蔵臼 金助選 #1日1本オススメ映画 “恋愛ドラマ篇”

男が女を愛するだけに留まらず、男が男を、女が女を、あるいは人が人でないものを愛する、広義の恋愛映画を抽出しました。
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蔵臼 金助 @klaus_kinske

『ルナ』 トーマス・ミリアン、ADDIO。 母性の象徴“ルナ(月)”がタイトル。父親不在のこの映画でミリアンの存在は影が薄いが、ヴィットリオ・ストラーロの撮影が大変美しい、ベルトルッチの心象風景。雲に見え隠れする月の如く、危ういテーマが繊細に扱われている。 #1日1本オススメ映画 pic.twitter.com/paYhHCuZpQ

2017-03-25 13:30:21
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蔵臼 金助 @klaus_kinske

『さすらいの二人』 モデルガン屋で店長と映画談義してたら話しかけてきた男がいた。好きな映画が『ビッグガン』『さすらいの二人』で、2作共勤務先でDVD化したこともあり、仲良くなったのだ。だからこの作品は私の中でその後急逝した彼、田中冬星の記憶と切り離せない。 #1日1本オススメ映画 pic.twitter.com/kzDNfnQaHZ

2017-03-27 17:08:10
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蔵臼 金助 @klaus_kinske

『赤道』 三軒茶屋の名画座で『デルス・ウザーラ』他、3本立ての1本として観たもんだから、見事に消化不良。いちばん退屈だったのに、いちばん後々まで脳内にだらだらと居座っていましたよ。シムノン原作のせいか、ゲンズブールにしては居住まいを正して創り上げた印象。 #1日1本オススメ映画 pic.twitter.com/HeHs2YqlKW

2017-04-02 15:56:08
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蔵臼 金助 @klaus_kinske

『マドモアゼル』 みんな、楽しいお伽話だよう。蛇とか兎とかケモノも出てきて、森の中で愉快な話が繰り広げられるよう。…だが、脚本はジュネとデュラスで、演じるのはジャンヌ・モローだ。震撼。鑑賞後は『リンゴ・キッド』の間抜けな保安官を思い出し、心を落ち着ける。 #1日1本オススメ映画 pic.twitter.com/o5zTGLHisc

2017-04-04 18:58:17
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蔵臼 金助 @klaus_kinske

『パリの恋人』 5〜60年代の映画で最もサクセス・ストーリー、シンデレラ・ストーリーの似合った女優、ヘップバーン。彼女の出演作は卵の片手割りからグラスを尻ポケットに入れてはいけない迄、学ぶことが多い。本作に出てくるのは、活字中毒者が夢見る理想の古本屋だ。 #1日1本オススメ映画 pic.twitter.com/LzAmoGFX7r

2017-04-13 09:51:50
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蔵臼 金助 @klaus_kinske

『外科室』 麻酔をかけられるとうわ言で秘密を吐露してしまうから、麻酔無しで執刀して欲しいと伯爵夫人は言う。趣味の悪い泉鏡花の話を、坂東玉三郎が趣味の良い配役で耽美に描く文化財の様な短編。鼻が低いのにイケメン、加藤雅也が執刀医だったら、麻酔無しでもトロンだ。 #1日1本オススメ映画 pic.twitter.com/fhNkbdAaUK

2017-04-27 18:36:55
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蔵臼 金助 @klaus_kinske

『昼下りの情事』 およそ“情事”という単語が似つかわしくない、背伸びする小娘のヘプバーンはいいとして、プレイボーイのゲイリー・クーパー、父親役のモーリス・シュヴァリエという配役の妙。うっとり観続けてると、判ってはいるんだけど、胸を打つラストが待ってます。 #1日1本オススメ映画 pic.twitter.com/ETyn2zemvT

2017-05-04 10:30:18
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蔵臼 金助 @klaus_kinske

『アノマリサ』 ハイパーリアリズムの絵画みたいに写真とは異なる微妙な空気感。悪夢を延々観てるかの様な、フィリップ・K・ディックの小説を読んでいるかの様な、幻視と孤独、虚無感でデコレーションされたストップ・モーション・パペット・アニメ。声優が3人にヒントが。 #1日1本オススメ映画 pic.twitter.com/FGK9No8omp

