日向倶楽部世界旅行編第22話「ダブルディスパッチ!」

ザイアンの遺体が深海棲艦のような怪物となり、日向達に襲い掛かる!恐るべき怪物に対し、彼らは打ち勝つことが出来るのか…!
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三隈グループ @Mikuma_company

ザイアンは深海棲艦さながらの恐ろしい怪物であった、だがよく考えて欲しい!三人が一体誰なのか?彼等の職業が何なのか? そう!彼等は艦娘、それも反攻作戦にも参加していた、深海棲艦退治のプロフェッショナル!深海棲艦もどき一匹の相手など、仕事のうちにも入らないのである!

2017-11-07 21:52:09
三隈グループ @Mikuma_company

「ま、我々も素人ではないという事だな…安らかに眠れよ。」 周囲の様子を確認し、日向も一安心してヒビの入った刀を収める、だがその表情はやや不服なものであった 「うむ…深海棲士、伊勢、連中のバック、結局何も分からずじまいか…」 「怪物の残骸は消えちゃいましたもんね…」

2017-11-07 21:53:17
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砂となったザイアンは最早見る影もない、日向はやれやれと肩をすくめた 「だが奴の消え方が深海棲艦のそれとよく似ていた、というのは大きなヒントになるかもしれないな。」 「確かに」 皆さんご存知の通り深海棲艦は倒すと砂のようになる、彼らの調査が進まない大きな原因がこれであった。

2017-11-07 21:54:15
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二人の会話に初霜も同調する 「姿形も似ていたし、何か関係があるのは間違いないですよね。」 「そうだな…まあ良い、とりあえず船に戻ろう、向こうも片付いたようだしな。」 日向が後方を指差すと、そこには海賊を蹴散らしたヒューガリアンがゆっくりと迫っていた。 〜〜

2017-11-07 21:55:07
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〜〜 ヒューガリアンへと戻った一行は軽くシャワーを浴び、ブリッジへと集まった。 「お疲れー」 コーラ片手に鈴谷が出迎える、ブリッジに居たのは彼女と扶桑だけだった。 「三隈とあきつは?」 「あーそれね…」 日向が尋ねると彼女はコーラを飲み干してから答えた。

2017-11-07 21:56:07
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「ミックは海上保安艦隊の人とお話し中、まあそのうち戻ってくるんじゃないかな。あきつ丸ちゃんは怪我の手当てしてるよ。」 「あきつは一人か?」 鈴谷は口をへの字にして答える 「うん、手当てしようとしたら断られちゃったんだよネ。」

2017-11-07 21:57:11
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あたし何かしたかなァ、と言いつつ鈴谷は新しいコーラを飲む。 続いて扶桑が操縦席を回しこちらを向いた 「三人ともお疲れ様でした。」 そう言って彼女は三人を労う、だがそれを言いたいのは彼等の方であった。 船の変身を間近で見た最上、それによって窮地を脱した初霜が礼を述べる。

2017-11-07 21:58:11
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「だだっ広い甲板にあんなものが隠れてたなんて驚きました。」 「ね」 「私もだ、まさかこの船にあんなものがあるとはな。」 二人に続き日向も感心して頷く、元々客船部以外の設備は充実していたが、本格的な武装まであるとは夢にも思っていなかったのである。

2017-11-07 21:59:09
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だが三人とは対照的に扶桑は残念そうであった 「出来れば使わずに済む事を望んでいたのですが、ああもなってしまえば致し方ありませんでした。悲しいですね」 そう言って彼女は窓の外を見る、外では大破した海賊船が海上保安艦隊によって拿捕されていた。

2017-11-07 22:00:07
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そんなこんなで話しているうち三隈が戻ってきた 「皆さんお揃い…あら、丸ちゃんは?」 一同が事情を話そうとしたその時、あきつ丸が息を切らしてブリッジへ戻って来た。 「はぁ…はぁ…申し訳ない、戻ったのであります。」 「随分疲れてるな、何かあったのか?」

2017-11-07 22:01:08
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日向の問いに彼女は首を横に振る 「い、いえ…迷ってしまっただけであります…」 「あー…自信がない時は誰かに付き添ってもらった方が良いぞ。」 「はい…」 あきつ丸は悔しそうに頷きブリッジの椅子に腰掛ける、身体のあちこちには下手くそな手当ての跡があった。

2017-11-07 22:02:19
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やがて全員が集まった事を確認し、日向が話し始めた。 「まずは出撃ご苦労だった。特に最上、捻挫してる中無理をさせてしまった、すまないな。」 「ネンザ…?あっ!」 日向の言葉を聞くと、最上は思い出したように足を抑えた。 「い、いたた…そうだボク怪我人じゃないか…」

