神戸大学・山内知也教授の論文「東京電力福島第一原発事故後の延べ100人の子どもの 尿中の放射性セシウム濃度測定結果」をめぐって

とりあえずまとめました。 論文はここから無料で読めます。 http://www.lib.kobe-u.ac.jp/repository/81009860.pdf
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nao @parasite2006

久しぶりに神戸大学大学院海事科学研究科(旧神戸商船大)の山内知也教授(2012年2月に「福島市長が山形市から通勤」と講演でしゃべって本人から事実無根と抗議され謝罪した人)の名前を見たと思ったら、こどもの尿を測定して神戸大学紀要に論文lib.kobe-u.ac.jp/repository/810…

2017-12-08 09:52:23
nao @parasite2006

紹介記事の見出しだけ見て「神戸大山内教授が子供の尿からセシウム検出」lib.kobe-u.ac.jp/repository/810… と拡散する前に、中を読んで実数値(全員1 Bq/kg未満)と検出限界(約0.1 Bq/L)を確認し、体内蓄積量の計算をtogetter.com/li/646851

2017-12-08 09:59:12
まとめ habari2011dunia さんの「放射性物質の体内残留量グラフ」の使い方 @habari2011dunia さんが作って下さった便利なページ「放射性物質の体内残留量グラフ」 http://bl.ocks.org/habari2011dunia/7643845 は食べたり飲んだり(経口摂取)した放射性セシウムの体内蓄積量の時間変化をたちどころにグラフに表示してくれます。WWWブラウザーがあれば誰でも使えていろいろな量を求めることができますので、使い方をご紹介します。ページを開いてこのまとめを見ながらぜひ使ってみて下さい。 1)ホールボディカウンター(WBC)検査の測定値から1日あたりの摂取量を求める 2)陰膳調査の結果から体内蓄積量を求める 3)尿検査結果から体内蓄積量と1日あたりの摂取量を推定する 44187 pv 1973 2 users 21
nao @parasite2006

「神戸大山内教授が子供の尿からセシウム検出」lib.kobe-u.ac.jp/repository/810… の論文の実数値は全員1 Bq/kg未満、一方1959-1964年の日本の中学生の尿中Cs137濃度は0.5-4.7 Bq/kge-peace.hum.ibaraki.ac.jp/yakkai/120611n… p.21)

2017-12-08 10:06:53
nao @parasite2006

「神戸大山内教授が子供の尿からセシウム検出」lib.kobe-u.ac.jp/repository/810… の測定値を見る時もう一つ注意しないといけないのは、尿比重が極端に低かった場合尿比重補正後の測定値が跳ね上がってしまうこと。(汗をかけば濃縮され、水を大量に飲めば希釈される)

2017-12-08 10:11:36

(計算例その1)

nao @parasite2006

尿中Cs137濃度から体内蓄積量を計算する例。山内教授論文lib.kobe-u.ac.jp/repository/810… p.5、図5の10歳の女の子の4回の測定値(約0.14-0.27 Bq/L)を平均0.2 Bq/Lとみなし動くグラフtogetter.com/li/646851 に乗せる

2017-12-08 10:26:12
nao @parasite2006

まず動くグラフbl.ocks.org/habari2011duni… でモデル=ICRP、対象=10歳、核種=セシウム137、縦軸=尿中濃度と設定して(他は変更不要)リターンキーを押すと1日1 Bqずつ摂取した場合の定常状態の尿中濃度が「0.667 Bq/L」と欄外に表示される。(続く)

2017-12-08 10:39:23
nao @parasite2006

(続き)1日1 Bqずつ摂取で定常状態の尿中濃度が「0.667 Bq/L」なら、定常状態の尿中濃度0.2 Bq/Lに対応する1日摂取量は0.2/0.667 Bq/日=0.29 Bq/日と出る。計算の便宜上以後の計算では1日摂取量を0.3 Bq/日とする。(続く)

2017-12-08 10:40:42
nao @parasite2006

(続き)次に動くグラフbl.ocks.org/habari2011duni… の縦軸を「体内残留量」に切り替え、「慢性摂取」の文字の下にある1日あたり摂取量の設定値を「0.3」としてリターンキーを押すと、欄外に表示される定常状態のCs137の体内残留量は15.8 Bq/body。(続く)

2017-12-08 10:54:40
nao @parasite2006

(続き)10歳の女の子の尿中Cs137濃度が0.2 Bq/L(1年3ヶ月間の4回の測定の平均)の場合の定常状態の体内蓄積量が15.8 Bq/bodyなのに対し、この子の体内にはこれよりざっと2桁多い2.01×10^3 Bq/bodyのK40が存在。(続く)