2017-05-11 19:57:35
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蔵臼 金助 @klaus_kinske

『旅情』 ロマンティックなヴェネチアを舞台に描かれる、想像よりも辛辣な古典メロドラマ。ロッサノ・ブラッツィはこの映画でイタリア男のイメージを定着させ、キャサリン・ヘプバーンは美人じゃないのに(重要)魅力的に見える場面と「ハイ・ミス」の悲哀を演じ分けて見事。 #1日1本オススメ映画 pic.twitter.com/YlHT8yAsi5

2017-05-12 01:24:59
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蔵臼 金助 @klaus_kinske

『モロッコ』 '50年代のゲーリー・クーパーの方に馴染みがあったので彼には実直な印象があり、『昼下がりの情事』は大胆なキャスティングと思っていたのです。この映画を観るとそうでもないね。ロマンティシズムが機能していた頃の映画。ドロンでリメイクして欲しかった。 #1日1本オススメ映画 pic.twitter.com/c3diUpUqBC

2017-05-29 10:41:17
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蔵臼 金助 @klaus_kinske

『七年目の浮気』 ウォーホルは彼女をモダンアートにし、この映画における有名なシーンから、彼女の名は学術用語にさえなっている。ビリー・ワイルダーにしてはいまひとつノリの悪いコメディだけど、マリリン・モンローの代表作。トム・イーウェルがイケメンでないのが良い。 #1日1本オススメ映画 pic.twitter.com/x18VyyzoPY

2017-06-01 00:41:38
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蔵臼 金助 @klaus_kinske

『アメリカン・ビューティー』 アメリカの中流家庭のホームドラマに病み要素を十二分に練り込み、デヴィッド・リンチとはまた異なる切り口で英国の俊英が病巣を抉り、悪夢を見せる。また、演じている俳優がくせ者揃いなものだから、いたたまれなさと言ったら天下一品なのだ。 #1日1本オススメ映画 pic.twitter.com/G2fhXx2NeZ

2017-06-02 00:19:10
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蔵臼 金助 @klaus_kinske

『O嬢の物語』 古典ポルノの映画化です。観てて「あれ?」と思ったのは、コリンヌ・クレリーのミスキャストぶりではない。原作に無い『アリス』の引用が台詞に出てきたからだ。やはり、脚本はセバスチャン・ジャプリゾ。終わらせ方もステファン卿が往生しちゃう工夫あり。 #1日1本オススメ映画 pic.twitter.com/u6XdKQCMNa

2017-07-04 19:30:21
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蔵臼 金助 @klaus_kinske

『お嬢さん』 変態性欲百花繚乱でもう大変。淫靡で妖しい覗き窓から伺う大人のお伽噺から一転、自由を求める女たちの掃き溜めに鶴的な爽快かつ感動的なエンディングで唸ります。パク・チャヌクにはぜひこの設定、このセットを活かしての『O嬢さんの物語』リブートを希望。 #1日1本オススメ映画 pic.twitter.com/CM4b9ahJfo

2017-07-09 09:54:32
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蔵臼 金助 @klaus_kinske

『地獄愛』 不快な登場人物、グロテスクで生々しい描写、実話に基づく残酷な展開を、ざらついた質感と硬質なタッチで見せる純愛物語。今後、この監督(『変態村』『変態島』)の作品はディック・フランシスの漢字二文字競馬小説の様に、漢字三文字でキメて頂きたい。 #1日1本オススメ映画 pic.twitter.com/oFLPnNcMGi

2017-07-10 19:38:17
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蔵臼 金助 @klaus_kinske

『天国の日々』 サム・シェパード R.I.P. 鬼才テレンス・マリックが撮ったこの世で最も美しい映画。『地獄の逃避行』の延長線にある“マジック・アワー”に集中して撮られたバラッド。モリコーネの音楽とN・アルメンドロスの撮影で、天国に連れて行かれそうになる。 #1日1本オススメ映画 pic.twitter.com/lNqZSREpSb

2017-08-01 01:28:17
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蔵臼 金助 @klaus_kinske

