アニメカイジのシリーズ構成・高屋敷英夫さんの軌跡を巡る旅、蒼天航路11話脚本:善悪なき戦場
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カイジが好きというだけで始めてしまった、カイジのシリ構、高屋敷英夫さんの歴史を追うシリーズの続きやります。 今回は、蒼天航路11話脚本。前回は同作2話脚本。 ブログ: makimogpfb2.hatenablog.com/entry/2018/01/… 上記ブログ関連ツイートまとめ: togetter.com/li/1149265 他: togetter.com/id/makimogpfb
2018-01-14 14:15:33まちがえた、前回のブログについてのツイートまとめはこちら togetter.com/li/1187525 twitter.com/makimogpfb/sta…
2018-01-14 15:53:25高屋敷氏脚本蒼天航路11a アニメ・蒼天航路は、同名漫画のアニメ化作品。高屋敷氏はシリーズ構成も務める。 監督は学級王ヤマザキや頭文字D4期などを監督した冨永恒雄氏。 総監督は、バイファムやワタルなどのキャラクターデザインで有名な芦田豊雄氏。
2018-01-14 14:17:33高屋敷氏脚本蒼天航路11b 配信期間が迫っていたので、今回もブログにまとめました: 蒼天航路11話脚本:善悪なき戦場 - カイジのシリーズ構成・高屋敷英夫さんの軌跡 makimogpfb2.hatenablog.com/entry/2018/01/… #はてなブログ
2018-01-14 14:19:42高屋敷氏脚本蒼天航路11c 詳しくはブログ( makimogpfb2.hatenablog.com/entry/2018/01/… )に書いたが、今回は、後漢を支配する暴君・董卓(とうたく)と、袁紹(えんしょう)を中心とした、反董卓連合軍が、都・洛陽手前の砦・汜水関(しすいかん)にて激突する話。
2018-01-14 14:26:13高屋敷氏脚本蒼天航路11d 今回も、高屋敷氏の特徴である「人ではない“もの”」の活躍が見られ、「旗」や「駒」が意味深に映される(画像はDAYS・カイジ2期脚本との比較)。特に「旗」は今回の話のキーとなっており、同氏がよく出すテーマ「アイデンティティの如何」とも関わってくる。 pic.twitter.com/rTrJxNH4W8
2018-01-14 14:33:06高屋敷氏脚本蒼天航路11e 反董卓軍には曹操・劉備・張飛・関羽・孫堅らが参加しており、いわば三国志オールスターが揃っている。 前述の「旗」だが、曹操は作戦に、劉備はアピールに使う。 そして曹操は冷静さが、劉備は無邪気さ・熱さが目立つ作りになっている。
2018-01-14 14:38:35高屋敷氏脚本蒼天航路11f 劉備に関しては、やはり高屋敷氏の特徴である「疑似家族と、その愛情」が強調されている。有名な話だが、劉備・関羽・張飛の間には義兄弟の絆があり、高屋敷氏の得意分野と相性がいい。 3人の絆が、時にコミカルに、時に熱く描かれている。画像はルパン三世3期脚本との比較。 pic.twitter.com/pRuyopXUlb
2018-01-14 14:47:03高屋敷氏脚本蒼天航路11g 一方で曹操は、派手な劉備達や呂布(董卓軍側・関羽と決闘する)の活躍の影で、大局的に戦場を見ており、袁紹を煽ってみたりもする。画像は、カイジ2期脚本での煽り上手なカイジとの比較。 ラストでも曹操は、董卓の暴虐ぶりに隠された計算高さを冷静に評価している。 pic.twitter.com/Q1n0GJ2Hhf
2018-01-14 14:55:00高屋敷氏脚本蒼天航路11h 戦いは、董卓の残虐さに圧倒され、袁紹を中心にした反董卓軍が撤退せざるを得ない展開に。 それでもなお曹操は、前述の通り、董卓を冷静に評価する。 ここも「善悪の区別は単純ではない」という高屋敷氏のテーマが見える。 董卓でさえ、曹操の評価もあり、かっこよく見える。 pic.twitter.com/iGlWDyMXLg
2018-01-14 15:03:10高屋敷氏脚本蒼天航路11i 考えてみれば、戦において「どちらが善か、どちらが悪か」を判断するのは難しい。色々な軍や将にファンがいる三国志なら尚更だ。 こういった要素も絡まり、高屋敷氏は本作のシリーズ構成方針として「善悪を決めつけない」ことを前面に出しているように感じられる。
2018-01-14 15:09:07高屋敷氏脚本蒼天航路11j カイジのシリーズ構成においても、善悪の区別が単純ではないことが色々描かれており、例えば「クズ」や「悪」とは誰のことを指すのか、明確な答えを出さない、いや出してはいけない構成になっている。あの残虐な利根川や会長にしても、それぞれに理があり、魅力がある。
2018-01-14 15:14:59高屋敷氏脚本蒼天航路11k カイジの会長には焼き土下座装置や地下帝国、本作の董卓には数えきれないくらいの暴虐な所業があるが、カイジと会長は、1期ラストにて互いの心に触れ合う。 一方本作にて曹操は、董卓を常に大局的な目で見ており、冷静に評価する。
2018-01-14 15:25:04高屋敷氏脚本蒼天航路11l 曹操の「大局を見据える目」、カイジの「生死の境目に見える気付き」は、高屋敷氏の理想とする主人公の姿なのかもしれない。 また、悪役(?)が必要な、太陽の使者鉄人28号や、1980年版鉄腕アトムなどの子供向け作品の脚本でさえ、悪役の理や魅力を描いたりしている。
2018-01-14 15:33:15高屋敷氏脚本蒼天航路11m 高屋敷氏のデビュー作はジョー1脚本(無記名)であり、最終回含めたジョー2脚本は同氏の代表作とも言える。 ボクシングにおいて、リング上では善も悪もない。 一歩3期脚本では、あの残虐な沢村にシンパシーすら覚える構成になっている。
2018-01-14 15:38:32高屋敷氏脚本蒼天航路11n つまり、「リング」「戦場」「デスゲーム」、これら「戦いの場」では善悪の関係は無くなり、純粋な勝負のみが残る。 勿論、カタルシス的には、主人公が理を持って勝つのが望ましいが、主人公側が負ける時の「理」についても、高屋敷氏は描いている。
2018-01-14 15:44:57高屋敷氏脚本蒼天航路11o カイジ1期脚本の会長戦、ジョー2脚本のホセ戦、今回の汜水関の戦い、いずれも主人公側は負けている。それでもなお高屋敷氏は、主人公の魅力も、相手側の魅力も描く。 同氏の「戦において善悪なし」の姿勢が見れた回だった。
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