【かんたん解説】「立憲主義」って?中学生にもわかる #立憲主義 by #立憲BACKERS ~全シリーズまとめ版~
- tkatsumi06j
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@nasukoB このうち,国の最高機関といわれているのが,立法権を持つ国会だ。この国会が作る法律は,憲法の定めにより,憲法に違反(いはん)するものであってはならないとされている。だから本来は,いまある法律はすべて憲法に違反していない──というタテマエになっている。
2017-10-04 12:55:39この憲法に違反するかどうかという問題で,一番最初にあがるのが「自衛隊(じえいたい)」の存在だ。自衛隊は,国や人びと,私たち国民を守るための国が運営する実力組織(そしき)とされている。でも,法律上は「軍隊(ぐんたい)」ではない。ここに,「立憲主義」が関係してくる。
2017-10-04 12:56:58憲法9条は,こう定めているよね。 「陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない」 この「戦力」というのは,読んでそのまま「戦争遂行能力(戦争を行うことのできる力)」を意味する。つまり自衛隊は「戦争を行うことのできる力」ではないと,そういうことになるね。でも本当にそうなのかな?
2017-10-04 12:57:56自衛隊は,世界の軍隊と渡り合えるほどの立派な装備(そうび)を持ち,ものすごい予算をかけて維持(いじ)されている。これまでアメリカや他の国と合同演習(えんしゅう)も行ってきたけど,その成績もひじょうに優秀だったとされている。だから相当な「実力」はあると考えていい。
2017-10-04 12:58:58なのに「軍隊」ではない?なぜ?これは,ふつうの大人でも説明がむずかしい。でも,法律上なぜ軍隊ではないかについては,行政権を司る「内閣」がこう説明してきた。 ①敵地攻撃(てきちこうげき)能力がない ②海外で武力(武力)を行使(こうし)できない
2017-10-04 13:00:18①敵地攻撃能力がない、というのは,つまり,自衛隊は防衛(ぼうえい)のためにのみ,その能力を使えて,防衛以外の目的では能力を使えないし,その能力も持っていないということを意味する。 果たして,本当にそうかな?
2017-10-04 13:01:05「自衛隊」は戦闘機も戦車も持っているよね。戦艦(せんかん=ごえいかん)も潜水艦も持っている。戦闘機や戦艦にはミサイルも積まれているし。「敵地」(敵の領土:国土,領海,領空)に侵攻(しんこう)して攻撃することはできるのではないか,と思うよね。 でも,「出来ない」んだ。
2017-10-04 13:02:36ここからは細かくなってしまうんだけど,自衛隊の持っている装備は,「敵地」を攻撃することが「出来ない」能力しか持たないと決められている。「内閣」が憲法の定めを守って,そういう能力しか持たないように抑制(よくせい)してきた訳だね。だからここで「立憲主義」は生きているんだ。たぶんね。
2017-10-04 13:03:36じゃあ②の海外で武力を行使できない,というのはどうだろう。そもそも「武力を行使」することってどういう意味かというと,国の持つ実力組織がその実力を使う(行使する)ということなんだ。国の実力組織が実力を行使してよい場合は,国際法(こくさいほう)で決められているんだ。
2017-10-04 13:04:24この国際法は,憲法よりも上ではないけれども,憲法にはじつは,すでにこの国際法の内容が反映されているんだ。それが自衛(自分を守るための防衛)以外の戦争の禁止。国連憲章(こくれんけんしょう)という国際法で,「自衛以外の武力行使は禁じますよ」と定められているんだ。
2017-10-04 13:05:36どうして日本がこの国連憲章に従う(したがう)かというと,日本は昔の戦争で負けて,それでも国際社会の一員として復活するのを許されたときに,この国連憲章の元になった条約(じょうやく)に同意することを求められたんだ。この条約を「サンフランシスコ講和(こうわ)条約」という。
