小二女子の読書感想文「あまえるということについて」から見る「本当のがんばる」とは何か?
- gakky88NSR
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頑張るというのは、『嫌な事を我慢してやる』と言う事ではない。 『自ら望んで未来を創り出すための行動』を云うのだ。
2017-10-18 11:55:20僕がこれに気が付いたのは30歳の頃だった。 その後、同じ事に小学二年生の女の子が気付いていたのを知り、驚愕する。
2017-10-18 21:57:57それは小学二年生、中村咲紀さんの読書感想文。 『あまえるということについて』だった。 「セロ弾きのゴーシュ」の読書感想文で、大人でも意味の分からない内容の話なのに、咲紀さんはひとつひとつ意味を理解し、ゴーシュに何が起こったのか、どう変化していったのかを書いていた。
2017-10-18 22:02:10「だれも気がついていないけれど、ゴーシュの心の中には、へんなものがたくさん入っています。へんなものというのは、その人によってちがうけど、じこまん足だったり、つよがりだったり、がまんのしすぎだったり、色んなものがあります。」
2017-10-18 22:14:22「そういうへんなものが心の中に入っていると、本当のじぶんがちゃあんと見えません。ゴーシュは一生けんめいれんしゅうしているつもりだけれど本当の自分がちゃあんと見えていないので、本当のれんしゅうができていないのです。」
2017-10-18 22:15:56「本当のじぶんをちゃあんと見ないでどんなにがんばっても、間違ったがんばりかたしかできません。それは、本当のがんばりにつながりません。」
2017-10-18 22:17:59ゴーシュは動物たちによって本当の自分を取り戻し、「めでたしめでたしです」と咲紀さんは締めくくる。 これだけでも十分に凄い読書感想文だが、咲紀さんはここで終わらず、自身の過去を振り返る。
2017-10-18 22:29:24咲紀さんは、「人に迷惑をかけないように、自分のわがままを我慢をするのが良い事」だと信じていた。 彼女は妹が生まれてから抱っこをしてもらった事がなかった。 母親に「抱っこしてあげようか」と言われても「いい」と断った。
2017-10-18 22:36:47どうして?と母が尋ねると、咲紀さんは、 「まきがおかあさんにだっこしてほしいと思った時、いつでもだっこしてもらえるように、わたしはもうだっこしてもらわなくていいの、まきがだっこしてほしいと思った時、わたしがだっこしていたら、まきがだっこしてもらえないでしょう」 と、答えたのだ。
2017-10-18 22:39:58「おかあさんは、その時、一生けんめいな顔をして、わたしをだきしめてくれました。おかあさんは、「この日のことをずっとわすれない」といいます。 「さきがそんなにだったしてほしがっていることを、この時まで気がつかなかった」と言います。」
2017-10-18 22:57:16「わたしもぜったいにわすれないと思います。 だって、その時のだっこが、わたしのおぼえているさいしょのだっこだからです。 これよりまえのだっこを、わたしはおぼえていません。」
2017-10-18 22:59:07そして咲紀さんは、幼稚園が辛かったこと、友達がいなかったこと、それを先生が分かってくれなかったことで、先生を悪い先生だと思うようになったと言います。
2017-10-18 23:05:07「わたしは、まい日、ようちえんのもんをくぐる時、おかあさんとわかれのあく手をして、「がんばるぞ」と思いました。 それは、元気な「がんばるぞ」じゃなくて、心の中でなきながら言う「がんばるぞ」です。
2017-10-18 23:07:25「わたしは、いえにかえってきても、うーんとがんばっていて、おとうさんにもおかあさんにもあまえることができなかったのだと思います。」
2017-10-18 23:09:30「今考えると、わたしの「がんばるぞ」は、本当の「がんばるぞ」ではなかったと思います。「つらいのがんばってがまんするぞ」の「がんばるぞ」だったのです。」
2017-10-18 23:10:39「わたしは、へんなものがいっぱいで、じぶんじしんもまわりの人も、何もかもちゃあんと見ることができなかったと思います。わたしは、だれにもあまえないで、心をきつくしてぼろぼろないていただけだったのかもしれません。」
2017-10-18 23:11:17「だから、いくらがんばっても、つらいことばかりだったのだと思います。私のがんばりは、がまんするだけで、本当のがんばりにつながらなかったのです。わたしはゴーシュだったと思います。」
2017-10-18 23:11:41これは全5章のうちの2章までのお話です。 僕はこの章から最後まで何度も泣いてしまいました。 僕はあくまで「本当のがんばるとは何なのか」ということでまとめていますが、この読書感想文の主題は「あまえるということについて」です。
2017-10-18 23:19:00人と人の関わりについて、大人でも解決できない人が沢山いる中で、咲紀さんは自分の経験から答えを見つけます。 人間関係に悩む全ての人に読んで欲しい文ですが、現在は入手困難となっています。 気になる方はネットで検索してみて下さい。 poplar.co.jp/book/search/re…
2017-10-18 23:29:28僕はこの読書感想文を読んで打ちのめされた。 自分が30歳の頃に気付いた事を小学二年生の女の子が気付き、深いメンタルの面まで考えて(5章まで読めば分かる)答えを出し、解決していたのだ。 僕は気付いて10年、未だに本当に頑張れていない。 あなたは『本当にがんばる』が出来ていますか?
2017-10-18 23:52:57RT> 正直、この本の魅力を全然語りきれていないので申し訳ない思い。 僕が引用しているのは2章までで、この読書感想文は全5章あります。 残りの3章で彼女は自分の心の問題を体験から分析し、解決していくのですが、本当に見事で感動的。 教科書に載せるべきだと思う程。 探して読んで。
2017-10-19 12:55:37