『百万光年のちょっと先』裏話

作者の古橋秀之氏による各話あとがき EPILOGUEまで収録(2018/05/26)
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古橋秀之@『ブラックロッド[全]』販売中 @Furuhashi_h

11「幸運な四人の男」。「ほら自慢」の話型ですね。集まった男たちが次々とデカいことを言うも、最後のひとりが全部かっさらっていくという。今回はそこに友情を絡めてちょっといい話に。乾杯! #百万光年のちょっと先・裏話

2018-02-24 12:16:19
古橋秀之@『ブラックロッド[全]』販売中 @Furuhashi_h

12「韋駄天男と空歩きの靴」。おとぎ話に出てくる「7リーグ・ブーツ」に恒星間航行とウラシマ効果を掛けて。しかし「ふと気がつくと迷子になっている、という恐怖」って、今の時代には縁遠い感情かもですね。スマホのナビとかありますし。 #百万光年のちょっと先・裏話

2018-02-24 12:16:46
古橋秀之@『ブラックロッド[全]』販売中 @Furuhashi_h

13「恋文ロボット」。ある人物の意志や存在感を伝える通信手段が超高度化すると(それでいて、あくまで「即時通信ではない」場合)、それは「本人そのもののコピーを送りつける」ことになるんじゃないか、みたいな。 #百万光年のちょっと先・裏話

2018-02-24 12:21:28
古橋秀之@『ブラックロッド[全]』販売中 @Furuhashi_h

14「二本腕、四本腕、八本腕」。元ネタはグリム童話の「一つ目、二つ目、三つ目」ですね。後半に出てくる「王様」が好き。 #百万光年のちょっと先・裏話

2018-03-03 15:01:22
古橋秀之@『ブラックロッド[全]』販売中 @Furuhashi_h

15「電卓ジョニィの冒険」。発想とネーミングのきっかけは「記憶屋ジョニィ」。科学的なガジェットって、現代は「ただの道具」であるモノが、古いSFでは「魔法の杖」の扱いだったりするのが、ちょっとオモシロイですよね~、という話。 #百万光年のちょっと先・裏話

2018-03-03 15:01:54
古橋秀之@『ブラックロッド[全]』販売中 @Furuhashi_h

16「穴底の男と凍った娘」。これも「くるくる、きらきら」系。仕掛けとしてはブラックホールとかコールドスリープとか。あと高橋葉介「学校怪談」の中にあった、塀の上で踊る少女の話のイメージも、ちょっと入ってるかも。 #百万光年のちょっと先・裏話

2018-03-03 15:02:38
古橋秀之@『ブラックロッド[全]』販売中 @Furuhashi_h

17「夢見るものを、夢見るもの」。三すくみとか円環構造の話。「まったくちがう世界に生きる知性体」を何種類も考えるのがたいへんかなと思ったら、以外とすんなり行けました。詳しい生態とか考えだすとアレでしょうけど、みんな寝てるだけなので! #百万光年のちょっと先・裏話

2018-03-10 10:57:48
古橋秀之@『ブラックロッド[全]』販売中 @Furuhashi_h

18「船に恋するクジラ」。ネタの傾向として、「天然のワープ器官を持ち、亜空間に生息する超生物」とか、大好物。お話的には「野生動物がうっかり人工物に発情しちゃう話」。ヒロインのクジラちゃんの、恋に恋する他愛なさが好きです。 #百万光年のちょっと先・裏話

2018-03-10 10:58:03
古橋秀之@『ブラックロッド[全]』販売中 @Furuhashi_h

19「偉大なるバニラ味の総統」。ドロドロのペーストの中に細菌だかナノマシンだか的な知性体がみっしり居て社会を作っている……というイメージは「ブラッドミュージック」由来かしら。「AIの暴走」みたいな話でもありますね。 #百万光年のちょっと先・裏話

2018-03-10 10:58:24
古橋秀之@『ブラックロッド[全]』販売中 @Furuhashi_h

20「顔をなくした青年」。私も「仕事の話とか、PC越しのほうが楽だな。メールも定型文でよかろう」と考えがちな人間なのですが、そういうことばっかしてると、使う道具(メールをPCで書くかスマホで書くか、とか)によって、言動がブレてきたり……。 #百万光年のちょっと先・裏話

2018-03-17 09:14:37
古橋秀之@『ブラックロッド[全]』販売中 @Furuhashi_h

21「地上に降りていったサル」。昔の国語の教科書に載っていた「おつきさまとさる」の話(水面の月影を助けようとするやつ)に、軌道エレベーターの原理を引っ掛けて。この話のサルたちの、好奇心旺盛で、妙にスットボケた感じが好きです。 #百万光年のちょっと先・裏話

2018-03-17 09:16:12
古橋秀之@『ブラックロッド[全]』販売中 @Furuhashi_h

22「つまり、すべてはなんなのか」。フレーム問題の話ですね。AIとかが「現実世界の無限の情報量」にパニクって止まっちゃうやつ。それを回避する鍵は「身体性に根ざす優先順位づけ」つまり「それって飯喰って寝ることより大切な話?」という問い返し、みたいな。 #百万光年のちょっと先・裏話

