Y Tambe氏による水道水中のヨウ素の挙動関連まとめ

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まっくろなねこ @blackcat009

ヨウ素の疫学データとか、原爆の癌リスクの疫学データ見たことないですが‥ RT @y_tambe: 放射性ヨウ素が特に問題視されるのは「チェルノブイリでの疫学的なデータ(≒エビデンス)がある」こと。これは確か。 もちろん原爆での大量被曝も癌リスクを増加させたけど、急性リンパ腫が先

2011-03-22 22:17:09
まっくろなねこ @blackcat009

放射線のレベルが今回のものと全然違いますし、結論としては若年者にのみ言及されてますよね。ミスリードと誤解されません? RT @y_tambe: チェルノブイリ20年後でのがんのまとめ(総説)http://iopscience.iop.org/0952-4746/26/2/001/

2011-03-22 22:50:54
Y Tambe @y_tambe

ミスリードと誤解されると困るな…それでも「チェルノブイリのケースで、若年者での放射性ヨウ素による甲状腺がんリスク増加が指摘されてる」のは事実なので動かないけど。RT @blackcat009 放射線のレベルが今回のものと全然違いますし、結論としては若年者にのみ言及されてますよね。

2011-03-22 23:09:17
Y Tambe @y_tambe

問題は「硬水の何がまずいのか」なのだけど…少なくともマグネシウム摂取量については、乳幼児での上限が日本にはある。それを超えると下痢しやすくなる、という理由らしい。@Mihoko_Nojiri @tamai1961

2011-03-23 23:04:40
Y Tambe @y_tambe

コントレックスくらいの硬水になると、結構お腹に「来る」人も多い…というか、便秘の改善を目的に飲む人もいるくらい。そもそもマグネシウム塩は峻下剤としても使われるものなので。

2011-03-23 23:07:41
Y Tambe @y_tambe

[Q] なぜ、ヨウ素以外の核種である、セシウムやストロンチウムについては、ヨウ素ほどまでに汚染問題を考える必要がないと言われてるか? [A] チェルノブイリ事故ですら甲状腺がん以外の長期影響がみられてないから。(解説続く

2011-03-24 08:39:04
Y Tambe @y_tambe

(解説続き)甲状腺がんは、放射性ヨウ素との関係が深い。他の核種の影響があるなら、甲状腺がん以外の、他のがんが増えるはず。例えば、原爆の例では白血病が増えたが、チェルノブイリ後の長期影響ではそれも見られてない。(解説続く)

2011-03-24 08:41:22
Y Tambe @y_tambe

(解説続き)もちろんチェルノブイリを超える事態になれば話は別。その意味では他の核種のモニタリングは大事。またチェルノブイリ周辺地域の疫学データが、そのまま日本人に当てはまるかどうかは「判らない」。けど、そのデータが現在「もっとも確からしい根拠」になることも確か。

2011-03-24 08:43:57
Y Tambe @y_tambe

@team_nakagawa 煮沸や浄水器の効果についてのコメントですが、これは実際の実験結果に基づいた話でしょうか? もし該当する論文等があれば、ご教示いただければ幸いです。

2011-03-24 09:39:54
東大病院放射線治療チーム @team_nakagawa

放射線性ヨウ素の半減を待つ(I-131の半減期=8日)くらいしか、手はないと思いますが、そもそも、水道水についても心配はありません。昨日来、報道されている「水道水の放射線能」問題を、このあと考えてみます。

2011-03-24 09:48:36
Y Tambe @y_tambe

ヨウ素が水中に存在する形態は、I2(ほとんど溶けないが、一部は微粒子として)、I -(ヨウ化物イオン)、I3 -(三ヨウ化物イオン)、IO - (次亜ヨウ素酸イオン)、IO2 -(亜ヨウ素酸イオン)、IO3 -(ヨウ素酸イオン)、IO4 -(過ヨウ素酸イオン)、CH3Iなど多様

2011-03-24 09:57:22
Y Tambe @y_tambe

ただし、村松・大友(J.Rad.Nuc.Chem.124:123-134,1988)によれば、『水環境中におけるヨウ素の主要な形態は、ヨウ化物イオン(I -)とヨウ素酸イオン(IO3 -)だと考えられている』(訳)

