【百合ゾン : 二次創作】ムーンの一日

百合ゾンの2時創作的な何かです。
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ムーン @ZevoryuSyon

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2017-12-29 01:03:03
ムーン @ZevoryuSyon

とある秘境の孤島に月が昇る。その月を家の窓から眺める者あり。彼女はここ最近この島に訪れた、いわゆる新参者である。その名前はムーン 「あっ、貴女の住民票と家は用意ができたのでェ、ここに書いてある場所に向かってくれればァ」 そう言って案内された家は、メインストリートの一角にあった。

2017-12-29 01:14:06
ムーン @ZevoryuSyon

家の外見も内装も普通そのもの。しかも基本的な家具などは据え置きだ。しかし彼女として大きく困ったことがあった。 「ん~、狭いなぁ……」 それは、彼女の尾てい骨付近から生えている、モフモフとした9本の尻尾が原因だった。モフモフの尻尾が、動き回るたびいろいろな家具に当たってしまうのだ。

2017-12-29 01:21:05
ムーン @ZevoryuSyon

そうして彼女は改築を始めた。総施行期間2週間の突発工事……の予定だった。妖術のコントロールの失敗で家を半壊させること5回、火災12回、水害を2回発生させたため、工事は当然予定どおり進むはずもなく、ついには家は更地になった。

2017-12-29 01:29:21
ムーン @ZevoryuSyon

そのため、野宿すること1週間。もうダメだとなりそうなときに、百合ゾンドライバーの改良のため研究室にこもっていたはんちょ~含めた島の人々に発見され、いろいろな助力を受けて今に至る。 「この島の人たちは、いい人ばかりだなぁ……」 満月を見ながら、調達した酒をあおる。

2017-12-29 01:34:16
ムーン @ZevoryuSyon

この、前より広くなった家を貸してもらった時のことを思い浮かべる。 「属性のせいですからァ、しょうがないですよォ」 「でも」 「いいんですゥ。そのかわり、またいつかお願いを”なんでも”聞いてくださいねェ♡」 「すいません。本当にできる限りの事なら何でもします」 「なんでも♡ですよォ♡」

2017-12-29 01:46:06
ムーン @ZevoryuSyon

回想は途切れる。”彼女”の獲物を狙う目つきを思い出させずに。 「……なんでも、は言い過ぎたかな」 悪い人じゃなさそうだし、大丈夫だろう。そう思いながら、再び酒をあおる。記憶にはないが、何だか懐かしい感覚が彼女を温める。 (明日はなにしようかな) ……彼女の毎日は、始まったばかりだ。

2017-12-29 01:53:24
ムーン @ZevoryuSyon

なお、その次の日。 彼女は島の海沿いで妖術の練習をした。 おぼれかけたことや、大けがを負いそうになったことは言うまでもない。 了

2017-12-29 01:57:30