上村松園展@山種美術館 館長・山崎による作品紹介つぶやきまとめ

2017/8/29~10/22に山種美術館で開催された「〔企画展〕上村松園 ―美人画の精華―」。会期中の館長・山崎妙子による作品紹介のつぶやきをまとめました。
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山種美術館 @yamatanemuseum

上村松園《折鶴》(山種美術館)は折り紙遊びに興じる姉妹を描いた作品。年長の娘は紅葉の、童女は菊の模様の着物を着ていることから、季節は秋でしょうか。集中して折り紙を折る姉妹の時間が伝わってきそうですね。(山崎) pic.twitter.com/HHaqWBJjNw

2017-09-15 12:20:38
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今日は敬老の日。今回出品されている美人さんの中では恐らく最も年配なのが今村紫紅《大原の奥》(山種美術館)に描かれた晩年の建礼門院(平清盛の娘・徳子)。『平家物語』に取材した作品で、秋の野に立つ姿はどこか儚げです。(山崎) pic.twitter.com/R0CRa5cDUe

2017-09-18 12:08:05
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『平家物語』題材とした《小督》(山種美術館)は、古径が18歳頃に制作された作品。琴の名手で、高倉院の寵愛を受けた宮中一の美女・小督を描いています。小督を探しに来た仲国の図と双幅の作品ですが、今回は左幅のみを展示。(山崎) pic.twitter.com/2nt6twzWJH

2017-09-18 14:01:34
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小林古径《河風》(山種美術館)。髪型や着こなしは菱川師宣や喜多川歌麿などの美人画を連想させますね。表具屋から紹介されて購入したという奥村土牛の旧蔵品ですが、床の間に掛けていたのを古径が見て驚いたというエピソードも。(山崎) pic.twitter.com/b8CePHpd3h

2017-09-19 12:05:21
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池田輝方《夕立》(山種美術館)。右隻には額堂(絵馬などを納める堂)に集う六人の男女、左隻には青銀杏が繁る鳥居で、町人娘が奉公人らしき少年に内緒話の最中。裾を絞る女性の透けた薄物の生地など、夏らしい装いの演出も粋ですね。(山崎) pic.twitter.com/QfooDLaUzu

2017-09-20 12:11:02
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上村松園《盆踊り》(山種美術館)。限られた色数と筆数ながら、人物の動きを的確にとらえた描写は松園の縮図帳に残された人物図を思わせます。今回出品作の松園作品中で最もサイズが小さく、唯一男性が登場する作品です。(山崎) pic.twitter.com/TeFKMb9fSK

2017-09-21 12:03:56
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肉太な輪郭線で縁取られた橋本明治の《秋意》(山種美術館)。その題名のとおり、秋草を描いた屏風を背景に、紅葉柄の脇息に寄りかかり座る舞妓は秋の訪れを暗示しています。身にまとった着物の文様や帯の色も秋尽くしですね。(山崎) pic.twitter.com/0x5HOLAyKh

2017-09-22 12:07:15
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鈴木春信《梅の枝折り》(山種美術館)は、世界でも数点しか現存が確認されていない稀少な作品。褪色がほとんどない状態の良さも貴重。優美な女性の姿態と、築地塀の瓦を積み重ねた幾何学的な模様との組み合わせが面白い作品。(山崎) pic.twitter.com/s3m5X9JNXI

2017-09-26 12:24:07
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しんしんと降る雪の中、二人の娘が前かがみに道を急ぐ様子を描いた上村松園《牡丹雪》(山種美術館)。京都でよく見られる牡丹雪の質感を巧みに描き出しています。上部の余白の空からは、その広さや冬空の寂しさまでも感じますね。(山崎) pic.twitter.com/x9i3sVNRXt

2017-09-27 12:05:03
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舞い降りる雪の寒さに思わずきゅっと身を縮める娘を描いた上村松園《庭の雪》(山種美術館)。可愛らしいお染髷や、襟袈裟(髪の油が着物につくのを防ぐ布)は江戸時代後半から明治にかけて京娘に流行したものです。(山崎) pic.twitter.com/AaI3cIPS9C

2017-09-28 11:59:34
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紀州の道成寺に伝わる安珍と清姫の伝説を描いた小林古径《清姫》(山種美術館)8面から「寝所」と「清姫」。屏風の陰から安珍の様子をうかがう姿や、長い髪をなびかせ安珍を追う姿を、繊細な線描と鮮明な色彩で表わした作品。(山崎) pic.twitter.com/IwrhSQRg4o

2017-09-29 12:19:32
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展示替えで登場した月岡芳年《風俗三十二相 うるささう 寛政年間処女之風俗》。愛猫の喉元を撫でながら何か語りかける若い女性。 猫はそのしつこさに少し迷惑そう。女性の襦袢の襟とお揃いの首輪も可愛らしいですね。(山崎)@山種美術館 pic.twitter.com/aGB2DgNFVb