2018-03-17 09:19:12
古橋秀之@『ブラックロッド[全]』販売中 @Furuhashi_h

23「絵と歌と、動かぬ巨人」。世代的に、巨大ロボットが超高速でドツキ合う絵面は「ファイブスター物語」由来のイメージですかね。擱座して朽ちていく姿は「ダグラム」。なお、ロボットが「コレガ……コ・コ・ロ……」とか言い出す系の話は基本的に好きです。 #百万光年のちょっと先・裏話

2018-03-24 11:36:36
古橋秀之@『ブラックロッド[全]』販売中 @Furuhashi_h

24「神々の糧、一日一錠」。「ダイエットで計算するカロリー」と「核兵器の破壊力のTNT換算量」って、「熱量」って意味では同じだよなー。じゃあ核兵器喰ったらどれだけ「カロリー過多」になるのかしら、という発想。 #百万光年のちょっと先・裏話

2018-03-24 11:37:06
古橋秀之@『ブラックロッド[全]』販売中 @Furuhashi_h

25「檻の中、檻の外」。たまに「人間の檻」がある動物園とか、ありますよね。檻の中にも外にも人間がいるとしたら、どっちが本当の「中」なんだ、みたいなことを考えだすと……なんかこう、トポロジー的な話に。 #百万光年のちょっと先・裏話

2018-03-24 11:37:53
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26「五歳から、五歳まで」。「ジャネーの法則」でしたっけ、「歳を取るほど1年を短く感じる」という現象。じゃあ「認知症で子供返りした人の数年の余命」って。主観的にはすごく長いんじゃないかしら、という発想。 #百万光年のちょっと先・裏話

2018-04-01 14:43:20
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27「首切り姫」。この話の「王様」は、いわゆる「中国語の部屋」ですね。その人格は「中の人」ではなく、システムそのものに宿っているのやら、いないのやら。オチはもっと因果応報譚っぽくもできたと思いますが、シレッと進めちゃったほうがクールかなと。 #百万光年のちょっと先・裏話

2018-04-01 14:43:49
古橋秀之@『ブラックロッド[全]』販売中 @Furuhashi_h

28「見えない泥棒」。昔気質の誇り高い泥棒は『鬼平犯科帳』とか『天切り松』のイメージ。この人柄ゆえ、なんかイイ感じの人情話になりましたが、実は「自分がずっと監視されていたことをあとから知らされる」って、けっこう厳しいですよね。 #百万光年のちょっと先・裏話

2018-04-01 14:44:32
古橋秀之@『ブラックロッド[全]』販売中 @Furuhashi_h

29「最後の星乗りたち」。星乗り。英語で言うとスターライダー。これも「情景モノ」ですね。どうも「星」関係のネタはキラッとしたイメージでシンプルにまとめることが多いみたいです。「祭りのあと」みたいな物寂しい感じもポイント。 #百万光年のちょっと先・裏話

2018-04-07 09:05:00
古橋秀之@『ブラックロッド[全]』販売中 @Furuhashi_h

30「トン、コロコロ」。「脳」がすべての悪徳の元凶なので云々……というのは板橋しゅうほうの初期短編にあったような。「透明なドームの中にサイコロふたつ……」という絵面は、アレです、全自動雀卓の真ん中にあるやつ。 #百万光年のちょっと先・裏話

2018-04-07 09:06:14
古橋秀之@『ブラックロッド[全]』販売中 @Furuhashi_h

31「四次元竜と鍛冶屋の弟子」。危険を「未然に防ぐ」人って、世間の評価にはつながりにくい。あと中国故事の『屠龍の技』にも掛かってるかしらと思ったら、東京消防庁のハイパーレスキューの心得として額に飾ってあるそうです。それだ! #百万光年のちょっと先・裏話

2018-04-07 09:07:57
古橋秀之@『ブラックロッド[全]』販売中 @Furuhashi_h

32「賢者と戦争」。大宇宙の意志やらが「愛が大切~」とか言ってくる、いわゆるスピリチュアル系の話を見掛けると、「俗だな宇宙意志」とかヒネたことを思うんですが、自分で書いてると「やっぱ愛かなー」みたいな結論になったり。 #百万光年のちょっと先・裏話

2018-04-14 11:08:58
古橋秀之@『ブラックロッド[全]』販売中 @Furuhashi_h

33「彗星の鉱夫」。コールドスリープとかウラシマ効果とか重力による時間遅延とか、個人が「宇宙的な時の流れ」に晒される状況に「家族の物語」を掛け合わせると、百発百中で「泣ける人情SF」になりますよなー。『2001夜物語』とか。 #百万光年のちょっと先・裏話

2018-04-14 11:09:27
古橋秀之@『ブラックロッド[全]』販売中 @Furuhashi_h

34「パンを踏んで空を飛んだ娘」。「パンを落とすとバターの面から」云々は「マーフィーの法則」から。もちろんこれは現実の物理法則ではありませんが、「もしそうだったら成立することになる裏技」を模索するのが科学精神というものではないかと。 #百万光年のちょっと先・裏話

2018-04-14 11:10:09
古橋秀之@『ブラックロッド[全]』販売中 @Furuhashi_h

35「稲妻のような恋」。劇中の「非言語的高度言語」というのは、いわゆる雰囲気とか空気を読んだり醸したりする行為の延長線上のイメージ。たぶん通常言語としては言語化されないレイヤーでの、伝達、判断、感情などがあるだろうと。 #百万光年のちょっと先・裏話

2018-04-21 12:44:00