『個人教授』 観たのが高校生だったものだから観終わった後、居ても立っても居られなくてね。いや、現実世界では何も起こらないのであるが。 美女の後ろにいるのがロベール・オッセンだよ。カタギには見えないよ。私だったら尻尾巻くが、この映画の主人公は度胸があるのだ。 #1日1本オススメ映画 pic.twitter.com/HllcI7pY0G

2017-08-01 22:43:20
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蔵臼 金助 @klaus_kinske

『美女と野獣』(2017) 銃と復讐に生きる私の前に、「でずにー」「ミュージカル」の2つの試練が立ちはだかる。「『ゴッド・アンド・モンスター』のビル・コンドンだ。大丈夫。戦える」…でずにーフォーマットに見え隠れする監督のゴス趣味に助けられつつ、無事鑑賞。 #1日1本オススメ映画 pic.twitter.com/qzGB8gKZBx

2017-08-05 03:14:15
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蔵臼 金助 @klaus_kinske

『ティム・バートンのコープスブライド』 他のティム・バートン作品同様、隅々まで美しいもの、気味悪いもの、感動的なもの、哀しいものが詰まってます。観る度に一つ一つ骨をしゃぶる様に味わえる、愛しい作品です。アニメとして完成されていますが、実写化したのも観たい。 #1日1本オススメ映画 pic.twitter.com/x7kY6L06Ko

2017-08-08 01:21:14
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蔵臼 金助 @klaus_kinske

『黒いオルフェ』 フランス人がラテンの狂騒で描く愛と死の物語。リオのカルナヴァルを背景にギリシャ神話のオルペウスとエウリュディケーの伝説が描かれる。妻の亡骸を抱きかかえながら彷徨う男の幻影はアイコンとなり、『イングリッシュ・ペイシェント』にまで継承された。 #1日1本オススメ映画 pic.twitter.com/xTTmY0tUPL

2017-08-09 01:45:45
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蔵臼 金助 @klaus_kinske

『ワン・フロム・ザ・ハート』 ハリー・ディーン・スタントン、ADDIO。 彼は本作でもナスターシャ・キンスキーと共演してたね。ストラーロの魔法でセットが夢の中の街の様になり、ああそうか。トム・ウェイツの音楽でもミュージカルを作れるんだと目からうろこの逸品。 #1日1本オススメ映画 pic.twitter.com/dqmKH1UiW4

2017-09-16 08:47:15
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蔵臼 金助 @klaus_kinske

『アンジェラ』 「人に愛されたことのない人間は自分を愛することもできない」 まるでピグモンを擬人化した様な借金まみれの小男が絶望し、河に飛び込もうとする。そこに遣わされたのは、娼婦の格好をした天使だった。リュック・ベッソンがモノクロームで描く淡い男の幻想。 #1日1本オススメ映画 pic.twitter.com/mCaC6YX50x

2017-09-22 00:50:43
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蔵臼 金助 @klaus_kinske

『つぐない』 慰安マキューアン原作とか言って、彼の著作は決して癒されることの無い作品ばかりですが、中でも重量級の悲劇に仕上がってます。少女の悪意が恋人たちを引き裂き、ダンケルク撤退を絡めた歴史の運命に翻弄させます。ヴァネッサ・レッドグレーヴの圧倒的存在感。 #1日1本オススメ映画 pic.twitter.com/lPEik9cs8h

2017-09-23 18:01:37
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蔵臼 金助 @klaus_kinske

『ぼくのエリ 200歳の少女』 孤独な少年が、隣に越して来た異形の者との幼い恋に堕ちる。北欧の美しい風景を端正に切り取った背景で描かれる孤高な魂同士の触合いは美しく、誌的で哀切感に満ちている。設定は意外にオーソドックスな吸血鬼ものだが、観たことのない傑作。 #1日1本オススメ映画 pic.twitter.com/z6yYa2sdxK

2017-09-24 10:58:58
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蔵臼 金助 @klaus_kinske

『白夜』 体感温度の非常に低い恋愛劇です。何しろブレッソンだもの。終始、冷ややか。ハンマースホイ度増し増し。「マルト、マルト、マルト…」'70年代だから、カセットテレコだよ。何故か『ベイビー・ドライバー』観た時に、この映画の主人公を思い出しちゃったな。 #1日1本オススメ映画 pic.twitter.com/wFh0ZOsmKp

2017-09-25 23:37:47
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