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アリアンVロケットご乱心 ~とんでもない所に飛んで行った商業打ち上げのエース~

ヨーロッパの主力ロケットであり、世界の商業衛星打ち上げで圧倒的なシェアを持つアリアンロケット。  SpaceXの猛攻を受けながらも、安定した打ち上げ実績を堅実に積み重ねてきました。 しかし1/25の打ち上げではロケットとの通信がロスト。その後軌道上に衛星を確認しましたが、とんでもない軌道に入ってしまっていました。いったい何が起こったのでしょうか??
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Spaceflight101 LIVE @S101_Live
LIFTOFF! The first #Ariane5 of 2018 takes flight on a high-energy delivery involving a pair of cutting-edge communications satellites for SES & YahSat along with a science-class hosted payload from NASA. bit.ly/2DJvwhR

世界最大手の衛星通信会社SES社のSES14衛星と、アラブ首長国連邦のアフリカ向け通信衛星Al Yah 3を搭載した、アリアンVロケットVA-241号機が打ち上げられました。
安定のアリアンV 、何事もなく軌道に乗ると誰もが思っていましたが…。

Spaceflight101 LIVE @S101_Live
To recap: Telemetry displays provided through the #Arianespace webcast showed the signal from the ESC-A dropping out around T+9:29 (coinciding with the expected LOS at Galliot). The lack of updates from the DDO seems to confirm this as a real loss of signal scenario. #VA241
Spaceflight101 LIVE @S101_Live
Stéphane Israël has confirmed there was an anomaly during today's #Ariane5 launch, reporting contact was lost in the early portion of the upper stage burn. No signals from #SES14 or #AlYah3 yet.

第1段分離後、ロケットとの通信がロスト。
単にテレメトリが送信できないのか、それとも爆散してしまったのか…情報がなので何もわかりません。

Stéphane Israël @arianespaceceo
Flight VA241’s two satellite payloads – SES-14 and Al Yah 3 – are in orbit and operating nominally, despite a trajectory deviation experienced during the launch. Upcoming launch campaigns currently underway at the Guiana Space Centre (CSG) are proceeding as scheduled.

その後、分離された2機の衛星から通信が入りました。ところが衛星は普通は入るわけがない奇妙な軌道に投入されてしまっていました…。

Spaceflight101 @Spaceflight101
Orbit Data for #Ariane5 #VA241: 43174/2018-012A: 232 x 43,163km, 20.64° 43175/2018-012B: 232 x 43,198km, 20.64° 43176/2018-012C: 169 x 42,790km, 21.01° 43177/2018-012D: 235 x 43,153km, 20.64° Target was 250 x 45,000km, 3° (Inclination is way off).
LH2 @LH2NHI
昨日Ariane5に発生したトラブル、ようやく衛星の軌道が出たと思ったら軌道傾斜角がまさかの21度!(ターゲット軌道は3°)どうしてこうなった???? twitter.com/Spaceflight101…  第2段のテレメが死んだだけかと思ったら全然違うところに飛んで行っていたでござる。
LH2 @LH2NHI
通常GTOミッションでトラブルが発生する場合、(エンジン燃焼終了が早まる)軌道傾斜角は変わらずにアポジ高度が下がる。250×45000km 3度がターゲットだったので、「予定軌道に無い」報道の時はアポジ25000kmで止まっちゃったかな?と思っていた。
LH2 @LH2NHI
傾斜角が変わるというのは、進行方向に対し横向き(この場合南向き?)に噴射する等といったありえない異常事態が起こらないと発生しない。アビオニクスがおかしかったのかな…?

最初は第2段分離後に通信が途絶えたこともあって第2段がおかしな方向に飛んだ?とも考えましたが、どうもおかしい。
そのうちまさかの事実が判明。
”発射直後から変な方向に向けて飛んでいた!”

LH2 @LH2NHI
ええええ~昨日のAriane5、どうも発射直後からなぜか東南東(方位角111度)に飛んで行っていたらしい…。(東に飛ぶ(方位角93-94度)はず) んなアホな…でも軌道エネルギー的にもこうでないとおかしいな spaceflight101.com/ariane-5-va241… twitter.com/LH2NHI/status/…  というかさすがSpaceflight101さん鋭い… pic.twitter.com/HXIBcz9CTb
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LH2 @LH2NHI
軌道エネルギー的にも、というのは、第2段で軌道を20度も曲げたらΔVが2km/sくらい余分にかかるので、遠地点43000kmと当初計画45000kmとほぼ同じ高度に到達するのは絶対無理。最初から最後までずっと傾斜角20度に向け加速してるならアポジはほとんど同じにできる。参考:高度化 togetter.com/li/569648?page…
LH2 @LH2NHI
ということで、第2段の通信途絶も、「そもそも地上局のあるアフリカ中央部上空を飛んでないから受信できるはずがない」ということだった。 しかし、発射方位角が東南東ということで南アメリカの海岸線に近い飛行経路になっていたのに、飛行安全官(RSO)が指令破壊しなかったのは大問題なのでは?
Hideshi Kagawa @wdb201126
@LH2NHI 種子島じゃないクールーからの打ち上げだから、わざわざ不要なインクリネーション付けたんですね。なんだこりゃ。
LH2 @LH2NHI
うわ、昨日のアリアン、本当に発射直後から変な方向に飛んでいた動画が出てきた…。 twitter.com/DutchSpace/sta… 通常洋上を飛んでいくアリアンが頭上を飛んでいく…ってこんなん許されるわけないだろ!かえって危険と判断して指令破壊しなかったのか、気付かなかったのか…。 twitter.com/LH2NHI/status/…
大貫剛 @ohnuki_tsuyoshi
アリアン5、思いっきり南米の陸地をかすめて(もしかしたら上空を通って)るけど、どうなってるんだ…陸上へ接近する前に指令破壊するんじゃないのか。 spaceflight101.com/ariane-5-va241…
きみ_Lica @kimi_lica
@LH2NHI 初期から方位角ちがうとなると、クールーとかカイエンヌ大丈夫かいなと思いましたが、111度ではまだ平気でした。 ただ、管制ヒヤヒヤしてたんじゃないのかなあ。 pic.twitter.com/zQw0x7ZAzs
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まあ打ち上げに失敗してしまったのは仕方ない。でもまあ傾斜角20度でアポジが同じなら衛星はそんな大変じゃないでしょ?
そんな風に思っていた時期が私にもありましたが、軌道を確認してみると…。

