日向倶楽部世界旅行編第28話「総集編・新春!すごろく大会」

旅行先であるブルネイ泊地にて新年を迎えた日向達は、すごろくをしながら旅を振り返る…
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三隈グループ @Mikuma_company

【今回の日向倶楽部】 これまでの日向倶楽部全27話をおさらい! 新春拡大スペシャル!

2018-01-02 21:00:22
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日向倶楽部 〜世界旅行編〜 第28話「総集編・新春!すごろく大会」

2018-01-02 21:00:54
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〜〜 ここはブルネイ泊地の宿の一室、最上、日向、初霜、扶桑の四人が畳の上で正月を満喫している。 この部屋は洋室だが、扶桑が正月の為に何か作ったという事で急遽畳を運び込んで和室スペースをこさえ、四人はそこで茶などを飲んでくつろいでいた。

2018-01-02 21:01:31
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「…それで扶桑、一体何を作ったんだ?」 茶菓子片手に日向が問うと、扶桑はニコニコしながら大きな模造紙を畳に拡げた。 「ふふっ、これです。」 それは沢山のマス目が描かれた世界地図、全てが手描きであり、所々に書き損じや塗り残しなどがあった。

2018-01-02 21:02:19
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「これは…すごろく?」 「はい、すごろくです。」 かなりきちんと描かれた世界地図に三人が感心する中、扶桑はもそもそとコマとサイコロを取り出した。 小さな七つのコマには日向や最上の可愛らしい似顔絵が描かれていた、見る限り全て扶桑の手作りのようであった。

2018-01-02 21:03:24
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「よく出来てるな…最近部屋に篭ってたのはこれを作ってたのか」 「ええ、三隈さんに色々揃えてもらって、空いた時間に作っていました。」 話しながら色々整える扶桑、スタート地点の日本に駒が四つ並べられた。 「では、このすごろくについて説明しますね。」

2018-01-02 21:04:20
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扶桑は地図をなぞりながら説明を始める 「これは私達のここまでの旅路をすごろくにしたものです。スタートは日本の横須賀、ゴールは現在地ブルネイ、サイコロを振りながらここまでのヒューガリアンの軌跡を辿りましょう。」 「ほう、良いアイデアだな、楽しそうだ。」

2018-01-02 21:05:20
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こうして四人はすごろくを始めようとした…が、扶桑が何かを思いつき手を止めた 「…折角振り返るのですから、貴女達日向倶楽部が私の元に来る前の話もしていただけますか?」 彼女がそう言うと一同ウンウンと頷く、もうお気付きの方も居るであろうが、今回は総集編である。 〜〜

2018-01-02 21:06:30
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〜〜 ボクは最上、トラック泊地の航空巡洋艦娘、艦娘としては結構息の長いベテランで、お給料もそこそこ貰っているごく普通の艦娘。 所属しているのは日向さんの率いる特務部隊「日向倶楽部」いわゆる便利屋部隊だけど、まあ、特に不自由もなく楽しくやっていた。

2018-01-02 21:07:29
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そんな普通の艦娘のボクなんだけど、実はちょっとした特技がある、それは日向さんが見つけ出した「瑞雲の鼓動」 詳しい事は分からないけどとても不思議な力で、ボクと日向さんはこれを使うことが出来た。 だからって何かあるわけじゃなくて、特技の一つとして使ってただけなんだけどね。

2018-01-02 21:08:19
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で、ある日の事、ボクはトラック泊地で一番偉い艦娘で将軍の「那珂」さんに呼び出されたんだ。 当時は反攻作戦が終了して海の大半に平和が戻り始めていた頃、そんなだから転属か解雇か、ボクはちょっとドキドキしながら執務室に向かった。 そうしたら那珂さんはこう言ったんだ。

2018-01-02 21:09:19
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「横須賀鎮守府で開かれる、巡洋艦杯に出て欲しい」 巡洋艦杯ってのは、反攻作戦の終了を祝って開催された、各艦隊から選ばれた巡洋艦娘が一対一で勝負をする御前試合のようなイベント、そんな名誉ある大会にボクは代表として選ばれたんだ。 喜びよりは緊張の方が大きかったけどね。

2018-01-02 21:10:22
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こうして代表となったボクは、日向さんの親友でエースの「山城」さんと、ルームメイトで同僚の「初霜」と一緒に横須賀へ向かった、一人では心細かったから、二人が付いてきてくれたのは心強かったな。 到着し、開会式を終えると大会が始まった、各地の代表相手に、ボクは無我夢中で戦った。

