ポストモダンにおける正義の認識論(実践に基づいて)

上原潔さん&野間易通さんを中心にしたやりとりまとめ。 「実践に基づいて」とあるのは基礎付け主義なんじゃないか?みたいなアホなツッコミはお断り。
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odd_hatch @odd_hatch

このツイートで絶対的正義の有無について議論しているが、たまたま今読んでいた本で、自由主義と民主主義で「真理」に関する根本的態度に対立があるという指摘を見つけた。TWの議論とほぼ同じ対立がまとめられている。 twitter.com/nomacrac/statu… pic.twitter.com/fOMQu04ALb

2018-01-12 16:23:43
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上原潔 @UeharaKiyoshi

「なにものも根拠(原因)なしには存在しない/根拠なしに存在しないものはない」There is nothing without groundて命題を、「無は根拠なしに存在する」と解釈して、カルナップに怒られるアレ(笑)

2018-01-12 16:27:47
野間易通 @nomacrac

いや、これよくわからないなー。いま話しているのは「真理」についてではなく「正義」についてで、しかもその本の「民主主義」の話、実は全体主義の話をしてますよね。 twitter.com/odd_hatch/stat…

2018-01-12 16:29:01
えるねこ @die_sel_cat

あんまり詳しくはないのですが、理念としての「公正」や「真実」は実は絶対的正義ではないかという気もしています。ただ、一つの事象でも、正確に「公正」を判断するためのファクターは無限に近くあるので、現実の人間にはその全てのファクターを考慮に入れて公正を判断することはできない twitter.com/nomacrac/statu…

2018-01-12 16:29:41
野間易通 @nomacrac

ということを考えると、私はやっぱ完全無神論者なんだなという感じがします。スサノヲノミコトを信仰しているにもかかわらず。 twitter.com/UeharaKiyoshi/…

2018-01-12 16:30:34
上原潔 @UeharaKiyoshi

そう思います。哲学はそれを「端的に必然的な者」とか「不動の動者」(もとはアリストテレスですが)とか言い換えてきました。それを突き抜けようとすると、「底に底はあるのか、いや無底だ」とか「無は根拠なしに存在する」とか怪しい命題が出てきます(笑) twitter.com/nomacrac/statu…

2018-01-12 16:21:06
上原潔 @UeharaKiyoshi

「何故(なにゆえ)なしに薔薇は有る、薔薇は咲く、咲くが故に」(Die Rose ist ohne Warum, sie, weil sie bluet...)

2018-01-12 16:30:36
野間易通 @nomacrac

「絶対」だと、そもそも人間が判断できなくなっちゃいませんか。ほかと比較できないのが「絶対」なので。「真実」をも相対化するのが今の風潮ですけど、それでも事実はなかなか覆せない。ここには比較のプロセスがありますよね。 twitter.com/die_sel_cat/st…

2018-01-12 16:32:43
えるねこ @die_sel_cat

ということなのではないかなと。 一方で、「公正」がなぜ正義として成立するのかを考えると、「全ての個人は自分さえよければよいという欲望を持つ⇒全ての人間がこの欲望に従って生きた場合社会が成立しない⇒対立する欲望を調停するための妥協点として公正が必要となる」ということ

2018-01-12 16:33:32
えるねこ @die_sel_cat

のような気もするので、果して本当に普遍的なんだろうか?という気もします。

2018-01-12 16:34:10
野間易通 @nomacrac

いえいえ。関係なくはないと思いますけど、「真理」ってやっぱ「真実」とか「事実」とかとちょっと違うニュアンスですよね。「アプリオリに正しいもの」って意味ですかね。 twitter.com/odd_hatch/stat…

2018-01-12 16:41:53
odd_hatch @odd_hatch

@nomacrac 自分のなかで「真理」の中に「正義」がはいっているという思い込みがありました。関係ない議論を持ち込んで、すみませんでした。

2018-01-12 16:40:10
野間易通 @nomacrac

そこらへんのおっさんが正義について考えるときに「全てのファクターを考慮して判断された公正(人間には到達できない)が絶対的公正で」って部分をまるごと削ってもいいんじゃないかな、というのが私の言ってることなんです。到達できないもの、考慮しなくてよくない? だってわからないわけだから。 twitter.com/die_sel_cat/st…

2018-01-12 16:43:51
えるねこ @die_sel_cat

@nomacrac 全てのファクターを考慮して判断された公正(人間には到達できない)が絶対的公正で、現実の公正、ある公正と他の公正を比較してどちらがよりこれに近いか?という判断がされているのではいかというイメージです。

2018-01-12 16:38:12
野間易通 @nomacrac

ここで「オッカムの剃刀」ですよ。「これとこれは不公平だよね」とか「こうすれば公平だよね」とかは十分に日常レベルで判断できるのだから、それを「正義」と呼べばいいんじゃね? twitter.com/nomacrac/statu…