2017-10-04 13:06:32日本の憲法には,昔の戦争に負けて,この「サンフランシスコ講和条約」に同意して,国際社会への復帰を認められる条件として,平和主義,戦争放棄を受け入れることが含まれたんだ。その前に日本政府が受け入れたのが「ポツダム宣言」という無条件降伏(こうふく)の勧告(かんこく)だった。
2017-10-04 13:07:33この「ポツダム宣言」でも,戦力の放棄(軍備永久放棄)が求められたんだ。そして,サンフランシスコ講和条約を経て,国際社会に復帰した後で,今度は国際連合(国連)という国際機関への参加を認められた。
2017-10-04 13:08:39つまり,終戦⇒ポツダム宣言の受託(じゅたく)⇒日本国憲法発布(はっぷ)⇒サンフランシスコ講和条約の調印(ちょういん)⇒国連憲章の批准(ひじゅん)という流れで,日本は国際社会に復帰することができたんだ。
2017-10-04 13:09:07この国連の最高法規(憲法と同じ)である国連憲章に「自衛以外の武力の行使は禁止」という条文(じょうぶん)があるんだ。日本国憲法と違うのは,憲法には「自衛以外」という言葉が含まれていないこと。だから,憲法にその言葉を含むべきという議論が長い間行われてきたんだ。
2017-10-04 13:09:52でも「自衛隊」は長い間存在してきたし,憲法違反でないように,立憲主義が守られてきた,というタテマエになっている。タテマエというのは,実際は,行政権を司る(つかさどる)「内閣」が,独自(どくじ)の「解釈」(かいしゃく)によって,「守られてきた」と言っているに過ぎないからだ。
2017-10-04 13:10:37なぜなら,これまで歴代(れきだい)の内閣は,「自衛隊」をイラクや,インド洋や,ソマリアや,南スーダンに派遣(はけん)したりしてきたから。それが,②の「海外での武力行使」に当たらないかどうかというのは,ずっと法律家や専門家の間で議論されてきたんだ。
2017-10-04 13:11:41だから「国」というものは,憲法が定めるものであっても,法律をつくるときに,「解釈」によって都合のいいように現実をつくりかえることがある。だから,私たち「国民」は国のすることを監視しないといけない。 これも,「立憲主義」を守るため。
2017-10-04 13:12:29法律をつくるのは,立法を司る「国会」の役目だけど,政府(内閣)は国会に法案を提出できる。政府は国会の大多数を占める政党の人間がつくるから,政府が法案を国会に提出すると,だいたいその法案は通ってしまい,法律になる。だから,私たち国民は国会も監視しなければいけない。
2017-10-04 13:13:06本来,「内閣」は私たちが「選挙」を通じて選んだ「国会」の大多数を占める人たちがつくるものだし,「内閣」の行うことは信頼して,憲法に違反するようなことはないよねと安心できる筈なんだ。これを「信義(しんぎ)」というんだよ。
2017-10-04 13:14:03でも,「権力は腐敗(ふはい)する」と言われていて,長く権力を持っていると,権力者は必ず力を悪用するようになる。いろいろ力の限界を試したくなるし,より強い力を欲しくなる。ウソもつくようになる。これは人間の真理(しんり)であると考えられているんだ。
2017-10-04 13:14:45だから,そうならないように(権力が集中して腐敗しないように),立憲主義が憲法に定められていて,憲法にはいろいろ「権力の腐敗」を防ぐためのアイディアが盛り込まれているんだけど,でも完璧ではない。だから,私たち国民が監視し続けなければならないんだ。大変だよね、国民は💦。 おわり
2017-10-04 13:16:06上級編①
【かんたん解説】『立憲主義』って?中学生もわかる立憲主義(上級編)~立憲主義の危機①(かけつけ警護編)~ ※画像はお馴染み『青空の社会学』ブログから pic.twitter.com/IKfVuFoGH5
2017-10-04 16:52:41