部族化シリーズ IF その１～僕っ娘なお姫様が相思相愛の幼馴染（♀）を部族の男に寝取られたあげくに自分も襲われる話～

帽子男 @alkali_acid

なのに女達が互いを寿ぐさまに耳を傾けて、ひどく体の芯を熱している。 「頭が…おかしくなる…」 じゃあ寝ろよって感じだがまあ、まあね。許してやって。

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モトカちゃんはなんかスンシン君のようすがおかしいのに気づいているので、そばに置いておく。向こうも嫌がらない。 「むこうから話してくれるまで待とう」 とりあえず覚えがいいので、ロボの整備なども手伝ってもらう。

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健康健全モトカちゃんは最近ますますあちこち出てきた。 言動は確かに男っぽいものの、身体は全然そうでもない。 四つん這いになって工具探すと作業着からばいんと分かる尻の形。 ケツがでかい。ロボのコックピットに座るときついほどに。双子産んでるユミちゃんは締まってるのに。

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「く…痩せないとな…ちょっスンシン君悪いけどかわりにとって」 起き上がって振り向くと、少年がふうふう言いながら拳を握りしめて肩を竦めて震えている。 「モトカ…俺…だめだ…俺」 「具合悪いんだな？分かった。すぐに執事さんかメイドさんを呼んでくる。応急措置ができる…旧人向けだけど…」

帽子男 @alkali_acid

作業着の上を脱いでぐるぐるっとまとめて枕にする。 「汗臭いけど…ごめん。横になってこれを」 「俺…だめだ！」 少年が女を押し倒す。荒い息をついて見下ろす獣の目。 「あ、あれ？ちょっ…」 「モトカ…俺…変わっ…変わった…頭が…もう俺じゃない…モトカのせいだっ…」

帽子男 @alkali_acid

「スンシン！だめだ！」 「うるさい！モトカ！」 口づけ。申し訳ないがモトカは部族の女としてはあまり強い方ではない。色々な意味で。スンシンは部族の男としては強い方。まだ小さいが。 物理主体とは別の面で伝播する情報主体として優位劣位があり、要するに押しに弱いか強いか。

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双子が見つけてお母さんを呼んでくるまでにお姫様はぐっちゃぐちゃになっていた。 水をぶっかけるユミちゃん。しがみついたまま腰を動かすのを止めない仔犬みたいなスンシン君。なんかもうあうあう言ってるだけのモトカちゃん。 「やめろや」 ゴンッ。

帽子男 @alkali_acid

かなり重い拳が上から落ちた。頭蓋骨のめっちゃ丈夫な部族の子でもかなりやばい強さで。 「…ユ…ミ…おれ…」 「なにしてくれてんの」 氏長の冷たい殺気に、盛りのついていた獣のあれもおさまる。 「おれ…モトカを…」 「あっちいってて」

帽子男 @alkali_acid

まあ色々あったが部族は丈夫なのですぐ回復する。 「ユミちゃん。スンシンは悪くないよ」 「悪いに決まってるでしょ」 「スンシンが大人になりかかっているのに、子供扱いし続けたのが間違いなんだ。部族の成長と旧人は違う」 「他人事みたいに言わないで！モトカちゃんは自分が」 「へいきだよ」

帽子男 @alkali_acid

「私は平気じゃない！」 「うん…ごめん」 「なんでモトカちゃんが謝るの！悪いのはスンシンで」 「違う。部族に旧人みたいな暮らしをさせるのは無理だと、分かっていたのに、なんとかなるって、甘い考えでいたせいだよ」 「…そう…そうだね」 「うん」

帽子男 @alkali_acid

ユミちゃんは大東亜連邦皇国につたわる古式ゆかしい反省の姿勢、セイザをさせたスンシン君のまわりを歩き回った。 「私、スンシンは、女の体ではなく男の体に惹かれると思っていた」 「…っ」 「スンシンはもう大人になったから、こういう話はちゃんとするから」 「お…俺…俺も…そう…思ってた」

帽子男 @alkali_acid

少年は涙ぐむ。 「だけど…モトカが…男みたいに見えて…女なら平気なのに…分からなくなって」 「ほかの女の体には惹かれない？私は？」 「惹かれない」 「分かった。うん…まあ…多分…スンシンはだいたい私と同じかな」 「同じ？」

