なぜマンガは新書判が多いのか? 〜コミックスの判型の流行と変遷〜
- makoto_oda
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@makoto_oda マーガレットコミックスになって一気に初版が10倍になった記憶があります。ぶ〜けはレーベルが地味だったので古本屋さんも買い取ってくれないという...(笑)MCにはどの書店さにも棚があったので並べてもらえて嬉しかったです。
2018-01-17 16:34:08@makoto_oda ぶ〜けコミックスをMCにするためにある編集さんが10年くらい頑張ったとお聞きしました。わたしはチェックじゃなくてピンクの背表紙のレアなぶ〜けコミックス(新書版)が一番出てた作家なんです(笑)
2018-01-17 16:36:20@makoto_oda カラーの話に戻りますが当時の少女漫画は蛍Pが使えたので実際の原画より華やかになる傾向があったのですが、ぶ〜けは逆で色が落ちるで地味になってしまい、原画の方がずっと鮮やかという...。なので先輩先生方お描きになったイラストはどれだけ美しい原画だったのかと。
2018-01-17 16:44:27@torikochiya カラーに関して。3色だったという話を聞いたとき、じゃあ自分が見ていたあのカラーページは一体…!?って混乱いたしました。ぶ〜けの先生方の絵はとても華やかな印象があったので。どういう魔法だったんですかね…。3色だったのはやはり少しでも印刷代を抑えるためだったのでしょうか?
2018-01-17 17:03:04@makoto_oda 本当に真似できない素晴らしさでした。今でこそ当時のぶ~けの部数で廃刊なることはないと思われますが集英社では他が100万部を越えるのが当たり前、コミックスもミリオンの作家さんが普通に何人もいた時代で。そんな中ではかなり厳しい部数だったので編集部も肩身が狭かったようです(笑)
2018-01-17 17:09:29@torikochiya 10倍! そうか〜、そんなに違ったんですね。稚野先生は1990年ごろから連載なさっていたと思うのですが、単行本のテンプレートはすでに新しいものでしたか? でもやっぱり作者、作品としてはたくさんの方に読まれたほうが嬉しいですよね。ご家族も喜ぶでしょうし。
2018-01-17 17:10:54@makoto_oda なので途中から少女向けに変わり刷り色も赤やオレンジ、緑など入り、主人公は高校生でと言われて描いたのが「天国の花」でした。
2018-01-17 17:11:40@torikochiya なるほど、マーガレットコミックスに統合されたことにより、対象読者の年齢層も意図的に下げていったのですね。
2018-01-17 17:13:24@makoto_oda ところがまた途中で大人向けになり判型も大きくなり刷り色は黒一色、全部活版印刷になり、ストーリーも読み切りにして始めたのが「クローバー」です。なので最初は読み切り形式でした。
2018-01-17 17:14:03@makoto_oda そんな中、もうどうしようもなくなりCookieになりました。 そうしたら今度は読者の年齢が13~19歳と下がってしまったんです(りぼんのお姉さん誌として出たので、実はぶ~けの妹誌なんです)ぶ~けの読者層はオーバー30でしたので困りました。そこで芸能人の杳生を出すことに。
2018-01-17 17:17:42@torikochiya 活版になる前はオフセットだったということですね。あー、版元側の葛藤が感じられますねえ…。結果的に『クローバー』は大ヒット作になりましたが、それでも状況には大きな変化はありませんでしたか?
2018-01-17 17:18:04@torikochiya そうですよね。読者の側からしても「ぶ〜け」の後継誌が「Cookie」というのは違和感がありましたね。まだ「ヤングユー」や「コーラス」のほうが近いと思ったのですが、社内的なあれこれがあったんでしょうねえ…。しかしそのつど見事にご対応なさる先生はプロフェッショナルです…!
2018-01-17 17:21:11@makoto_oda Cookieになる際全ての連載は終わったのですが「クローバー」はぶ~け本誌より発行部数が多く(雑誌より部数の多いコミックスは珍しかった)当時の担当さんが編集長を説得して、売れているものを敢えて終わらせる必要はないのでは?と反対してくださって。続けることができました。
2018-01-17 17:22:06@torikochiya なるほど。しかしそうするうちに雑誌の読者層と、単行本の読者層に乖離を感じたりすることはございましたか?
2018-01-17 17:24:48@makoto_oda なので「クローバー」はMCですがよく見ると小さく、ぶ~け、Cookie、コーラス、ココハナと記載されてます。 集英社の大人向けはいまはないのですがクイーンズコミックスでしたが、私と斎藤倫先生だけはなぜかずっとマーガレットコミックスだったんです。
2018-01-17 17:26:20@torikochiya 歴史が刻印されているわけですね。素晴らしいことです。レーベルにはなにか厳密なルールがあるんですかねえ…。けっこうノリや雰囲気のようなもので決められているような気もします。
2018-01-17 17:28:23@makoto_oda レーベルを移るのはとても大変です。MCはQCより10円安くて、そうすると印税がかなり変わってくるので度々訴えましたがMCは子供向けだからと(お小遣いで買える値段)言われて、は?と思いました。私子供向け描いてるつもりないし、なぜ私だけ(当時のコーラスで)他の作家さんより安いの??と。
2018-01-17 17:43:00@torikochiya 切実な問題ですよね。版元側としてはQCよりMCのほうが部数は多いので…という理屈だったんでしょう。いやあ、貴重なお話ありがとうございました! 『月と指先の間』に新刊の判型を巡るエピソードがございましたので、きっとたくさんの経験とお考えをお持ちだと思っておりました。
2018-01-17 17:54:32@makoto_oda こちらこそ長々と失礼致しました🙇また講談社や他の出版社は考え方が違うので。作家は柔軟性が求められますね。デジタルが増えた今の時代ではまた違う問題がありますし。
2018-01-17 18:03:25【補足】「ぶ〜け」に関する証言
フランスで伝統工芸製本を学び帰国後漫画家に「白い本の物語」「BABEL」(小学館)「花コイ少年」「ブレードガール」(講談社) 文化庁メディア芸術祭推薦作品、角川武蔵野ミュージアムにアートワーク協力、フランス漫画専門誌「ATOM」に特集、スペイン国際マンガフェスティバル・マンガバルセロナ招待作品、フランスにてマンガ展ほか
@makoto_oda 以前、吉野朔実先生とお話する機会があったのですが、当時、カラーが印刷の関係で思ったように出なくて歯噛みした事や、雑誌の広告?スペースとして頁の1/4を空ける必要があったけど、その頁はしっかり1/4原稿料が引かれてた等、なかなかハードな思い出話でした。
2018-01-17 19:22:27公式サイト letre-comic.com 講談社BE・LOVEにて連載中「またのお越しを」2巻発売中/「傘寿まり子」(講談社漫画賞受賞)全16巻発売中/集英社クリエイティブ「LP〜ライフ・パートナー〜3番目の配偶者全3巻発売中/着物歴22年/フレデリック大好き