2017-09-30 12:10:55
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飛んできた蝶に気づいた女性が、ふと振り向いた瞬間を描いた上村松園《春風》(山種美術館)。燕形の簪や桜花柄の着物など、細部に春の風情が表現されています。女性が結っている「大島田」の髷は、元禄頃に流行したもの。(山崎) pic.twitter.com/TX5EYiU1Q0

2017-10-01 12:06:45
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月岡芳年《風俗三十二相 けむさう 享和年間内室之風俗》で、蚊よけの煙を懸命に団扇で払うのは裕福な家の妻。くつろいだ浴衣姿でも丸髷を結い、身だしなみを忘れません。表現しづらい煙の描写にもご注目。(山崎)@山種美術館 pic.twitter.com/BcejQ5zYa0

2017-10-01 12:20:42
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松岡映丘《斎宮の女御》(山種美術館)は、醍醐天皇の孫にあたる皇女を描いた作品。和歌と琴に秀で、三十六歌仙の一人であった女御の和歌「琴の音に 峯の松風 通ふらし いづれのをより 調べそめけむ」を想起させる図です。(山崎) pic.twitter.com/c5FGGqUwkN

2017-10-02 12:29:58
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月岡芳年《風俗三十二相 しなやかさう 天保年間傾城之風俗》「傾城」とは「花魁」のこと。横兵庫という蝶に似た形の髷に多数の簪や笄や櫛をつけた美女はこのシリーズの中でも最も華やかな図の一つです。(山崎)@山種美術館 pic.twitter.com/hLVf98pnqW

2017-10-02 12:30:35
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和田英作《黄衣の少女》(山種美術館)は油彩画特有の艶のある滑らかな人物の肌の描写やフォルムの構成に英作の確かな技術がうかがえる作品。少女のきゅっと結んだ口元からは、利発で芯の強そうな性格が垣間見られますね。(山崎) pic.twitter.com/KMUZdfW35H

2017-10-03 12:05:20
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月岡芳年《風俗三十二相 みたさう 天保年間御小性之風俗》「御小姓」とは大奥に仕え、御台所の身の回りの世話をする女中。障子の隙間から見えるきらびやかな大奥の世界に興味津々の様子が可愛らしいですね。(山崎)@山種美術館 pic.twitter.com/QVDUuu2fBg

2017-10-03 12:10:32
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今日は中秋の名月『源氏物語』で中秋の名月といえば、「夕顔」の段が思い出されます。森村宜永《夕顔》(山種美術館)は、やまと絵独特の人形のような顔立ちが実に愛らしい少女が描かれた作品。各所に散らされた金銀箔にもご注目。(山崎) pic.twitter.com/DC9TaCMcX8

2017-10-04 12:11:46
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月岡芳年《風俗三十二相 むまさう 嘉永年間女郎之風俗》にも満月が登場します。 遊女はまだ着飾る前のくだけた姿。夜の仕事が始まる前の食事中でしょうか。 エビの天ぷらをおいしそうに食べている姿に笑みがこぼれます。(山崎) pic.twitter.com/ts3l9l3XEC

2017-10-04 12:14:13
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本日はお天気がよければ月の光がひときわ明るく見える日。 橋本明治《月庭》(山種美術館)も月がテーマの作品。 画家自身が「月の光のあの青白い明るさを、いかに絵画化するかと云うことが私の最大の関心事だった」と語っています。(山崎) pic.twitter.com/sKTMAZ8hKF

2017-10-05 12:05:36
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月岡芳年《風俗参十二相 すずしさう 明治五六年以来芸妓の風俗》に描かれた美人さんは、蒸し暑い夏の日に屋形船の上で涼む芸者。 風にふわりとなびく髪や薄手の着物から透けた肌の巧みな表現にもご注目。(山崎)@山種美術館 pic.twitter.com/BJ7BRhnk7C

2017-10-05 12:07:17
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月岡芳年《風俗三十二相 おきがつきさう 明治年間西京仲居之風俗》には提灯に火を灯す料亭の仲居が描かれています。 おき(熾)とは赤くおこった炭火のことで、題名はよく気がつく仲居と掛けているのかもしれませんね。(山崎)@山種美術館 pic.twitter.com/T4cxtZgwSS

2017-10-06 12:06:20
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舞妓がポーズを決めた一瞬を描いた橋本明治《舞》(山種美術館)は、 幻想的な寒色の色づかいの中、帯や扇の金が全体の印象を引き締めています。 舞妓や名妓を数多く描いた明治。 本作も舞妓の内面の美しさまで見事に描き出していますね。(山崎) pic.twitter.com/9Ge7FgSGtE

2017-10-06 12:07:17
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月岡芳年《風俗参十二相 遊歩がしたさう 明治年間妻君之風俗》の 帽子やリボン、洋傘は当時先端のファッションです。 とびきりのお洒落をして、花菖蒲の庭を散歩する女性の姿が生き生きと描れていますね。(山崎)@山種美術館 pic.twitter.com/jeylwUcpPH

2017-10-07 12:04:48
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