風化ーナノスケールからグローバルスケールまでー(地学雑誌126巻3・4号 ) pic.twitter.com/cJDBbz2Nlb
2017-12-20 16:32:57風化:地表付近の岩石・鉱物が水・大気・熱・微生物等の物理的・化学的作用を長期にわたり受けることにより分解され変質する現象。石造建築物や文化遺産の破砕や保存,地盤災害の予測や対策など,応用研究でも注目されている。 pic.twitter.com/ToOlv9mT4L
2017-12-20 16:34:44基礎編(微視的風化と基礎研究):微視的な風化現象や風化のメカニズム。各風化作用に分けた議論。 応用編(巨視的風化と応用研究):自然地形や石造建築物にみられる巨視的な風化現象等。さまざまな風化作用が混在する環境を対象。 pic.twitter.com/QE8AZD3WrZ
2017-12-20 16:36:30風化勉強会第1回では、地形学で積み重ねてきた理論・実験・観測研究のレビューから入り、顕微鏡スケール~肉眼スケールの微視的風化として、溶解・沈殿、移流・拡散、反応―輸送過程の数値計算、岩体内の飽和帯・不飽和帯の水移動、水―岩石相互作用、微量元素の固液分配などのモデル化が扱われた。
2017-12-21 04:37:25松倉総説「地形学からみた風化研究の問題点と今後の課題」では、風化現象の多様性と複雑性として、小・微地形(カレン、タフォニ、風化皮膜など)、中地形(インゼルベルクやペディメントなど)、大地形(沖積平野など)を統合した地形学公式ついて(工学からの質問に私が回答)などが議論になった。
2017-12-21 04:41:18横山・西山総説「露頭スケールからナノスケールまでの反応―輸送過程」では、岩石内部の反応―輸送過程として、露頭・間隙スケールとミクロ・ナノスケールそれぞれの溶解速度の計算結果をどのように繋げれば移流と拡散をモデル計算できるようになるか(私からの質問に院生が回答)などが議論になった。
2017-12-21 04:44:10西山・横山総説「岩石内部の水の分布―露頭スケールからナノスケールまで―」では、岩石マトリクス中の水の分布として、飽和状態の未固結堆積物の水の分布や移動との違い、特に間隙の片側が閉じて水を滞留させる行き止まり間隙での水のふるまい(農学からの質問に院生と私が回答)などが議論になった。
2017-12-21 04:47:09福士総説「地球表層物質による微量元素とり込み過程とそのモデル化」では、鉱物化、吸着、表面沈殿、イオン交換の化学素過程と共沈の違い、固/液反応と液/液反応からなる化学素過程と、微量元素の固液分配予測モデルが風化にどのように関与するのか(工学からの質問に私が回答)などが議論になった。
2017-12-21 04:52:44メンバーは、スタッフが工学3名・農学2名・地球科学2名、学生は全員工学部。第1回は冒頭で地形学の議論になったものの、その後は数学・物理学・化学の議論に終始。今回はそれで良いんだが地盤工学の話題がほぼゼロに近かったのは若干反省か・・・ twitter.com/s15taka/status…
2017-12-21 05:00:07地盤工学の学生たちは「風化」をどう考えるだろう。理学と工学にまたがる研究対象だということ、理学のうち地球科学の守備範囲であること、数学・物理学・化学がふんだんに応用されてることはわかるだろう。しかし地理学には繋がらないんじゃないか。 twitter.com/s15taka/status…
2017-12-20 10:03:04風化を題材にした工学・農学・地球科学の議論は刺激的。農学では岩石・鉱物が風化した土壌からスタートするから理学の話は新鮮だったようだ。工学からみると素過程を分析的に突き詰める理学の要素還元主義に頭を傾げたようだ(笑)。確かに地形から離れるどころか風化からも離れてるようにみえたかも。
2017-12-21 05:15:06風化研究の位置づけ:地理学の一分野として地形学が確立する→地形変化の定量的な解明を目指す→風化・侵食・運搬・堆積プロセスに分ける→風化を物理的風化と化学的風化に分ける→物理的風化と化学的風化を分ける(たとえば溶解)→溶解を化学素過程に分ける→化学そのものを研究してるようにみえる。
2017-12-21 07:57:53地球科学を系統的に学んでいない人(もちろんそれが悪いという意図はまったくない)が最も面食らうのは時空間スケールの多様性と事象のスケール依存性でほぼ間違いないだろうと思う。
2017-12-21 08:20:28風化勉強会第2回では、微視的風化の地形プロセス学的研究として、乾季のある熱帯環境(カンボジアのアンコール・ワット寺院)での石灰岩と大理石の空中暴露実験、世界各地での炭酸塩岩のタブレット野外実験、物理的風化(凍結風化・熱風化・雷衝撃)の室内実験・野外観測と地形変化モデルが扱われた。
2018-01-31 20:42:40羽田・藁谷短報「熱帯環境下(カンボジア,アンコール・ワット寺院)における炭酸塩岩タブレットの溶食特性」では、乾季の水分蒸発と再結晶化と溶食速度の関係(化学からの質問)、実験試料としての石灰岩と大理石の物性値(工学からの質問)、溶食率のデータ、空中暴露実験の手法などが議論になった。
2018-01-31 21:46:28八反地・松倉論説「土壌中における炭酸塩岩の風化速度とその制約条件―野外風化実験からのアプローチ―」では、風化速度の支配要因として土壌中の炭酸塩岩の溶解ではないプロセス(日射や微生物など)がどう影響するのか(化学・工学からの質問)という、野外における風化現象の複雑さが議論になった。
2018-01-31 21:54:13松岡ほか総説「岩石の物理的風化―実験・観測・自然現象のリンク―」では、熱風化の破壊臨界値(工学からの質問)、雷衝撃による磁性の変化(化学からの質問)、火災や爆発による破砕はそもそも風化なのか(工学からの質問)、落雷による破砕をどう証明するのか(化学からの質問)などが議論になった。
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