日向倶楽部世界旅行編第28話「総集編・新春!すごろく大会」

旅行先であるブルネイ泊地にて新年を迎えた日向達は、すごろくをしながら旅を振り返る…
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三隈グループ @Mikuma_company

扶桑さんは自分が晴嵐の波紋使いであることや、瑞雲の鼓動や晴嵐の波紋はとてつもなく強力な力を秘めていることを、実演を交えながらボクらに話した。 で、最終的に扶桑さんは、ボクらと一緒に旅がしたいと言ってきた、同じ力を持つ者同士、力の使い方を考えたい…それが理由らしい。

2018-01-02 21:23:24
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こうしてボクらは、後に「ヒューガリアン」と名付けられる豪華客船に乗り、世界中を旅する航海に出発する事となった。 瑞雲の鼓動や晴嵐の波紋が何なのかはよく分からないけど、とにかく旅は楽しみだ。 …以上が、ボクらが旅に出るまでの前日譚だよ。 〜〜

2018-01-02 21:24:33
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〜〜 「…こんなんで良いですかね?」 振り返りを終え、最上は一息ついた。 「うむ、完璧だったよ。」 日向は彼女を労い緑茶を渡す、初霜と扶桑もウンウンと頷きながら、ひょこひょことすごろくの準備を始めた。 「では、どなたから振りましょう?」 サイコロを摘み扶桑は訊ねる

2018-01-02 21:25:25
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「扶桑さんからで良いんじゃないかしら?」 「ボクもそれで良いですよ」 「ああ、作ったんだしキミからで良いだろう。」 三人が譲ったので、扶桑はいつもの調子でサイコロを振った。 「ほいっと…これは6なので…トラック泊地ですね。」 扶桑は駒を進めた。

2018-01-02 21:26:19
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トラック泊地は最上達の所属する艦隊である。 責任者は他同様に提督だが、実権は軽巡洋艦娘にして将軍の位を持つ「那珂」が握っており、摂政政治的運営が行われていた。 最上達は本格的な準備の為、一旦ここへ立ち寄ったのだった。 (第2話)

2018-01-02 21:27:37
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「キミに態度を改めるよう言われたのもここだったな。」 日向はぼんやりと思い出す、扶桑様扶桑様と呼ばれて居た扶桑は、もっと気軽な呼び方にするよう皆に言ったのだった。 「あの頃はなんだか畏まっていたけれど、今ではとても気軽に話しかけてくれますね。」 扶桑は嬉しそうに微笑んだ。

2018-01-02 21:28:20
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初めこそ最上達も彼女の得体の知れない雰囲気や2メートルを超える身長に気圧されていたが、やがて彼女の人間性や大人げのなさに触れるうち、旅の仲間としてすっかり打ち解けていた。 今では高いところのものを取る為に扶桑を呼ぶ事すらある、それほどまでに距離感は縮まっているのだ。

2018-01-02 21:29:21
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そんなこんなですごろくを進める 「よっと…ここはパラオですね」 最上は駒をパラオ泊地に置く、ここは一行が最初に訪れた場所である。 「パラオ行ったの最近のような気がしたけど、順番的には四つくらい前なんですねぇ」 「うむ、早いものだな。」

2018-01-02 21:30:20
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パラオ泊地はトラック泊地の西にある拠点、開発により一大経済都市と化したトラックと違い、パラオは拠点を設けながらも自然豊かな観光地としての体裁を保っていた。 また、最上が巡洋艦杯で戦った重巡洋艦娘「摩耶」が所属しているのも、ここパラオ泊地であった。

2018-01-02 21:31:19
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「ここでは摩耶さんと再会して、その夜に密猟者と戦いましたね。」 パラオでは艤装をつけたならず者による密猟が問題となっていた。 最上達はこれを解決すべく、パラオの摩耶、警備隊長「霧島」の二名と共闘し勝利を収めた、しかし問題の全容は分からぬままであり、根本的な解決には至らなかった。

2018-01-02 21:32:24
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日向は神妙な面持ちで呟く 「密猟者の元締めについての情報は未だ無い…一刻も早く突き止めたいものだな。」 「そうですね、沈静化したと言っても、まだ終わっちゃいない…」 一同は問題の一刻も早い解決を祈り、そして誓った。 (第3話〜第4話)

2018-01-02 21:33:18
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またサイコロを振ると、初霜がパプアニューギニアに止まった。 「ニューギニア…ここでも不思議なことがあったわね。」 パラオを出た一行はパプアニューギニアの都市ウェワクに上陸、二手に分かれて観光を楽しんだ。 「うん、怪物とか猿とか、色々あったね。」

2018-01-02 21:34:19
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最上の言うように、日向達は見物に向かったジャングルで往路は謎の怪物に、復路は猿の軍団に襲撃された。 その際、日向は猿達に毒を盛られ、一時意識不明の重体にまでなってしまったのである。 「あの時はなかなかしんどかったな」 「病院にいなかったら危なかったですもんね。」