LH2 @LH2NHI
あ…アリアンが投入した衛星の軌道、アポジ43163kmで、傾斜角はついてしまったけどちょっとした修正で済むかな、と思ってたけど、アポジが赤道上空にないじゃないかこの軌道…。近地点離角でかい…。 赤道から南東に加速=加速終了時に南半球=北にアポジがある という構図。 pic.twitter.com/wxX3GrbftN
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LH2 @LH2NHI
近地点離角はGTOでは普通0度でないと、そもそも「アポジで静止軌道に接する」ことがないのでアポジキックができない。電気推進でじわじわ変えていくとしてもΔV消費は単に軌道が傾いてるのとは雲泥の差になりそう…。
松浦晋也 @ShinyaMatsuura
最初はテレメ途絶だけで正常飛行ならば、大きな影響はないかと思っていたが、打ち上げ直後からのコース逸脱ということで、これはえらいことになってきたな。 twitter.com/ShinyaMatsuura…
LH2 @LH2NHI
@ShinyaMatsuura 衛星も傾斜角20度だけならアポジはほぼ同じなので大したことなさそうですが、発射直後から南半球に向け加速してしまったのでアポジが北半球上空=赤道上空にない軌道に投入されてしまっていますね…。軌道遷移もかなりのΔVを消費しそうで、電気推進とはいえ大変そうです。 twitter.com/LH2NHI/status/…
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コメント

Ukat.U @t_UJ 2018年1月27日
安全確保の手順がどうなってるかわからないですが、通信途絶して状態がわからないのロケット飛び続けてるってまずくないのかな?結果的に軌道に投入できても。
Tsuyoshi CHO @tsuyoshi_cho 2018年1月27日
うは、なんとも派手な失敗(だけどふっとんではない)になったなあ
潔癖症ニート @8165_4_65A 2018年1月27日
これホントに衛星の推進系だけで修正できるのかな…
きみ_Lica @kimi_lica 2018年1月27日
今考えると、アリアンVはH-IIAの静止軌道投入みたいに、赤道上で2回目の燃焼しなくても静止トランスファーに入れるのがメリットなんだが、今回は、初めから南にずれて上げちゃうと、修正する余地ない。 どうしてこうなった。
ゆき@頭弱 @fe_yuki 2018年1月27日
なんでこれで指令破壊しなかったの? アリアン側の安全管理の基準が意味分からない。
だいすけ @yu_skv719 2018年1月27日
アホなのでわからんけど大変なんやな
IheY @kujira090 2018年1月28日
下町ロケットなら爆破してた案件
散散満/阿部市英夫 @til_til_mitil 2018年1月28日
通信途絶が通信機材トラブルでなく「そもそも通信できる範囲を超えた」から爆破指令も届かなかったとかなのかな。
Zephyr @Zephyr0d22 2018年1月28日
ロケットガールのLS-5A二号機は精霊のいたずらだったけど・・・グレムリンでも出たのかな?
fragmem @NisKs401 2018年1月28日
「傾斜角20°なら大したことないやろ…余計なΔV消耗するけど」とか考えてた時期が私にもありました。なんだこの軌道(困惑)
山下238 @Yamashita238 2018年1月28日
難しい事はよくわからんが、「ロケットがあさっての方向に飛んでった」ことだけはわかった。
× ((( ⊂⌒~⊃。Д。)⊃ あちぃ @cv45ValleyForge 2018年1月28日
「打ち上げ失敗=爆発」の時代から「打ち上げ失敗→さて、どうリカバリしよう?」の時代なんだな。って思う。
撃壌◆ @gekijounouTa 2018年1月28日
これアリアン側から衛星側には補償金とか、保険会社から保険金が下りたりするのかしら??
じげん (目には目を埴輪には埴輪を) @jigen_the3 2018年1月28日
ここから正規の軌道に戻せるってすげーなー。あと打ち上げ慣れして運用が適当なのか逆に現地での打ち上げが不慣れでこうなったのかよく分からん。
ひろ@猫もふ欠乏症 @hiro_h 2019年1月14日
en.wikipediaだと、軌道修正出来たけど燃料使いまくったので寿命短縮、保険受け取りって書いてるっぽい?
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