 12:13:15

女性が2010年から2015年の5年間で急激に暴力的になったというのはまあ考えにくいわけで、男性加害者の認知件数の増加から見ても家庭内暴力対策が実を結んで暗数になっていたものが明るみになったという見方のほうが妥当でしょう(イギリスの公共広告にもあるように、実際のところ男女の暴力性は大差ないというあたりが実際のところではないかと思います)

2010年まで女性をDV加害者とみなすことは(実際にDVを行っていたとしても)ほとんどなかったというのは、イギリスのCMでも啓発されているようにジェンダー規範に基づく偏見である部分が大きいでしょう。エマ・ワトソンのスピーチの通り「弱いと思われるのが嫌だから」と言って助けを求めようとしません、というあたりでしょう。

もう少し言えば、「ヒステリー」という「精神病」が1990年代になくなった影響もあるかもしれません。かつては女性が泣き叫び暴れるとすればそれは子宮に原因のある身体症状であり女性特有の精神病などと扱われていたわけですが、病理学的にそのような証拠などはなく、女性に対する偏見で定義された「病気」なので病名として無効になったとは当然でしょう。かつてヒステリーと診断されていたケースは、他の精神疾患カテゴリに移されるか、または判断能力のある大人が振るった暴力として刑事責任を問われるようになっています。その昔は大衆レベルでも女性のDVは「ヒス」と略されて「仕方がないもの」という扱いを受けていましたが、今はそういう風潮はほとんどないでしょう。

つまり、かつては

  • アグレッシブなのが男らしい男であり、男の暴力は仕方がない
  • 女の暴力を我慢できない男は弱く男らしくない。そもそも女特有の精神病のようなもので責任は問えない

という形で、男女双方の暴力がジェンダーステレオタイプによって免責されてきた、ということです。こういった暴力の責任を隠すステレオタイプは取り除くべきですし、特に根拠もなく女性を精神病患者扱いするような偏見は女性に対する抑圧であり取り除かれて当然です。その結果、男性の加害を明るみにして減らしていく方向になると同時に、女性もまた加害者であったことが明るみとなってきており、その加害者性は責任を問われるべきもので、これも減らしていこうという動きになるのだと思います。こうやって暴力が減っていくのはいいことでしょう。