超訳「iZotope社提供・マスタリングエンジニアでない人向けの10大マスタリングTips」
- VocalEdit_com
- 20668
- 192
- 10
- 64
5.モニタ時には、マスターとミックスのレベルを揃える。 これはOzone8なんかを使用すれば簡単に実現できるが(訳注:いきなり宣伝キター!!)他のプラグインが混在する場合は、次の手順でも実現できる。
2018-02-13 11:46:24リファレンス専用のトラックを作り、そこに処理前のミックスをコピーする。次に、この音源を作成中のマスターと同じAUXバスに送る。そしてマスターを、目的とするラウドネスまで押し上げる。
2018-02-13 11:46:24次に処理前のトラックを再生し、曲中の最もラウドな部分をループさせながらラウドネス値を測る。その後マスターのトラックに切り替え、先ほどのラウドネス値に揃うようフェーダを下げる。
2018-02-13 11:46:24こうしてラウドネス値を揃えた上で、マスターに対して行った処理が物事をより良くしたか、あるいは悪くしたかを評価する。この段階でEQ処理の正当性を評価することは難しいかもしれないが、少なくともダイナミックレンジは比較できるはず。
2018-02-13 11:46:24もし潰されすぎたように聞こえる部分があれば、コンプレッサの効きを弱めてもいいだろう。あるいは、リミッタの反応をみながらEQを調整できるかもしれない。(たとえばキックがリミッタを過度に動作させるなら、100Hzを少し下げるとか)
2018-02-13 11:46:255.モニタ時には、作業中のマスターとリファレンスのレベルを揃える 先ほどマスタリング処理前後のレベルを揃えたのと同じように、リファレンストラックを専用トラックに読み込み、マスターとラウドネス値を揃える。
2018-02-13 11:51:48リファレンスとマスターを交互に切り替えると、EQについての比較を行える。リファレンスの方が明るく聞こえたら、緩やかなシェルビングEQで揃えにいけばよい。相対的にローミッドが鮮明さを欠くなら、その帯域を削ればよい。ここでコンプレッションの具合についても確認しよう。
2018-02-13 11:51:49リファレンスよりも潰れて聞こえれば、コンプレッションを弱めるか、リミッタを過度に叩かないようにする。
2018-02-13 11:51:497.どこでも良好に聞こえるようにする ミックスが最大限よくなるようにすることはミキシング・エンジニアの仕事。マスタリング・エンジニアの仕事で決定的に違うのは、このミックスがどこで聴いてもよくなるようにする点。
2018-02-13 11:59:11初心者がこれを実現するには、とにかくアクセスできるあらゆる再生環境でチェックする。慣れた環境で作業を行うのは当然のこと、その後にはコンポ、PCスピーカ、車両内、ヘッドホン、イヤホンなど、あらゆる場所や手段でチェックする。劣悪な環境を再現するためには劣悪なスピーカを買え。マジな話
2018-02-13 11:59:11それらの平均をとり、許容範囲を見つける。もし民生用ヘッドホンで全体が耳に痛く感じるなら、おそらくハイを下げる必要があるだろう。もし小口径のスピーカでミッドが不足しているように感じるなら、その帯域を補強すべきだろう
2018-02-13 11:59:128.モニタレベルを一貫させる 作業時は、毎回決まったレベルで作業することが重要。再生音量が変わると、判断もブレることになる。普段より小さく聞けばローを挙げすぎるかもしれないし、普段より大きく再生すればローが強調される結果、ハイが過多になるかもしれない。
2018-02-13 12:06:17モニタレベルの基準は、「耳が痛くない程度に快適な範囲内、かつラウドである」こと。一部のエンジニアは80~83SPLを好む。どこに基準を設けるにせよ、一貫したモニタレベルが、客観的な評価を可能にする。
2018-02-13 12:06:18もう一つ有効なのは(一般にDIMスイッチで実現されるように)手軽に12dBほど再生音量を下げる手段を準備すること。低いレベルで再生したときの雰囲気をチェックできる。これはマスターバスに挿したゲイン・プラグインをOn/Offすることでも簡単に実現できるが、書出し時は無効にすることだけは忘れずに
2018-02-13 12:06:189. 「作業→耳のリセット」を繰り返す 原則として、マスタリング・エンジニアは素早く作業する。理由は明快で、そうすることで客観的な耳を保てるのだ。 (意訳:耳は適応能力が高いので、長時間作業してると基準がバカになって何がフラットかわからなくなるアレ)
2018-02-13 12:18:02これを実現する方法のひとつは、調整作業を手短いに行うこと。 一例を示そう。ミックスはすでに良好だが、マスターはローミッドが厚すぎる思われたのでEQでこれを削る。次にリファレンスと比較し、大体バランスが並んだことを確認する。
2018-02-13 12:18:02続いてマスターを処理前のミックスと比較したところ、先ほどのEQによりダイナミクスがやや失われたことに気付いた。これを取り戻すためコンプのスレッショルドやサイドチェインフィルタ周波数を調整する。
2018-02-13 12:18:02こうした作業の合間合間に10分間程度の休憩をはさみ、休憩から戻った直後に聞いて納得できるセッティングが見つかるまで繰り返す。
2018-02-13 12:18:0310. エキスポートしてディザ処理 望みどおりのマスターが完成したら、次にバウンス、レンダー、エキスポートする。ここで、検討すべきことがいくつかあり、マスターの用途によって判断は異なってくる。きる
2018-02-13 12:26:48CDや大抵の配信プラットフォームに向ける場合、目的は44.1/16のWAVファイルとなる。それ以外の場合は次の記事を勧める izotope.com/en/community/b… 最終マスターにはディザを適用するが、その理由はここでは説明しない。 (訳注:日本語参考資料 pspunch.com/pd/article/dit…)
2018-02-13 12:26:48個人的には次のワークフローをとっている。 プロジェクトのサンプルレート&ビット深度で書き出し ↓ サンプルレート変換 ↓ ディザ、または圧縮フォーマットに変換 これでサンプルレート変換には高品位なツールを任意に使用できる
2018-02-13 12:26:48訳はここまで。以下は訳者注: 最後の書き出し手順について。 iZotopeのブログで紹介されたものは原文筆者の考えというより、少なくとも机上ではこれ一択なんですね。
2018-02-13 12:35:17まず、ディザ処理を行う際は、最終目的とするサンプルレートで作業しないと理論上意味がないこと。 また、mp3,AACといった圧縮音源にする場合、どーせエンコーダは一旦内部で32fとかdoubleに変換してから作業するので、そのまま手渡してやるのが最もロスが少ないです。
2018-02-13 12:35:18小難しい話は抜きにして、あくまで理論上ではありますが最もロスが少ないのは ■CDやハイレゾ配信が目的の場合 サンプルレート変換 ↓ ディザ ↓ ビット深度変換 ■圧縮音源にするなら サンプルレート変換 ↓ エンコーダに渡す
2018-02-13 12:35:18このサンプルレート変換という作業…特に落とす場合はローパスフィルタを通すことが必至になので、そのフィルタ設計の違いがDAWによって確実に差が出る部分だったりします。ここで原文著者がexcellentと評したのがどの製品かは気になるところ
2018-02-13 12:37:01