2017-12-08 11:12:39
nao @parasite2006

(続き)twitter.com/parasite2006/s… Cs137の体内蓄積量の2桁上のK40が存在している状況で、たとえ尿中Cs137濃度が倍に増えたところで意味のある変化と言えるだろうか?山内教授論文lib.kobe-u.ac.jp/repository/810… の数値はこういう目で見るべし

2017-12-08 11:19:33

(計算例その2)

nao @parasite2006

もうひとつ、山内教授論文lib.kobe-u.ac.jp/repository/810… p.5、図7の6歳の女の子のケース。最初の測定が検出限界割れしたのをゼロ扱いし(検出限界値いくらかも明示せず)、2回目以後ジリジリと上昇するのを見せて見る人を不安に陥れるグラフだが、最終回は0.16 Bq/L

2017-12-08 11:31:36
nao @parasite2006

体内蓄積量を出すにはまず動くグラフbl.ocks.org/habari2011duni… でモデル=ICRP、対象=5歳、核種=セシウム137、縦軸=尿中濃度と設定して(他は変更不要)リターンキーを押すと1日1 Bqずつ摂取した場合の定常状態の尿中濃度が「0.3 Bq/L」と欄外に表示。

2017-12-08 11:36:23
nao @parasite2006

twitter.com/parasite2006/s… 5歳の女の子が1日1 Bqずつ摂取で定常状態の尿中濃度が「0.3 Bq/L」なら、尿中Cs137濃度0.16 Bq/L(4回の測定の最終回に出た最大値)に対応する1日摂取量は0.16/0.3 Bq/日=0.53 Bq/日(続く)

2017-12-08 11:44:17
nao @parasite2006

(続き)次に動くグラフbl.ocks.org/habari2011duni… の縦軸を「体内残留量」に切り替え、「慢性摂取」の文字の下にある1日あたり摂取量の設定値を「0.53」としてリターンキーを押すと、欄外に表示される定常状態のCs137の体内残留量は15.7 Bq/body(続く

2017-12-08 11:51:34
nao @parasite2006

(続き)6歳の女の子の尿中Cs137濃度が0.16 Bq/L(4回の測定の最終回の最大値)の場合の定常状態の体内蓄積量(計算の便宜上年齢は5歳とした)が15.7 Bq/bodyなのに対し、この子の体内にはその約75.7倍の1.19 ×10^3 Bq/bodyのK40が存在。

2017-12-08 11:59:53
nao @parasite2006

6歳の女の子(計算に使用したモデルの年齢が5歳刻みなので計算時は5歳と想定)は先に計算した10歳の女の子に比べて体が小さい分筋肉量が少ないから、その分K40の体内存在量が小さく、Cs137量に対するK40量が小さくなる。

2017-12-08 12:52:41

(ツッコミその1:チェルノブイリ膀胱炎論文は恣意的な引用が問題の不幸な論文)

nao @parasite2006

「神戸大山内教授が子供の尿からセシウム検出」lib.kobe-u.ac.jp/repository/810… の測定値を見る時もう一つ注意しないといけないのは、尿比重が極端に低かった場合尿比重補正後の測定値が跳ね上がってしまうこと。(汗をかけば濃縮され、水を大量に飲めば希釈される)

2017-12-08 10:11:36
TBDD(モデルナ4回接種済) @TBDD_yahoo

@parasite2006 @ishida5235 参考文献にどなたかのブログがあるだけで、非常に香ばしく思えるのですが…

2017-12-08 12:49:41
nao @parasite2006

@TBDD_yahoo @ishida5235 同感です。大学の紀要は査読がなく著者が書いた原稿がそのまま印刷されますからねえ。だから津田論文journals.lww.com/epidem/fulltex… とかチェルノブイリ膀胱炎論文academic.oup.com/carcin/article… でも引用できる

2017-12-08 13:02:08
nao @parasite2006

@TBDD_yahoo @ishida5235 あ、今たまたまチェルノブイリ膀胱炎論文のその後の展開を知りたくてググっていたら、ウクライナと共同戦線を張っていた大阪市大医学部の病理の教授だった福島先生の文章cbims.net/doc/pdf/%20fil… が見つかりました(続く)

2017-12-08 13:34:40

(↑短い文章ですのでこの機会に是非ご一読を。チェルノブイリ膀胱炎論文を読むなら並べて読むべし)