日向倶楽部世界旅行編第28話「総集編・新春！すごろく大会」

三隈グループ @Mikuma_company

「大した嗅覚だ、実に冴えているな…」 その深海棲艦はそう言って正体の片鱗を見せた、深海棲艦の名は「武蔵」、私達が出会ったブルネイ泊地の武蔵だった。 ヒトに擬態する深海棲艦…許せないわよね、人殺しが人の皮を被ってるんだもの、殺さない理由はどこにもない、私は拳銃を向けた。

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私は撃った、何発も何発も撃った、けど奴にはまるで効かず…いえ、まるで当たらなかった、そして私は首を締め上げられ、そのまま殺されそうになった。 だけどその時、突然武蔵が吹っ飛んだの。 何が起きたのか分からなかったけど、向こうは"何か"に気が付いたらしかった。

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何に気が付いたのかは知らないわ、でも武蔵は私にこの石を渡して、いつか殺しに来るよう言ってきた。 あの時何が起きたのか、この石が何なのか、武蔵は何が目的なのか…分からない事だらけ。 ただ一つ分かるのは、奴等を殺したいって気持ちは、海が静かでも変わらないって事よね。 〜〜

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〜〜 「…初霜、難しい顔してどうしたの？」 初霜がふと気付くと、最上が心配そうに顔を覗き込んでいた。 「ううん、何でもないわ、ちょっと考え事してただけ。」 「そっか、お茶淹れたから飲みなよ」 「ええ、ありがとう」 初霜は温かいお茶を飲み一息ついた。

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そんなこんなでゴールのブルネイに辿り着き、すごろくは幕を閉じた。 「うむ、振り返ってみるとなかなか長い旅をしてきたな。」 「あたしが参加してからって見ても、なかなか長いよねェ…」 ブルネイの先から線は伸びていないが、ここから必ず、また何処かへと伸びるのだ。

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それを感じながら、扶桑は締める様に口を開いた 「確かに長いですが、まだ旅は始まったばかり…この何倍もの出来事が私達を待っている事でしょう。」 一同真剣な顔つきで彼女の言葉を聴く 「不穏な出来事も多く、危険もつきまとっています、これからも気を引き締めて参りましょう。」

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一同は深く頷いた。 それを見て扶桑も頷き、パンっと手を叩いた 「…では最後はこの言葉で締めくくり…いえ、始めましょうか。」 そう言って彼女が両手を天に拡げると、皆も同じ様にし、声を揃えて言った 「今年も、よろしくお願いします！」 よろしくお願いします。 〜〜

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〜〜 「…遂に来たな。」 一人の艦娘が海の上に立ち、長い黒髪をなびかせている。 ここはトラック泊地の沖、彼女は漁船の護りに着き、同泊地を目指しているところであった。 「いや悪いねぇ、こんな漁船を戦艦娘さんが護衛してくれるなんて」

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漁師の男が顔を出すと、険しい顔つきだった彼女は微笑んで答える 「気にするな、正義とは守るものだ」 艦娘は言い終えると前を向く、漁師の男は感心し、拝む様に手を合わせた。 「ヒーローってのは居るもんだねぇ、いやあんた凄い人だよ。」 彼の目に彼女の背はとても頼もしく見えた。

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と、ここで彼は、彼女の…艦娘の名を聞いていない事に気が付いた。 「そういや艦娘さん、あんた名前は？」 その問いに、艦娘は振り向いて言った 「大した者じゃない」 海風が彼女の背に吹いた。 「私は長門、戦艦娘の長門だ。」 第28話「総集編・新春すごろく大会」 おしまい

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【日向倶楽部】 毎週火曜日に投稿されている艦これ二次創作SS。 原典からかけ離れた設定やキャラ付けが最大の特徴で、40手前の那智、大企業の令嬢三隈、カジノの支配人をする瑞鶴、徒手空拳で戦う山城など、登場する艦娘は大体無茶苦茶な設定を引っ提げてくる。 今年もよろしくお願いします。

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【長門】 トラック泊地を目指す謎の戦艦娘、正義感が強く、各地を放浪しながら人助けをしているようだ。 彼女がトラック泊地を目指す理由とは…？ pic.twitter.com/cmd6mud6cH

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