【異世界シャワー問題】みんな「コックをひねったらお湯が出ること」がどれほど高度なテクノロジーなのか知らないんだ!【完全版】

どうやら山本弘先生は、「シャワー」=「コックをひねったらお湯が出る装置」という認識しかないようです。 想像力の欠如って大変ですね。
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山本弘 『BIS ビブリオバトル部』 @hirorin0015

念を押すけど、僕は『JKハル』がエロい内容であること自体はまったく気にならなかった。つーか、僕もエロい話は好きだし。 だって、こちとら、小学生の頃から山田風太郎読んでんだからな(笑)。舐めるな。

2017-12-24 11:31:19
山本弘 『BIS ビブリオバトル部』 @hirorin0015

だいたい、エロが嫌いだったら、そもそも『プラスチックの恋人』書かない。 犯罪にしても、売春とかのインモラルな行為にしたって、もちろん実際にやっちゃだめだけど、フィクションの中で描く分には何の問題もないはずだ。

2017-12-24 11:35:39
山本弘 『BIS ビブリオバトル部』 @hirorin0015

僕が我慢ならないのは、せっかくの異世界小説なのに、異世界要素とエロ要素がからみあっていないってことなんだよ。 普通の現代社会で女子高生が売春をやってるのと、何ら変わらない。じゃあ現代小説にすりゃいいじゃん。

2017-12-24 11:38:26
山本弘 『BIS ビブリオバトル部』 @hirorin0015

ふと思った。これって糾弾すべきは作者じゃなく、早川書房の編集者じゃないのかと。 たぶん若い編集者なんで、昔の早川がどんな小説を出してたのか知らないんじゃないだろうか。現代の「なろう」小説しか読んだことないんじゃないか。

2017-12-24 11:42:41
山本弘 『BIS ビブリオバトル部』 @hirorin0015

だってそうでなかったら、「シャワーを浴びて」なんて表現には絶対にチェック入れるよ。

2017-12-24 11:45:40

早川書房編集部長、塩澤快浩さんによるお言葉がこちらとなります。

塩澤快浩 @shiozaway

一言だけ。それがSFであろうと、ミステリであろうと、それ以外であろうと、それを求めている読者が一定数いると判断した場合、誠心誠意・全力で編集・刊行していく姿勢は変わりません。その立場において、「早川書房」という自社のイメージで縛りはかけたくないと考えています。

2017-12-25 12:27:04
リンク Wikipedia 塩澤快浩 塩澤 快浩(しおざわ よしひろ、1968年 - )は、日本の編集者。早川書房編集部長。『SFマガジン』第8、10代編集長。長野県出身。早川書房入社前はミステリファンであり、SFはあまり読んでいなかった。編集長就任後は、ライトノベル出身作家を積極的に『SFマガジン』等で執筆させたり、『このミステリーがすごい!』のSF版『SFが読みたい!』の創刊や、叢書「ハヤカワSFシリーズ Jコレクション」を創刊したりするなど、精力的に活動。いわゆる「SF冬の時代」を終焉させた。 2

地球人と卵胎生の火星人がエッチして卵が産まれたり、異世界にポテトがあってもいいけど、シャワーがあるのは絶対に許さない。

山本弘 『BIS ビブリオバトル部』 @hirorin0015

何でスペースオペラの話を持ち出したかとというと、僕は現代日本のライトノベルって、1930~40年代のアメリカのスペースオペラ・ブームに似てると思うから。

2017-12-24 11:50:57
山本弘 『BIS ビブリオバトル部』 @hirorin0015

スペースオペラという言葉はもともと、粗悪な宇宙小説を指して「西部劇の馬を宇宙船に置き換えただけ」という悪口から生まれたものなんだけど(考案者はウィルスン・タッカーだと言われている)、これはあくまで名前の由来であって、定義じゃない。

2017-12-24 11:57:55
山本弘 『BIS ビブリオバトル部』 @hirorin0015

たとえばE・E・スミスの『レンズマン』シリーズなんて典型的なスペースオペラだけど、断じて「西部劇の馬を宇宙船に置き換えただけ」の小説じゃない。むしろ今の日本の読者が読んだら、「こんなすごいスケールの話、昭和10年代に書いてたの!?」とひっくり返る代物。

2017-12-24 12:03:49
山本弘 『BIS ビブリオバトル部』 @hirorin0015

バローズの『火星のプリンセス』なんて、最初に雑誌連載されたのは1912年だよ。まだ大正時代。 ちなみに、主人公のジョン・カーターは、山の中で死んで、幽体離脱して火星に行き、美しい王女様と愛し合う。「異世界転生もの」の元祖!

