ハードSF読書会 選択肢リレー小説「Surrounding Robots」(第五回)

@theodoorjp さん率いる「ハードSF読書会」のメンバーで、「選択肢リレー小説」という語りの新しいリレー小説の形を始めました。 第一回「吾輩はネコであった。」 http://togetter.com/li/1042483 第二回「星の歌、くじらの歌」 続きを読む
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三宅陽一郎MiyakeYouichiro @miyayou

#improSF ツイッター選択肢リレー小説始めます。よろしくお願いいたします。

2017-11-10 23:40:10
三宅陽一郎MiyakeYouichiro @miyayou

#improSF そこは海辺の倉庫。夜の底で人々は街中の争いから逃れていた。疲れきった手足を伸ばし、ほっと一息ついたところ、急に大きな音がした。

2017-11-10 23:46:00
三宅陽一郎MiyakeYouichiro @miyayou

#improSF 音は倉庫の外から響いている。ロボットたちが攻めて来たのだ。人々は

2017-11-10 23:48:04
Koujiro Seo / newQ / ニューQ編集長 @theodoorjp

#improSF ある物が外をのぞいた。外にいるのは普段目にする清掃用ロボットだった。ただいつもと違うのは15体ほどまとまって倉庫の前にいるということだ。こちらを見張っているのだろう。どの個体も掃除をしながら顔だけはこちらを向いていた。

2017-11-11 00:01:21
Koujiro Seo / newQ / ニューQ編集長 @theodoorjp

#improSF 「なんで入ってこないのだろう?」倉庫まで逃げて来た人々と肩を寄せ合いながらワレルカは呟いた。「建物の中は清掃マップに入っていないからだと思う」、となりにいたのは

2017-11-11 00:02:06
takako ouchi @raizo

#improSF そう呟いたのは、ワレルカの隣にいた女の子だ。なるほどマップにない、から入ってこれない、か。近くにいる、おそらく同じ街の、近くに住んでいるのだろう、顔見知りの人間たちも「そりゃそうだ」と安心し始めたようだ。

2017-11-11 00:10:04
takako ouchi @raizo

#improSF 「とりあえずは、ここで様子を見てようじゃないの。事の次第を、さ」 「だいたい、何もできやしない。コマンドを入れていないだろう?」 「朝には、何もできずに解散するさ」 倉庫の中の空気は一気に和んでいった。 だが、一人がこう言った。 「だけど、あんた、見かけないね?」

2017-11-11 00:15:58
三宅陽一郎MiyakeYouichiro @miyayou

#improSF 女の子は言った。 「私はあなた方を助けに来た。あのロボットたちは今、戦闘型ロボットを呼んでいる。」 目には怯えがあった。 「こんな倉庫ひとたまりもない」

2017-11-11 00:20:14
三宅陽一郎MiyakeYouichiro @miyayou

#improSF 女の子は言った「今、ロボットたちは間違った知識を植え付けられて暴走している。彼らを冷静にする手段が一つだけある。 」 長老が言った「教えてくれ!」 女の子は言った「知らない。でも人間ならわかるはずだ。」

2017-11-11 00:22:59
三宅陽一郎MiyakeYouichiro @miyayou

#improSF 「このロボットの設計者の人間は、その設計の中に彼らを糺す機構を組み込んでおいた。同じ人間ならわかるはずだ!」倉庫の中がどよめいた。どうやって探せいいのか?

2017-11-11 00:25:27
Koujiro Seo / newQ / ニューQ編集長 @theodoorjp

#improSF 「博士に聞くことができれば…。博士の名前はわかる?」タブレット端末で調べようと女の子に聞いた「それが、分からないの…」そうすると後ろの男がいった「おい、お前もロボットなのか?」倉庫の壁を壊そうとする音が鳴り響いた!「ち、ちがうわ…」

2017-11-11 00:33:54
takako ouchi @raizo

#improSF そのとき、女の子を守るように倉庫の隅から猫が飛び出した。シャーっといきり立って、耳も尻尾も逆立てて怒っている。「お前、ここに紛れ込んで何かしようとしているんだろう?」猫と女の子の周りを囲み、寄ってたかって責め始めた。

2017-11-11 00:43:36
takako ouchi @raizo

#improSF なんてことだ。ワレルカはおもむろにタブレットを取り出した。「もしもし、ちょっと聞きたいことがある。例の秘密コマンドが必要なんだ。教えてくれ!」

2017-11-11 00:50:37
三宅陽一郎MiyakeYouichiro @miyayou

#improSF 「無駄だ」猫はタブレットに飛び乗って言った「いいか、聴け。我がマスター、ロキンド博士のことは知っているな。すべてのロボットの基礎設計はか我がマスターが行なった。しかし、彼は300年前に世を去った。」 沈黙が倉庫を支配した。

2017-11-11 00:58:36
三宅陽一郎MiyakeYouichiro @miyayou

#improSF 猫は言い続けた「だが、不測の事態に備えて、ある仕方をすれば、ロボットたちを平静に戻すことができる。元に戻す以上に一段と人間を理解できるようになる」

2017-11-11 01:00:12
三宅陽一郎MiyakeYouichiro @miyayou

#improSF 片隅の男が言った「なぜそんなことを知っている?」 猫はおもむろに言った。 「俺とこの女の子ティナは博士と一緒にいた。でも、博士は俺たちには答えを教えてくれなかった。博士は言っていた」

2017-11-11 01:04:24
Koujiro Seo / newQ / ニューQ編集長 @theodoorjp

#improSF 「『人間ならわかる』とはどういう意味なのか…」長老がつぶやくと、外から発砲音が聞こえて来た。「ロボットが人を襲うとは…」。「答えが分かったかもしれない…」ワレルカはおもむろに気づいて立ち上がった。女の子が振り向いた

2017-11-11 01:18:00
Koujiro Seo / newQ / ニューQ編集長 @theodoorjp

#improSF 「悪いが、この中で人間なのは俺だけなんだ」。「何を言ってるんだ!」後ろの男が喚いた。それを証明してみせるにはこうするしかない。

2017-11-11 01:18:46