2011-03-24 10:02:22
Y Tambe @y_tambe

また、亀谷ら(分析化学 41:337-341)が、雨水、河川水、水道水のヨウ化物イオン、ヨウ素酸イオンの濃度を測定した結果、IO3 -/I - の数値は雨水、河川水で0.19-1.5だったのに対し、水道水では17.7-26であり、水道水では、そのほとんどがヨウ素酸イオンであった。

2011-03-24 10:07:07
Y Tambe @y_tambe

なお、同論文において、ヨウ化物イオンとヨウ素酸イオンを合計した総ヨウ素濃度は、雨水では2.5μg/l、河川水で4.8-7μg/l、水道水で5.4-5.6μg/lであり、雨水では少なかったが、河川水と水道水ではあまり差がなかった(亀谷、1992)

2011-03-24 10:11:40
Y Tambe @y_tambe

水道水で、I - が少なくIO3 -が多い理由については、当初、二つの可能性が考えられた。(1)水道水には塩素由来の塩化物イオンが存在するため、イオン化傾向が小さいI -がI2に変わって失われる可能性、(2)塩素由来の次亜塩素酸イオンがI - を酸化し、IO3 - を生じる可能性

2011-03-24 10:16:02
Y Tambe @y_tambe

(承前)しかし、水中の塩化物イオン濃度には依存しなかったため、(2) 水道水では消毒用塩素に由来する次亜塩素酸等の酸化作用によって、I - が IO3 -に変わるため、ほとんどが、ヨウ素酸イオンとして存在するのだろうと考えられた(亀谷、1992)

2011-03-24 10:18:55
Y Tambe @y_tambe

亀谷らの論文から同時に読み取れること:(1) 同一地域での、河川や水道水の総ヨウ素濃度は雨水よりも高そうだ(雨水が1サンプルなので結論しにくいが)、(2)河川と水道水では総ヨウ素はあまり変わらないだろう(少なくとも「1992当時の上水施設では除去効果がなかっただろう」)

2011-03-24 10:24:32
Y Tambe @y_tambe

村松・大友(1988)と亀谷ら(1992)の二つの論文から推察すると、水道水中に存在するヨウ素は、おそらくヨウ素酸イオン(IO3 -)の状態であることが推測できる。ではヨウ素酸イオンを除去する方法があるかどうかだが…これについての資料が、まだ探しきれてない。

2011-03-24 10:27:24
Y Tambe @y_tambe

ただし、ヨウ素のイオンとしての性質が、同族(ハロゲン)である塩素に近いのではないかと考えた場合、「塩素酸イオン」は塩素由来イオンの中では浄水器や煮沸等による除去が難しいことが知られてるので…そこから類推すると、かなり難しいはず。

2011-03-24 10:30:16
Y Tambe @y_tambe

ただし、IO3 - 自体も強い酸化作用を持つ。おそらく「塩素が抜けた」水中では、他の物質を酸化することで、徐々に IO3 - →(IO2 - → IO - )→ I- と変化し、最終的には河川水と同程度の比率に収束するだろう。

2011-03-24 10:35:09
Y Tambe @y_tambe

ヨウ化物イオン、ヨウ素酸イオンということであれば、陰イオン交換樹脂を用いて除くことは可能なはず。 実際、亀谷らの論文ではAmberlite CG400、100-200メッシュ、Cl型交換樹脂使って、eluteまでさせた回収率が98.4-99.1%(なので除去率はもう少し高いはず)

2011-03-24 10:47:13
Y Tambe @y_tambe

ただし、陰イオン交換樹脂は浄水器ではあんまり見ない。陽イオン交換樹脂は「軟水化」と称して使ってるものがあるけど(軟水化なら、安いゼオライトでもいいじゃん、とは思うが)…あっても窒素系のイオン種(硝酸イオンなど)の除去用を謳ってるものなので、ヨウ素系の除去率については判らない。

2011-03-24 10:51:30
Y Tambe @y_tambe

あとまぁ、逆浸透は原理からいってもおそらく有効なはずなので、RO水は使えるかもしれない。浄水器にも採用してるのがあったはず。

2011-03-24 11:06:09
まっくろなねこ @blackcat009

市販かどうかはわかりませんが、研究室で純水を作るのに普通に使われてますよ。ただし塩素除いたら、あっという間に腐敗する危険を覚悟する必要があります。RT @y_tambe: ただし、陰イオン交換樹脂は浄水器ではあんまり見ない。陽... http://post.ly/1nCnC

2011-03-24 11:12:18