2017-12-24 12:08:56
山本弘 『BIS ビブリオバトル部』 @hirorin0015

ちなみに1965年に創元推理文庫から出版された『火星のプリンセス』は、表紙が美女の絵、2ページ見開きのカラー口絵、そして本文イラストと、現代のライトノベルの基本フォーマットを確立した、これまた画期的な本だった。 pic.twitter.com/LQZ4pg47MD

2017-12-24 12:14:34
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山本弘 『BIS ビブリオバトル部』 @hirorin0015

バローズはこの後、あの『ターザン』シリーズでこれまた大ヒットを飛ばし、『金星』シリーズ、『ペルシダー』シリーズなんかも続々とヒットさせちゃうわけなんだけど。 ただ、今読むと、話のテンポがかったるいんで、ちょっとついていけない。

2017-12-24 12:19:13
山本弘 『BIS ビブリオバトル部』 @hirorin0015

バローズ作品が今の日本のラノベの異世界ものと何が違うかっていうと、きちんと「異世界」を描いてたってこと。たとえば火星の馬は「ソート」と呼ばれていて8本足。まあ、役割上、馬は馬なんだけどね(笑)。 pic.twitter.com/sSLz3BHJ2n

2017-12-24 12:24:07
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山本弘 『BIS ビブリオバトル部』 @hirorin0015

あと、すごいなと思うのが、火星のプリンセス、デジャー・ソリス。 卵産むんだよ、このお姫様! 火星の女性は卵生なの! pic.twitter.com/DxbqYkpmrK

2017-12-24 12:29:04
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山本弘 『BIS ビブリオバトル部』 @hirorin0015

1巻の最後の方で、ジョン・カーターと結婚して、生まれた卵が孵化器の中で暖められているのを二人で仲良く眺めてる……というシーンがありましてね。いやあ、あれは衝撃だった。

2017-12-24 12:31:22
山本弘 『BIS ビブリオバトル部』 @hirorin0015

まあ、卵生である必然性はあまりないんだけど、逆に言えば、異世界のプリンセスが胎生である必然性もまったくないわけで、このへん、バローズってすげえ思い切ったこと考えたなって思う。繰り返すけど、大正時代の小説。

2017-12-24 12:35:31
山本弘 『BIS ビブリオバトル部』 @hirorin0015

振り返ってみると、今の日本のラノベで、「ヒロインが卵生」というレベルのぶっ飛んだ設定の小説、あるのかなあ? せいぜい、エルフかハーフエルフ、猫耳か尻尾程度だよね。 想像力に関しては100年前のバローズの方が上だったんじゃないかって思う。

2017-12-24 12:42:14
山本弘 『BIS ビブリオバトル部』 @hirorin0015

こういう想像力の枯渇が行き着くとこまで行くと、ファンタジー風の異世界なのに、娼婦が気軽に「シャワー」を浴びいてたりしちゃうわけですが(笑)。 僕は異世界にポテトがあるぐらいは許せるけど、シャワーは許せない。

2017-12-24 12:48:20

自分の作品が90%のクズに該当するとは想像もしてない自称SF作家がこちらになります。

山本弘 『BIS ビブリオバトル部』 @hirorin0015

ただ、バローズみたいな想像力あふれる作品がスペースオペラの主流だったわけじゃなく、実際には30~40年代に書かれたスペースオペラの大半は、「西部劇の馬を宇宙船に変えただけ」の代物だったらしい。 「らしい」と曖昧に書くのは、もう今では残ってないから!

2017-12-24 13:09:42
山本弘 『BIS ビブリオバトル部』 @hirorin0015

ほんと、今、日本で読めるのは、バローズ、ハミルトン、スミスくらいのものなんですよ。 唯一、今でも読めるのは、創元から復刻された『太陽系無宿/お祖母ちゃんと宇宙海賊』ぐらい。 amazon.co.jp/dp/4488743013

2017-12-24 13:14:13
山本弘 『BIS ビブリオバトル部』 @hirorin0015

特にアンソニイ・ギルモアの「太陽系無宿」(1931)は、土星の衛星を舞台にしたアクションもので、宇宙船も出てくるけど、本当に見事なまでに西部劇そのもの! 要するに『水戸黄門』と『ダイオージャ』みたいな関係(笑)。

2017-12-24 13:20:53
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