2018-01-02 21:35:19
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また、ウェワクではあきつ丸が悩める戦艦娘「大和」と出会っているのだが、彼女はその事を誰にも話していない。 その後一行は猿の艦隊を率いる練習巡洋艦娘「香取」と交戦、これを撃退し、パプアニューギニアを後にした。 (第5話〜第8話)

2018-01-02 21:36:19
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そんなこんなでまたサイコロを振る、それと同時に部屋のドアが開き、ノリの軽い声が響いた。 「ちーっす、あけおめ〜」 鋼の左腕と緑色の髪、瑠璃色の瞳が部屋へと入ってきた 「鈴谷か、どうした?」 日向が訊くと鈴谷はヘラヘラ笑う 「いやぁ、暇になっちゃってネ。」

2018-01-02 21:37:19
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そう言って彼女はコーラを一気に飲み干し、フゥーッと一息つく、そして最上達の手元を見て訊ねた 「なんそれ?」 「扶桑さんが作ったすごろくだよ、ボクらの旅が舞台さ。」 「ヘェ〜」 今ちょうど鈴谷と出会った辺りだよと付け加え、最上はサイを投げる。

2018-01-02 21:39:21
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「そっかぁ、あたしが雇われたのもそこそこ前なんだねぇ」 進む駒を見つつ鈴谷は回想する。 たった一人で世界を放浪し、金さえ積めばどんな仕事もやってのける隻腕のワタリ艦娘。その戦闘力はたった一人で海賊を殲滅出来る程で、あらゆる艦隊が彼女を引き入れようと画策して来た。

2018-01-02 21:40:26
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しかし彼女は決まって言う「まだやりたい事がある」そして何処かへ旅立って行く、誰も知らぬ目的地を目指して…。 明朗だが何処か空虚なその人柄と、オーバーテクノロジーな鋼鉄の義手を指し、人は彼女を「鋼の鈴谷」と呼んだ。 (…とか何とか、クソみたいな雑誌に書いてあったっけな…)

2018-01-02 21:41:19
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そんな彼女が日向倶楽部と出会ったのは、艦娘らしく海の上であった。 水上バイクで旅をする途中、海賊に尾けられ取り囲まれた鈴谷は、愛車「ネクロマンシー」と印鑑を失いながらもこれを撃退する、しかし明らかに実力の違う艦娘「伊勢」によって雲行きが怪しくなり始めた。

2018-01-02 21:42:19
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そこへ救難信号をキャッチした日向達が駆け付け、彼女は彼等と共闘、無事に勝利を収めた。 「しっかし、あの伊勢って奴はマジに強かったねェ…」 鈴谷は苦い顔をする、伊勢は日向と互角以上という別格の強さを誇り、鼓動や波紋の類を操るそぶりも見せている強敵であった。

2018-01-02 21:43:19
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日向も同調して頷く 「ああ、理由は分からんが奴は我々をつけ狙っているらしい、用心しなければな…」 伊勢はその後も度々一行の前に現れ、意味深な言葉と共にその姿を消している、高い実力と引き際を弁える強かさを併せ持った恐るべき敵、それが伊勢なのだ。

2018-01-02 21:44:23
三隈グループ @Mikuma_company

それはさておき、鈴谷はこれ以降日向達と行動を共にしていた。 助けられたという恩もそうだが、三隈が10万ドルという大金をポンっと支払った事もあり、彼女は普段よりもかなり手厚く仕事をしている。 ワタリ艦娘…つまりフリーランスはギブアンドテイクが命、これはプロとしての矜持でもあった。

2018-01-02 21:45:20
三隈グループ @Mikuma_company

最も、彼女には彼女なりの目的があるらしく、旅をする日向達との同行をそれに向けた近道と捉えている節もある。 (ゼロ…未だ手がかりは無しか) 鈴谷の追い求める「ゼロ」 それは夢か宝か幻か、その正体は毛程も明らかになっていない。 (第9話〜第10話)

2018-01-02 21:46:24
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またサイコロを振り、扶桑はバヌアツに駒を進めた。 「火山は絶景でしたね。」 バヌアツでもニューギニアと同様、日向達は二手に分かれて観光をした。 市街地ポートビラを散策した三隈達に対し、日向最上初霜扶桑はタンナ島へ火山見物へと向かったのだ。

2018-01-02 21:47:20
三隈グループ @Mikuma_company

だが火山へ向かう前夜、扶桑は謎の気配を感じツリーハウスを飛び降りる。 そこで彼女は二本の刀を持った人影と交戦、波紋を帯びた右手で刀を握り砕き、これを撤退に追い込んだ。 この人影は伊勢なのだが、ここでも彼女は意味深な言葉をかけて逃げ去るのだった。

2018-01-02 21:48:19
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