2017-11-07 22:03:11
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蹲って動かなくなる彼女を見て日向は気まずい顔をする 「…言わない方が良かったみたいだな、すまん。」 「い、いえ…出たのはボクの意思なので…は、話を続けてください…いてて…」 「…うむ、まあとにかくお疲れ様ご苦労様だ、それだけは言わせてくれ。」

2017-11-07 22:04:10
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日向は続ける 「とにかく要点だけ話すぞ。まずシドニーでも私と鈴谷を襲ったザイアンという男についてだが、奴は人間でありながら深海棲艦のような姿に変身した、深海棲艦と何らかの関係があるのは確かだろう。」 ここでは深海棲艦のような姿に変身する人間がいた、というのが重要である。

2017-11-07 22:05:13
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「次に伊勢について、奴はとにかく危険だ、何かの組織に属していようがいまいが奴そのものが危険すぎる。もし襲われたら絶対に一人で戦おうとしない事、良いな?」 まるで熊の話でもしているかのようだが日向の言葉に一同は同意した、直接戦った初霜と鈴谷などは特に深く頷いた。

2017-11-07 22:06:14
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そんなこんなで結論 「そういうわけで、シドニーの一件からして我々は結構厄介な連中につけ狙われているらしい、気を付けよう。」 最上達はウンウンと頷く、普通なら気を付けようで済む話ではないのだが、艦娘として戦い続けてきた彼等は肝の座り方が違う、気を付ければ良いのだ。

2017-11-07 22:07:17
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そんな話を鈴谷はコーラ片手に聞いていた (…訳分からんとこに雇われたけど、ここまで肝が座ってりゃゼロについての情報も入って来そうだね…) 「そうだな…観光するときは私や扶桑、鈴谷と行動を共にするのが良いだろう、追い払うことは出来るはずだ。」 「え?」

2017-11-07 22:08:15
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戸惑う彼女に日向は親指を立てる 「先程といいシドニーといいキミは腕が立つ、頼むぞ。」 「お、おう?任しときなよ…?」 鈴谷もつられて指を立てると日向な満足げに頷く、そして話す事が無くなったのを確認してから言った。 「では私からは以上だが…三隈、何かあるんじゃないか?」

2017-11-07 22:09:07
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「ええ、ありがとうひゅーちゃん。」 三隈は礼を述べてから皆の前に立った。 「では私の方から。先程この船が便利になった…と言いましたわね、誤解のないよう予め言いますけれど、戦闘モードは関係なくてよ。」 「そうなの?」 「ええ、一朝一夕であんなものつけられませんわ。」

2017-11-07 22:10:12
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では何なのだろう、皆が注目する中三隈はコンソールをいじり始める。 やがてモニターがウィウィンと降りてきて、そこに海図が大きく表示された。 「フーさん」 「はい?」 「一度補給を受けるため、拠点があるソロモン諸島へ向かってもよろしいかしら?」

2017-11-07 22:11:08
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パラオを発ってからヒューガリアンは補給らしい補給を受けていない、つまり休息を必要としていた。 扶桑は三隈の提案を受け入れ、いつも通り船を動かそうとする…が、それを三隈が制止した。 「三隈さん、どうしました?」 「ふふっ、ここからが肝心ですの、そこに座っていて下さいね。」

2017-11-07 22:12:07
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三隈は悪戯っぽく笑いコンソールを操作する、すると海図に現在地から目的地へ細かな線が引かれた。 「三隈、これはナビか何かか?」 日向が尋ねると、彼女はちっちっちと指を振る 「そんなものじゃありませんわ。3、2、1…」 スイッチ、オン!三隈はパネルのボタンを押した!

2017-11-07 22:13:42
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するとどうだろう、ヒューガリアンのエンジンが起動しゆっくりと進み始めたのである!ちなみにこの間、扶桑は何もしていない! 「…三隈さん、これは?」 「ふふふ、ヒューガリアンに自動航行システムを組み込みましたの。」 「自動航行システム?」 一同が驚くと三隈は得意げに話す

2017-11-07 22:14:23
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「そう、速度は少し落ちますけれど安心安全、フーさんがここに常駐する必要がなくなりますわ」 「まあすごい…」 突如実装されたテクノロジーに扶桑は驚き、同時に訊ねた 「でも何故この様なものを?私はここで構いませんのに…」 何とも奥ゆかしい問いに、三隈は首を横に振って応えた。

2017-11-07 22:15:07
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「…私含めここにいる皆さん、貴女が航海中ここに籠っているのが気になってましたの。」 そうよね?と言うとその場の全員が頷く 「初めにモガミンと初ちゃん、次にひゅーちゃん、丸ちゃん、最終的には鈴谷さんまでその話をしてきましてね。」 「まあ…」 扶桑は感慨深そうに皆を見る。

2017-11-07 22:16:07