2018-01-02 21:11:23
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そんなこんなでボクは岩川の大淀、パラオの摩耶を破り三回戦に進出した。 三回戦の相手は横須賀鎮守府親衛隊長の「利根」、親衛隊長なんて他の代表に比べたら場違いなくらい凄い艦娘なんだけど、ボクが驚いたのはそこではなかった。 利根は、ボクの「瑞雲の鼓動」と似た技を使えたんだ。

2018-01-02 21:12:34
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利根はボクとそっくりのその力を「晴嵐の波紋」と呼んでいた、ボクは瑞雲の鼓動を使えると言っても全てを圧倒出来るほどじゃなかった。 一方で利根の力は凄まじく、ボクはかつてないほど苦戦した。 なんだかんだ勝ったんだけどそこは割愛、晴嵐の波紋との出会いは、ボクにとって衝撃だった訳だ。

2018-01-02 21:13:30
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利根を破ると続く四回戦の相手は、なんと同じトラック泊地の「足柄」さん、艦娘としても技術者としても一流のエリートが相手だけど、ボクはなんとか勝利した。 そして決勝、相手はかつて魚雷の神様と言われていたリンガ泊地代表「大井」、勝ったか負けたか、詳しい事は本編を読んでね。

2018-01-02 21:14:18
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こうしてボクは巡洋艦杯を終え、トラック泊地に帰還した。 それからは普通に日常が流れた、その裏では那珂さんや三隈、あきつ丸とかが色々あったんだけど、大筋には関係ないから今は割愛するよ。

2018-01-02 21:15:19
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で、話が動いたのはしばらく経ってからの事、ボクらの暮らすトラック泊地に、あの利根が妹の「筑摩」を連れてやってきた。 彼らは横須賀の守護神「扶桑」からの書簡を届けにはるばるやって来たらしい。 あっ、守護神扶桑ってのは、今目の前でボクの話を聞いている扶桑さんの事だよ。

2018-01-02 21:16:20
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書簡の内容は簡単で、ボクらに横須賀鎮守府へ来いという話だった、扶桑さんの直筆だったけど、字が上手かったなぁ。 まあ、それだけならただの郵便配達で終わりなんだけど…利根姉妹の利根は、那珂さんに対して二対二での演習を持ちかけたんだ、書簡よりこっちが本命だったのかもね。

2018-01-02 21:17:22
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当然向こうは姉妹でタッグを組んだ、一方で那珂さんの相方は、喧嘩の天才で大エースの山城さんが名乗りを上げた、何やら妹の筑摩と一悶着あったらしい。 こうして演習が始まった、山城さんはとても強いから負けるはずないと思っていたんだけど、なんと筑摩に呆気なく敗れてしまった。

2018-01-02 21:18:21
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勝負は早々に姉妹と那珂さんの二対一、でも那珂さんは何の苦労もなく二人を圧倒して、勝負は那珂さんの一人勝ちになった、本当に圧倒的としか言いようがなかったよ。 そしてこの結果を聞いて山城さんは何処かへと姿を消してしまった、今でも連絡は取れていない…大丈夫かな。

2018-01-02 21:19:21
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まあ山城さんは強いから死ぬ事はないって日向さんも言ってたし、それはそれとしておいた。 そんなこんなでボクらは扶桑さんの呼びかけに応じて横須賀鎮守府へ向かった、そこでボクらは扶桑さんと運命の出会いを果たす、折角だから当時の場面をそのまま言うよ、良いですよね扶桑さん。

2018-01-02 21:20:22
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〜〜 そして静寂の中、炎の向こう側、そこからとても穏やかな声が聞こえてきた 「ようこそ横須賀鎮守府に…遠いトラックの地から、よくぞ参られました…」 それは語りかけるような女性の声であった 「私は扶桑…貴女達が"鼓動"と呼ぶ物、即ち波紋をここ横須賀で編み出した者です…」 〜〜

2018-01-02 21:21:19
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…ね、今の扶桑さんとちょっとイメージ違うよね、この頃は扶桑様呼びだし。 でもこの時もすぐに明かりをつけたり、どこからかメチャクチャ大きな石を取り出したり、今思えば片鱗は見えてた気がするな…。 まあ良いや、そんなこんなでボクらは扶桑さんと対峙したんだ。

2018-01-02 21:22:19
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