2018-01-12 16:45:38
野間易通 @nomacrac

「正義の味方」という言葉を考えた川内康範も、「この世に真の正義がいるとすれば、それは神か仏」って言ってて、月光仮面は人間だから「正義」そのものではなく「正義の味方」だって言うんだけど、justice は普通に人が判断してますよね。裁判所とかで。takekuma.cocolog-nifty.com/blog/2007/11/3…

2018-01-12 16:50:44
odd_hatch @odd_hatch

@nomacrac 自分は理系だったので「科学的真理」という言い方になじんでいます。たとえば「宇宙はビッグバンで誕生した」「F=mc^2」などの科学の法則や数式なども「真理」。なので、アプリオリより「普遍的で誤りのない」のニュアンスが強いです。

2018-01-12 16:51:50
野間易通 @nomacrac

競争による均衡とはいっても別に多数決で決まるわけじゃなくて、「計算」とか「証拠」とかの客観的な判断基準がありますよね。逆に言うと科学である限りつねに反証可能性を担保していることが条件ですから、哲学で言う「真理」とはちょっと違うかもしれませんね。 twitter.com/odd_hatch/stat…

2018-01-12 17:05:40
odd_hatch @odd_hatch

@nomacrac ただ「科学的真理」のばあい、普遍的とか誤りがないというのはどこが保証しているかというと、専門家集団(科学者)全員が認証しているからであり、過去の科学史で「真理」は何度も書き換わってきたという経緯があるので、真理は絶対ではなく、競争による均衡を通じて示されるという考えになじみます。

2018-01-12 16:55:13
野間易通 @nomacrac

仲正昌樹という人が『いまこそロールズに学べ』という本のなかでこの川内康範の言う正義と欧米の政治哲学の正義はどこが違うかって説明をしててすごくわかりやすいんだけど、ほぼ同じことがここにも書いてある→shunjusha.co.jp/news/2011/news… twitter.com/nomacrac/statu…

2018-01-12 17:16:29

上原潔 @UeharaKiyoshi

「正義論」と括ると多少語弊があるかと思いますが、善のイデアをなんらしかの方法で認識することができ、それに地上の秩序を合わせるプラトンと、対極にあるAとBの間にある徳に、繰り返しつつ近づくアリストテレスの二つの流れは、ひとつの重要な区分けになると思います。 twitter.com/kambara7/statu…

2018-01-12 19:13:02
弁護士神原元 @kambara7

プラトンのイデア論は「絶対的正義」に照らして現実を図る感じでしょうか?実践知はアリストテレスの説と理解しています。突き詰めれば、正義論は、この2つの流派に収斂されるのでしょうか? twitter.com/ueharakiyoshi/…

2018-01-12 18:21:09
上原潔 @UeharaKiyoshi

細かく言うとプラトンの場合、《イデアを観照する知性→それを実行し実現する勇気などの気概→肉体的な生きる力(欲望)の制御》と秩序づけられ、この「知性・気概・節制」の三つと、それら三つが均衡を保っている状態としての「正義」ということで、3プラス1=四元徳が理想とされます。 @kambara7

2018-01-12 19:24:27
上原潔 @UeharaKiyoshi

この三つが均衡を保っている状態としての正義は個人のなかで実現しますが、知性→感情→欲望という支配と服従の配列なので、知性の絶対視と肉体蔑視批判されたりします。それは別にいいんですが、知性→感情→欲望の秩序が一国家にも適応され、その秩序の保持が正義となると危うい感じに。 @kambara7

2018-01-12 19:32:40
上原潔 @UeharaKiyoshi

知性にあたる哲人王→気概にあたる軍人→欲望にあたる民衆となり、哲人王をピラミッドの頂点とした支配関係者の国家が正義であり、理想ということになりますから。他にも、知性=男性、肉体=女性とされますので、男性が女性を支配するのが正しいことにもなってしまったり。 @kambara7

2018-01-12 19:35:44
上原潔 @UeharaKiyoshi

アリストテレスは(女性蔑視はあるけど)中庸を目指すために、国家形態としては「大き過ぎず小さ過ぎず」「多過ぎず少な過ぎず」が理想となります。家庭教師をしていたアレクサンダー大王が小国マケドニアを急速に国を広げ、あっという間に分裂したのを目の当たりにしていたのもあるかと。 @kambara7

2018-01-12 19:43:41
上原潔 @UeharaKiyoshi

プラトンの理想は君主制ですが、アリストテレスは君主制、貴族制、民主制のどれにも一長一短を認めます。ただ、君主制はいい人が治めれば最高なんですが、馬鹿が治めると最低最悪になると(笑)民主制は悪い状態でも、君主制の悪い状態に比べたらマシと見ています。長々とすみません。 @kambara7

2018-01-12 19:50:25