「マンガの読み方」シンポジウム~漫画研究の黎明期を振り返る
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明日は学習院大学で私も参加した伝説のマンガ研究書「マンガの読み方」の初シンポジウム。 twitter.com/gaku_cscvroff/…
2017-11-24 13:03:45【会場の教室が変更になりました!】マンガ研究フォーラム「マンガ批評/研究の転換期―1995年、『マンガの読み方』の成立過程とその時代」2017年11月25日(土)13時半~。西5号館B1教室。詳細はこちら→www-cc.gakushuin.ac.jp/~cscvroff/conf… pic.twitter.com/M77AZPDdzp
2017-10-31 14:32:48宝島社から1995年に出たこの本、夏目房之介氏を中心にアマチュアマンガ研究者が集まって(当時は殆どアマチュアしかいない時代だった)93年から勉強会を開き、2年間の成果をまとめたものである。本は完売したのだが何故か増刷されず、その後何度も出た復刻プランがことごとく潰れた謎の本。
2017-11-24 13:07:18「マンガの読み方」はその後アカデミズムで台頭した「マンガ表現論」の最初の本とされ、マンガ研究家の必携の基本文献となっているが、何故か復刻の話が出ては潰れる。この本の後、夏目氏はマンガ評論家の第一人者として大学で教鞭をとるようになった。
2017-11-24 13:10:55夏目さんには敵わないと思ったのは事実だが、評論家を断念したのはそれだけではない。夏目さんはこの本を1つのターニングポイントにして、漫画の実作者から研究家・評論家に方向を転じたが、私は実作にまだ未練があったことが大きい。常に私の脳裏にあったのは、新しい漫画の描き方だった。
2017-11-24 13:41:58夏目房之介氏を嚆矢とするマンガ表現論は、コマ割や作画などの「マンガ表現の仕組み」を解き明かそうとする研究だが、夏目氏は手塚治虫の表現研究から始まっていて、「漫画史研究」の要素が強い。その後現れた他の研究者も、基本的にそれを踏襲している。
2017-11-24 13:52:21現在のマンガ表現論は、事実上漫画表現史なので、歴史研究の延長線上にある。なので研究対象は「漫画の過去から現在までの表現」になる。私は研究の現場から離れて久しいので、現在どうなっているかの知識が乏しいから、また違って来ているかもしれないが、少なくとも2000年代初頭まではそうだった。
2017-11-24 14:05:10私は「漫画史」を研究するとなると、一生ものの研究になると思った。私は「実作」への関心が断ちがたかったので、始まったばかりの漫画表現論から「漫画の未来の研究」に繋げたいと考えたが、その考えは主流にならなかった。なので、漫画研究の現場から距離を置いた、というのが正直なところである。
2017-11-24 14:10:02「マンガの読み方」は画期的な初期研究だったと思う。我々のが最初に取り組んだことは、まずは漫画表現の中で、まだ名称が付いてなかったものに対して名前を付ける作業だった。漫画特有の記号表現に「形喩」と名付けたり、コマとコマの間の空間をなんと呼ぶか、といったような基本用語だ。
2017-11-24 14:25:08「マンガの読み方」は画期的な初期研究だったと思う。我々のが最初に取り組んだことは、まずは漫画表現の中で、まだ名称が付いてなかったものに対して名前を付ける作業だった。漫画特有の記号表現に「形喩」と名付けたり、コマとコマの間の空間を「間白」と呼ぶ、といったような基本用語だ。
2017-11-24 14:27:15形喩も間白も夏目房之介氏による命名。私はそれ以前に「サルまん」で「漫符」という言葉を考案していて、「マンガの読み方」でも「漫画特有の記号表現を漫符、集中線などの表現を効果」として私の原稿では使っているが、現在のマンガ表現論では普通は漫符と呼ばずに形喩が正式な学術用語である。
2017-11-24 14:31:54こうした作業をやりながら、私は夏目さんに「私達かやっているこの作業は、杉田玄白の『ターヘル・アナトミア』(解体新書)の翻訳作業みたいなものですね」と言ったことを覚えている。
2017-11-24 16:28:46明日は学習院開催の「マンガの読み方」シンポジウムに参加します。最近マンガ研究関係のフォローを増やしているのでTLの参加率はかなり高そう。いろいろな方にお会いしたいなと思っているので会場や懇親会で声をかけていただけたら嬉しいです。顔出ししているのでこういう時は便利…なのかな?
2017-11-24 22:15:57今水面下で進めている案件がものすごくマンガと関わる内容でこのジャンルを勉強中です。博論と別件の仕事、時代はズレますがどちらも少女マンガの知識が必要で勉強不足を実感しつつ調査をしています。
2017-11-24 22:31:14学習院の「マンガの読み方」シンポの前にまだ読めてなかった三輪健太朗「忘却の人、蓮實重彦」(『ユリイカ 総特集 蓮實重彦』)を。蓮實重彦と夏目房之介のガチ比較。 ift.tt/2jkcZfE pic.twitter.com/kUKnCBEqhJ
2017-11-25 11:36:29『マンガの読み方』の成立過程についての、学習院大学のシンポジウムが本日開催されるので、いま向かっているところ。発売中のユリイカ志村貴子特集の拙論は、マンガ表現論の、とくに手塚原理、少女マンガ原理という主張を意識して書いているので、これは行かないわけにはいきません。
2017-11-25 12:04:14学習院の「マンガの読み方」シンポジウム。95年4月、僕は入学後すぐこの本を買い、漫研でいっぱい議論をした。会場の西5号館もその当時に建ったものだ。22年後、夏目さんは学習院教授になり、僕は夏目さんの担当を経てマンガ研究界隈にいる。 pic.twitter.com/ZZngX2Ob3A
2017-11-25 15:05:47小形克宏「手持ちの資料でどれだけ早く本を作るか。だから、ほとんど覚えてない」。編集者からするとほんとこれ。「締め切りに追われ歴史を作り」(PUNPEE「タイムマシーンにのって」)って感じだよねえ。#マンガの読み方
2017-11-25 15:11:15資料を見ると、かなりの数の研究会をやってる。こういう本の作り方は今では難しいかも… #マンガの読み方
2017-11-25 15:15:58