帽子男 @alkali_acid

女は微笑む。 「変わってしまった自分が分からなくて、許せないんだと思う…でも変わることはある。突然変わることもある。変わった自分が、前の自分を裏切ったように思うこともある」 「うん」 「でも…変わることはどうしようもないよ」

帽子男 @alkali_acid

「そう…か」 「まあそれと同意なしにモトカと交配したのは別の話…それも何度もあんなに…いっぱい…」 「ごめん…なさい」 「罰は与える。しばらくモトカには近づかせない。私のそばに置きます」

帽子男 @alkali_acid

あれこれお叱りは受ける。すけべな意味ではなく。 「ということで、がらくた屋も…氏（うじ）としてやっていく。私達がもう部族なのは、確かなんだから」 「うんうん。で、どうする。氏長はスンシンが」 「私が氏長」 「え、詳しくないけどいいの？」 「いい。スンシンは氏の男」 「まあ…いいか」

帽子男 @alkali_acid

「モトカちゃんが共有妻」 「は？」 「私の許可があるときだけスンシンはモトカちゃんを抱ける」 「は？」 「いいよね？」 「それはどうかな。だって」 「いいよね」 「…えっ…これ同意しなきゃだめなの？」 「うん」 「そ、そう…」

帽子男 @alkali_acid

部族の氏（うじ）ってそういう仕組みなんだっけ、という疑問はあるが、御姫様はあまり詳しくない。しばらく部族の共有妻をやっていたユミちゃんがそれでいいと言っているし、スンシンも納得、というか顔を輝かせているので多分合ってるのだろう。 「でも…やっぱり冷静に考えておかしくない…？」

帽子男 @alkali_acid

空から来た子シメちゃんもだんだん育ってくる。 双子の片方がボールみたいに投げるとふわふわ飛びながらもう片方の手に収まる。 「シメ！お前面白いな！」 「面白い！」 「しめちゃん！」 得意げ。

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まあずっと島にいる訳にもいかないので世界をめぐる。 海に面した東七居住区という、一度は壊滅した街がちょい復興しているのでそこが寄港地になる。かつて防衛協力を求めて訪問したところ。 小さな子供がよってくる。 「ここに子供？」 びっくりするモトカちゃん。

帽子男 @alkali_acid

「生贄になった女が産み落としたのさ」 取引先である輸送隊の男が説明。 「母親は不適応でな。妊娠中に症状がひどくなった。耐えきれず部族になりに行ったが、途中で産み落としたガキはどうしたらいいか迷ったらしく、結局俺達に預けていきやがった」

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「そうか…名前は…あるのか」 「カイ、だとさ。もう会う気もねえガキにわざわざ名をつけるとはね」 「なるほど。これからどうする？」 「東四居住区の託児所にでも入れるさ」 「あそこか…ううん」 「引き取る気か？」 「まさか。僕がそんなおひとよしに見える？」 「…どうなんだ？」

帽子男 @alkali_acid

ユミちゃんはくそでか溜息。 「どうして次から次へ子供を拾ってくるの」 「いや、違うんだよ。この子が僕の足にしがみついてきて」 「モトカは御しやすそうだから」 ぽつりとスンシンが呟く。 「そんなことはないよ！？」 「あるけど」 「あるよ」

帽子男 @alkali_acid

「でも…あの…待って。そうだシメちゃんに友達ができる」 「スンシンもナギもナタもいるでしょう」 「でも…待って…えっと…な、名前はカイって言うだよ」 「そう」 「モトカ。そのうち船が子供の重さで沈むぞ」

帽子男 @alkali_acid

まあでも太陽光帆船は結構な積荷を運べるのだ。もうロボも二体載せてるし。 どこまでもゆける。大陸へも。新たな出会いがある。 海へそそぐ大河に暮らす部族は交易をする。ほかの部族とだが。 「今度は何も拾わないでね」 「ひとぎき悪いな…僕がまるで…」 「それと男が来たらはねつけて」

帽子男 @alkali_acid

お姫様はかなり腹立たしい。 「僕が…まるで…妖怪子供拾いみたいじゃないか…だいたいスンシンはうちについてきた側じゃないか…それをユミちゃんと一緒に…」 大河部族が竹につるしたパンダを運んでいる。悲しげな瞳。 「パンダだ…図鑑で見たことあるな…そういえば大河部族はパンダを狩るのか」