ハードSF読書会 選択肢リレー小説「Surrounding Robots」(第五回)

@theodoorjp さん率いる「ハードSF読書会」のメンバーで、「選択肢リレー小説」という語りの新しいリレー小説の形を始めました。 第一回「吾輩はネコであった。」 http://togetter.com/li/1042483 第二回「星の歌、くじらの歌」 続きを読む
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takako ouchi @raizo

#improSF ワレルカは、この街のロボットの反乱を検知した当局が送り込んだ解決人だったのだ。いまのロボットは人間を精密にシミュレーションし、人間のような暮らしをするアンドロイドと、人間の代わりに雑役をこなすタイプのロボットに二極化しているのだ。

2017-11-11 01:26:32
takako ouchi @raizo

#improSF なぜなら、少子高齢化で子どもが生まれなくなって社会が維持できないからだ。地球連邦政府は行政として、アンドロイドを使って社会を維持しつつ、少しずつ人工を増やす施策に出たのだ。

2017-11-11 01:26:58
takako ouchi @raizo

#improSF ロボット間の格差は当然、このような事態を生むことが予想された。そのときのために、300年前、博士が仕込んだのがこれだ。ワレルカは、倉庫の扉を開け、両手を上げて外に出ていった。ある歌を歌いながら。すると、雑役ロボットたちは動きを止めた。

2017-11-11 01:32:22
takako ouchi @raizo

#improSF 博士が雑役ロボットに仕込んだのは、ある歌だ。子守唄代わりに、博士の研究室に流れていた歌だ。合成音声ではなく、人間の声帯だけが出せる階調、これで元の状態に戻るようプログラムされている。ワレルカは、止まってしまったロボットを愛おしそうに抱きしめた。(了)

2017-11-11 01:33:56